アイコン 混乱続くタイ全土に国軍が戒厳令 

反政府デモが続き首相や一部の閣僚が失職するなど混乱が続くタイで、国軍がテレビを通じて治安の確保を目的にタイ全土に戒厳令を発令したと発表した。
タイのプラユット陸軍司令官は、日本時間午前8時半ごろ、タイの主要なテレビ局を通じて、一斉にタイ全土に戒厳令を発令したと発表した。
この中で、プラユット陸軍司令官は、反政府デモによる混乱を受けて治安に対する不安が高まっているとしたうえで、今回の戒厳令はあくまで治安の確保が目的だと強調し、国民に対してパニックにならないようにと呼びかけた。
タイの首都バンコクでは、主要な道路の交差点やテレビ局やその周辺に軍の兵士が動員され、ものものしい雰囲気に包まれている。

バンコクでは、昨年11月から反政府デモ隊による抗議行動が続き、反政府勢力のデモ隊を狙った爆発事件も相次いで多くの死傷者がでるなど治安が悪化している。
また、今月、インラック首相と一部の閣僚が憲法裁判所の判決で失職に追い込まれたうえ、7月に実施される見通しのやり直しの議会選挙についても延期が指摘されていて、政治の混迷が続いている。

タイは、巨額の財宝を手にしたタクシン元首相が、首相当時、貧困層(人口6900万人、13%が貧困層)や農民層(人口の2割)に対して手厚い政策を採用していたため、今でもタクシン派が全国の選挙では圧倒し、都市部の人たちの不満が大鬱積している。(何でもありの利権派もタクシン派)

先日まで首相だったインラック元首相は昨年秋、タクシンの実の妹でもあり、海外逃亡中のタクシン元首相にかけられた不正蓄財などの罪の数々を、兄思いから選挙公約を破り、恩赦を議会にはかった。
それに反発した都心部の反インラック派=反タクシン派が反政府勢力としてデモを繰り返し、混乱が続く中、インラック首相まで、憲法裁判所で首相失格となり、トップ不在の状況となっていた。
タイは、政治に口を挟まない国民から絶対的な信頼を受けている王様がいるが、政治には今回も介入しなかった。軍部は、中立の立場を堅持しているが、選挙ともなれば、またタクシン派が勝利することは決まっており、それかといって、反タクシン派が政権を持ったとしても、政治的な混乱派増す。どっち道、タイに安定した政権は誕生し得ない状況となっている。
それでも、タクシン元首相に対する恩赦を行わず、不正を厳しく取り締まるタクシン派の人物が政権をとり、挙党体制の政治を執行した場合、タイは少しは落ち着くものと思われる。ただ、それではタクシン派にはいられず、不安定要素となる。王様が動けば別だが・・・動かない。
こうした状況に、一番イラツクのが、日本からタイ国へ工場移転した数千社の日系企業である。すでに車も売れなくなっている。
インドネシアも似た状況となってきている。利権派のゴルカルが民族政党支持に寝返った。日系企業にとって、政治的なカントリーリスクは、まだまだ東南アジア・中国は高すぎる。


 

[ 2014年5月20日 ]
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