アイコン WTI原油価格7月の半額49ドル台に突入  東京価格も▲37%減

原油価格の下落が止まらない。WTIの原油先物価格は7月100ドル台だった価格が半年もせず遂に50ドルを割り込んできた(5日安値49.77ドル)。
ロシアへの経済制裁の一環なのか、米国ではシェールガス生産の増産が続き、大きな値下げ圧力となっている。
サウジ主導のOPECが11月27日の会合で減産を表明しなかったのは、シリアを支援するロシアやイランへの経済制裁の一面もある。また、産油国で禁輸国の米国もロシアに対してはシリアとともにウクライナの制裁もある。
このままだと、ロシアのように実質経済破綻する国々が増加する可能性が高く、それを引き金に世界経済がクラッシュする可能性もある。
従来の産油国は、蓄えがあり問題ないが、ロシアなど新興産油国は開発に巨額投資を行っており、その影響は限りなく大きい。
アメリカでさえ、シェールガスやシェールオイルの生産が急増、原油価格の押し下げに作用しているが、それは利益が取れなくなるため増産に入っているもの。これまで米国で独自に下落してきた価格でさえ、すでに破綻しているシェールガス会社も多い。

原油需要の減少は、
1、     欧州経済の低迷(ウクライナ問題における制裁合戦の末、浮上しつつあった経済が再度低迷、政治不安のギリシャ総選挙で緊縮派が負ける可能性大でユーロ圏が混迷)、
2、     中国経済の低迷、
3、     ブラジルなどドル高による南米経済の低迷、
4、     過去賑わせたBRICs諸国の経済低迷に原因がある。
OPEC加盟国:サウジ、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦、イクク、イラン、アルジェリア、リビア、ナイジェリア、アンゴラ、エクアドル、ベネズエラの12ヶ国。
 
こうした動きは世界経済にとってはマイナスだが、ガソリン価格が安く手に入る貧乏人のわれわれにとっては朗報だ。
 
<WTI原油価格10年チャート>
0106_01.jpg

 
 
<世界の産油国>
世界の原油産出国と量
順位
国名
2013年 単位:千トン
シェア
1
サウジアラビア
542,340
13.1%
2
ロシア
531,434
12.9%
3
アメリカ
446,231
10.8%
4
中国
208,129
5.0%
5
カナダ
193,013
4.7%
6
イラン
166,082
4.0%
7
アラブ首長国連邦
165,674
4.0%
8
イラク
153,242
3.7%
9
クウェート
151,253
3.7%
10
メキシコ
141,846
3.4%
11
ベネズエラ
135,089
3.3%
12
ナイジェリア
111,259
2.7%
13
ブラジル
109,941
2.7%
14
アンゴラ
87,361
2.1%
15
カタール
84,238
2.0%
16
カザフスタン
83,814
2.0%
17
ノルウェー
83,172
2.0%
18
アルジェリア
68,862
1.7%
19
コロンビア
52,880
1.3%
20
リビア
46,455
1.1%
21
オマーン
46,082
1.1%
22
アゼルバイジャン
43,445
1.1%
23
インドネシア
42,700
1.0%
24
インド
41,960
1.0%
25
イギリス
40,624
1.0%
26
エジプト
34,544
0.8%
27
アルゼンチン
30,534
 
28
マレーシア
29,576
 
29
エクアドル
28,243
 
30
オーストラリア
17,949
 
31
ベトナム
17,046
 
32
タイ
16,631
 
33
赤道ギニア
14,609
 
34
コンゴ共和国
14,474
 
35
ガボン
11,834
 
36
トルクメニスタン
11,419
 
37
デンマーク
8,683
 
38
イエメン
7,357
 
39
ブルネイ
6,607
 
40
スーダン
6,009
 
41
トリニダード・トバゴ
5,868
 
42
イタリア
5,560
 
43
チャド
4,961
 
44
南スーダン
4,877
 
45
ペルー
4,572
 
46
ルーマニア
4,131
 
47
チュニジア
2,955
 
48
ウズベキスタン
2,931
 
49
シリア
2,782
 
 
世界計
4,130,194
 
出典:BP、原油のほか、オイルシェール・オイルサンド・NGL(天然ガス液)を含む
 
なお、日本では残念なことに超円安で相殺され、東京原油価格は7月8日の価格は67,710円、12月17日42,530円とそれでも37.2%下落している。(為替相場によりWTIの変動とは異なる)
 
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[ 2015年1月 6日 ]
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