アイコン ノバルティスのディオバン捏造データ事件は後継薬「エックスフォージ」のためだった

ディオバンは2013年特許切れになる降圧剤だった。
ノバルティスは、億単位の寄付金による各大学の医学部教授らとグルになり、それらの大学に降圧剤ディオバンのセールス目的の臨床試験を行わせ、その臨床データを改ざん捏造、ほかの効能も謳い上げ、年間1000億円超を売り上げる超大型商品に育て上げた。
 ところが、2013年にはディオバンは特許切れになる医薬品だった。
こうした問題を朝日新聞がすっぱ抜いている。
 同紙によると、ノバルティス社の「ディオバン」の後継薬である降圧剤「エックスフォージ」の販売につき、超売れっ子のまま「エックスフォージ」にスムーズに引き継がせることを目的に、こうした臨床試験が行われたとしている。

寄付金・広告など金にモノを言わせ、大学どころか学会まで巻き込み、臨床試験捏造データによる効能を大宣伝した効果は、売上高をトントン拍子に拡大させた。
 英ランセット誌に掲載されたのが2007年である。当然、それ以前から、教授らの発表前の論文に基づき、デタラメな効能を謳いあげ営業していたものと思われる。
 まったく同じ図式が、東大医学部を利用した慢性骨髄性白血病治療薬でも見て取れる。ここでは、安い医薬品から、高い医薬品にスライドさせるため、いろいろ画策していたことが明らかになっている。
 大学医学部における臨床試験が、製薬会社の営業目的に行われている実態が浮き彫りとなっている。それも著名な海外の医学誌まで利用している。それも捏造・改ざんデータに基づく論文発表であった。銭の巨塔であることを証明している。 長年築き上げてきた「日本の信用」は、ディオバンに続くSTAP細胞にガタガタ落ちとなっている。

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<際立つ千葉大の小室一成教授の反論>
2007年4月にLancet誌で、発表されたJikei Heart Studyの結果に関しては、当初からその信頼性に疑問が投げかけられ、多くの臨床疫学専門家が「限りなく黒に近い灰色」と評していた。
2011年7月には、J-CLEAR(臨床研究適正評価教育機構)の桑島巌理事長が週刊日本医事新報にて、Jikei Heart Studyに対する懸念を表明、
2012年4月14日、京都大学医学部附属病院循環器内科の由井芳樹助教が、ランセット(The Lancet)誌で、2012年5月19日に 週刊日本医事新報で、2012年10月5日には月刊循環器(CIRCULATION)誌で、日本で行われたバルサルタン(=ディオバン)臨床試験( VART)の統計学的な異質性を指摘した。
<反論>
2012年10月27日、VART試験の責任者である千葉大の小室一成教授らが週刊日本医事新報にて反論したが、由井芳樹助教は2012年12月1日に同誌にて小室らの反論にコメントし再度懸念を表明した。

 千葉大は、京都府立大学や慈恵医科大が「ディオバン」臨床試験論文に、データ改ざん・捏造があったと表明したことを受け、学内調査した結果、同大医学部においては「ディオバン」の臨床試験にデータ改ざんや捏造はなかったと表明している(名古屋大学も同様になかったと報告している)。
 
厚労省の医事課はこうし医事専門誌の論争を見てみない振りをして、ノバルティス天下を助長させる動きに徹していたことになる。余計な仕事を作らないのが官僚たちの真骨頂だ。

[ 2014年6月12日 ]
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