アイコン ゼンショーH/ 「すき屋」値上げに転ず 今期赤字転落予想に修正 牛丼戦争に終止符? 

すき家アベノミクスによる景気回復策は、東日本大震災の復興需要もあり、瞬く間に労働需給環境を一変させている。国内製造業の設備投資が大きく改善されているわけでもなく、また、消費需要も改善されつつあるものの、力強く旺盛に推移しているわけでもない。
 このことは、これまでのデフレ経済で隠蔽されていた少子化問題が、少しの景気回復によりいっぺんに表面化していることを意味している。
ゼンショーホールディングスは、牛丼チェーン「すき家」における人手不足による店舗営業休止のマイナス影響が主要因となり、中間期・通期とも当初予想を下回り、利益が赤字転落となる見通しを発表した。

「すき家」における売上高の減少と、強盗多発で警察からの要請もあり、深夜帯における一人勤務(ワンオペ)体制を、2014年9月末までの解消に取り組むことに伴う影響額を織り込んだこと、円安による輸入食材価格、及び、労働需給逼迫による人手不足により採用コストの上昇が予想されること等により、営業利益、経常利益、当期純利益ともに当初予想を下回る見通しとなった。

不景気による労働市場の需給悪化による低賃金・過酷労働環境・円高による輸入食肉等の原材料安により、これまで成長を支えてきた同社のビジネスモデルが、アベノミクスによる労働市場の需給逼迫・円安による輸入食材の高騰という、強みが弱みに逆に作用しており、その結果、営業利益率が大幅に落ちていることは見逃せない。
同社はブラック企業として、労働環境の改善を求められており、同社は、深夜に1人勤務(ワンオペ)を迫られる店舗を減らす。すき家の1984店舗のうち、現在も人手不足のために51店舗が休業、まだ、940店舗が深夜にワンオペで営業している。アルバイトの採用増や、昼の営業時間帯から人手を回すなどのやりくりで、半数の470店舗は9月末までにワンオペを解消できる見込み。その後も解消できない店は「深夜営業はやめる」という。

深夜の1人勤務(ワンオペ)については、これまで強盗多発や労働環境改善から是正を求められており、そうした中でアベノミクスにより労働需給逼迫現象が生じ、深夜ワンオペ体制の改善がなかなか進んでいないことを表している。

<牛丼値上げ>4月値下げしたばかり
こうした中、牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーは6日、牛丼価格を27日から引き上げると発表した。
牛丼(並盛り)はこれまでの270円(税込み)から291円(同)になる。これまでの税込価格270円を、価格を据え置いたまま、税別することで値上げする。
「すき家」は、今年4月の消費増税に合わせ、低価格で集客するため、従来の280円から10円引き下げたばかりだった。

ゼンショーHの第2四半期及び通期予想・実績比
連結/百万円
売上高  
営業利益
営率
経常利益
当期利益
15年3月期Q2前回予想
262,177
6,352
2.42%
5,704
1,479
15年3月期Q2今回予想
254,312
1,881
0.74%
1,246
-1,962
今回Q2予/前回Q2予比
97.0%
29.6%
 
21.8%
 
14年3月期Q2実績
227,649
4,342
1.91%
4,123
404
15Q2予想/14Q2実比
111.7%
43.3%
 
30.2%
 
通期予想と実績
15年3月期前回予想
537,906
15,908
2.96%
14,647
4,180
15年3月期今回予想
525,068
8,055
1.53%
6,811
-1,370
今回/前回予想比
97.6%
50.6%
 
46.5%
 
15年期予想/14年実比
112.1%
99.0%
 
85.6%
 
14年3月期実績
468,377
8,134
1.74%
7,957
1,103
13年3月期実績
417,577
14,736
3.53%
13,873
5,058
12年3月期実績
402,962
21,005
5.21%
19,300
3,068
 
[ 2014年8月 7日 ]
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