アイコン 温泉などの減圧室 危険な減圧症 死者も出ている

1224_05.jpg減圧症は、身体の組織や体液に溶けていた気体が、環境圧の低下により体内で気化して気泡を発生し、血管を閉塞して発生する障害。潜水症(病)、潜函症(病) あるいは ケーソン病 とも呼ばれる。
酸素や二酸化炭素は、呼吸により速やかに排泄されるので減圧症を発生させることはほとんどない。通常問題になるのは体液に溶けていた窒素が問題となる。
日本国内では、西伊豆でスクーバダイビングを楽しんだあと、高度が高い箱根を越えて帰宅する場合に発症するケースが多く報告されているという。
減圧症は、環境圧の急激な変化で発生するため、少しずつ圧力に体を慣らす事で防ぐことができる。

<減圧室の普及>
減圧室は、約10年前、大手化学メーカーの元社員たちが、福島県いわき市で開発を始めたのがきっかけとなり、新陳代謝・血行促進の健康効果をうたった減圧室が広まっていったとされている。同様の機械は全国の温泉ホテル・スーパー銭湯・健康施設などに100台近く普及しているといい、大分県のとある健康施設だけでも5年間で延10万人が利用したといい、利用者数は、延数百万人と推測されている。

<事件が起きた>
埼玉県ふじみ野市大井の温泉施設(スーパー銭湯)「真名井の湯大井店」で今年9月、室内の気圧を下げる「減圧室」にいた同県富士見市の男性会社員(65)と女性介護士(58)が死亡する事故があった。2人は特筆すべき持病は持っていなかったといい、県警東入間署は減圧が死亡につながった可能性が高いとみて、業務上過失致死容疑を視野に捜査している。まだ原因究明には至っていないという。
  同店は、ふじみ野市は低地にあり、井戸を深く掘り天然温泉を使用している。食事はできるが、宿泊施設はない。

<減圧室の危険性>
通常、減圧室では、15分で3,500メートルの山の高さまで減圧するという。当然、高山病が心配されるが、登山者によると、15分で3,500メートルの高さの気圧まで減圧するのは危険すぎるという。ゆっくり登った富士山でも高山病にかかる人は多い。また酒を飲んでも身体は減圧されるといい、温泉ホテルでは酒も飲む。また、殆ど温泉地は高度が高い地にあり、減圧室では身体が付いていけない状態になるおそれがある。
減圧室は密封されており、監視員がいなければ、内部で倒れても一人客の場合、気付かない。死者が出た温泉施設では、減圧室は、監視員もおらず、終わったら徐々に普通の気圧に戻すため、内部からも開けられない構造になっていたという。
だが、健康促進を目的に設置された減圧室、お客さんが亡くなられたことだけは間違いない。

また、減圧室の設置には、何の許認可も必要ないといい、健康促進の効能があるのかどうか不知だが、危険と隣り合わせのようだ。
施設側も、設置した場合、「健康促進の減圧室設置」と大々的に宣伝、施設の謳い文句にする。お客も珍しさに減圧室に入ることが多いようだ。

減圧室を利用するには、施設側の管理のあり方やいろいろな注意が必要のようだ。下手すれば命がけとなる。
温泉そのものが一番健康促進に役立つ!。
以上、これまでの報道など参照

[ 2014年12月27日 ]
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