アイコン 佳兆業集団約61億円返済できず/中国不動産バブル崩壊  株は取引停止

佳兆業集団は、深センを地盤とし、珠江デルタ地域で不動産開発事業 を手掛ける中高級テベロッパー。2013年12月期の総負債額は660億49百万ドル(単位表記:RMB($)、ドル換算約7兆9千億円)に達しており、 さらに2014年5月に社債を4億ドル(約480億円)発行している。

中国の不動産開発、佳兆業集団(カイサ・グループホールディングス、香港メインボード上場・取引停止)は1日遅く、12月末返済予定の融資金4億香港ドル(5,130万ドル/約61億円)の返済ができなかったことを明らかにした。

さらなる債務不履行(デフォルト)が発生する可能性があるとしている。
同社によると、会長辞任を受け、HSBCのタームローンで31日に元利の返済義務が発生したが、返済することができなかった。他の融資、債券、株式についても不履行が発生する可能性があるとしている。
同社では、幹部の辞任が続いているほか、深セン市が同社開発物件の販売を一時中止したことで不透明感が広がっていた。

<中国不動産業界の現状・・・昨年6月掲載分>
人民網は昨年6月9日不動産業界の現状を次のように伝えていた。
不動産市場の低迷を背景とし、資金繰りの圧力を受けている不動産業者は、プロジェクト売却と資金調達を加速している。
不動産業者は5月に、今年の海外資金調達の小ピークを形成した。資金調達コストが高騰しているが、不動産業者は6月も債券発行のペースを緩めなかった。
「瑞安房地産」が債券発行に成功すると、今度は「融創中国」が「緑城房地産」の買収に向け資金調達中という情報が伝わった。新京報が伝えた。

<各社が海外で債券発行>
「瑞安房地産」は6月4日、5億5000万ドルの債券を発行すると発表した。この5年債の利率は9.625%で、5月に債券発行した「中国水務地産」(12.5%)、「竜光地産」(11.25%)を下回り、不動産業者に切実な資金の需要があることを示した。
「瑞安房地産」は5月30日、広州市西湖のプロジェクトの譲渡を発表したが、具体的な金額については明かさなかった。同社は1~4月に、今年の販売目標の15%しか販売できなかった。

<「佳兆業集団」債券発行>
また、「佳兆業集団」も5月30日、4億ドル(約480億円)の債券発行を宣言した。
5月の最後の一週間に、その他の不動産業者による債券発行が相次いだ。

中原地産の統計データによると、中国不動産業の海外資金調達額は、5月26日の時点で4月の26億1000万ドルから45億9000万ドルに増加した。5月全体の資金調達額は、56億ドル(6,720億円/120円)を突破する見通し。
上述した業者の他に、他にも多くの中国不動産業者が域外債券市場で資金を求めている。「融創中国」は5月22日、63億香港ドル(約833億円)で「緑城房地産」の24.3%の株を取得すると発表したが、わずか一週間後に同取引のために債権を発行するという情報が伝わった。
海外メディアの5月30日の報道によると、「融創中国」は「緑城房地産」の買収に向け資金調達中で、2億5000万ドルの債券発行を計画しているという。しかし「融創中国」は、この情報についてコメントを控えている。

<債券発行による債務返済が主流に>
不動産業者が発表した情報を調べたところ、債券を発行したほぼすべての不動産業者が、債券発行による債務返済を目的としている。そのうち最も典型的な業者が「碧桂園」。
「碧桂園」は5月15日と16日に、それぞれ2億5000万ドル、5億5000万ドルの5年債を発行した。これは2017年に満期になる5億5000万ドルの優先債、およびその他の債務の返済を目的とした。

業界関係者は、「碧桂園」は4月上旬に、中海集団のCFOであった呉建文武氏を新CFOにし、自社の債券発行による資金調達の準備に取り掛かった。
同社は5月に、2回連続で債券を発行した。資金調達コストは7.5%以上に達したが、既存の債務を返済するため必要だった」と語った。
不動産業者の資金調達コストが高騰している。
「中国水務地産」、「竜光地産」の利率は12~13%に達しており、現在の国内投資信託とほぼ同水準となっている。

<発行費用・仲介手数料も高額へ>
また債券発行の仲介手数料も高額で、「佳兆業集団」の債券発行費は900万ドル(約10億円/120円)、「竜光地産」は700万ドル、「碧桂園」は最高額の1400万ドルに達した。
ムーディーズの曽啓賢は、「下半期に不動産業者の債券発行がペースダウンする。域外投資家が厳しい条件を突きつけ、債券発行コストが高騰しており、今後は大手しか債券を発行できなくなる」と予想している。

以上、
バブル時代末期、不動産開発で資金が固定化し、首がまわらなくなった不動産業者が、高利のノンバンクや暴力団から借り入れを行い、息を繋いでいたのと一緒。バブル崩壊では不動産は売れず、たたき売ることもできず、最後は持っていた不動産を全部、ノンバンクや暴力団に吸い上げられ、命からがら不動産業界から退散していた。あとは最後のジョーカーを誰に引かせるかだけだろう。
こうした不動産会社は、ノンバンク(中国国内ではシャドードンキング)や海外投資家からの資金調達が大きく、中国政府が面倒を見る可能性はない。今後、経営破たんの連鎖が生じる可能性が高くなってきた。
 

[ 2015年1月 5日 ]
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