高利運用の証券証書を発行して、投資家（市民）から金を集め、企業や不動産へ投資しているシャドーバンキング問題が、一機に噴出してきたようだ。
こうした金融会社は、政府機関や金融機関などが相手にしなくなった企業に対して、高利で融資しているが、融資先は不況で立ち直ることは難しく、回収は困難となっている。また、不動産会社への開発資金の高利融資も行っているが、今や北京や上海でも、不動産会社が大量に販売用不動産在庫を抱えているとされ、その処理に今後１年はかかるとされている。そうしたことから、不動産価格は暴落しており、不動産会社からの元利金回収が困難になっている。

ノンバンク（シャドーバンキング）へは、個人・企業・投資家・華僑からの出資を受け、高利で運用していた。
しかし、中央政府の規制強化により、銀行や大手企業などがシャドーバンクへの融資を回収、折からの経済成長率の鈍化、不動産価格の下落により、ノンバンクの融資先の経営が窮地に陥っており、運用していたノンバンクは連鎖して破綻している。　
こうしたノンバンクが破綻していけば、さらに出資していた企業なども連鎖する可能性があり、シャドーバングが危機的状況に陥っているようだ。バブル崩壊。

中央政府のバブル放任、未成熟な金融システム、２００兆円とも４００兆円ともされるシャドーバンキング資金が支えたバブルであった。しかし、不動産価格が庶民どころか世界から見ても高くなりすぎ、中央政府は一昨年暮、バブルを冷まさせようと購入者の１家が２戸目購入からは低金利制度の適用をしないなどの規制に乗り出した。だが、離婚して購入する者などが多発、新たな開発も進められ空振りに終わった。

政府は、初めてシャドーバンキングの存在の大きさ気付き、本格的にシャドーバンキングの規制に乗り出した。
シャドーバンキング側は、昨春になると、カラの送り状で輸出したように見せかけ、膨大な資金を香港などから調達するなど巧妙化、中国の貿易収支の数値さえ疑いがもたれるようになった。

中央政府は、中央銀行に対して、不動産融資の総量規制を行い、昨夏になると金融機関自体で資金不足が発生するに至り、中央銀行が緊急に金融機関に資金を流す一幕もあった。それほど、中央政府は規制を強め、金融機関も不動産購入者に対して融資を厳格化、なかなか融資許可を出さなくなった。
今年はじめに、こうした規制が効き始め、不動産バブルがやっと沈静化に向かった。