アイコン 2014年貿易・経常収支はで▲18.8%減の2兆6266億円 1985年以降最低

 

日本の工場は、一部兆円安で回帰現象は生じているものの減り続けている。少子高齢化・人口減少・市場規模漸減保証の国内市場に見切りをつけている。
日本の貿易額は、増加しても、それは円安マジックであり、ドルベースでは減り続けている。
財務省が9日発表した2014年の国際収支速報によると、モノやサービスなど海外との総合的な取引状況を表す経常収支は2兆6,266億円の黒字だった。
黒字額は前年比で▲18.8%減り、現行統計が始まった1985年以降で最小となった。

輸出から輸入を引いた貿易赤字が、過去最大になった赤字分を企業の海外子会社の稼ぎを映す第1次所得収支の黒字で賄った格好で、日本の稼ぐ構造の変化を鮮明に表している。

経常収支の黒字額は、東日本大震災があった11年から縮み続けており、14年はピークだった07年のわずか1割まで落ち込んだ。黒字額の縮小は4年連続で、3年連続で過去最小を更新している。

経常収支のうち、貿易収支の赤字は▲10兆3,637億円と、前年比で1兆5,903億円膨らんだ。赤字は4年連続で、赤字額は比較可能な1996年以降で最大。

輸出は、前年比9.3%増の74兆1225億円(円安による増加分さえ増加していない)。2年連続の増加で、金額的には自動車や科学光学機器が好調だったが、ドルベース(数量ベース)では伸びていないのが現実。

輸入は84兆4,862億円と前年比で10.3%増えた。原子力発電の代替電源になる火力発電向け液化天然ガス(LNG)の輸入が11.2%増えた。
2014年4月に消費税率を引き上げる前の駆け込み需要に対応するため、1~3月に企業が輸入を大幅に増やしたことも影響した。
旅行や輸送などのサービス収支は、▲3兆932億円の赤字だった。赤字額は前年比で3854億円縮小した。
赤字が縮んだのは、訪日外国人が国内で使う金額から日本人が海外で支払う金額を引いた「旅行収支」と、日本企業が海外企業から受け取った特許使用料などの「知的財産権等使用料」の影響。

旅行収支は、▲1251億円の赤字。赤字額は前年比で5294億円縮んで過去最小になった。
2014年の訪日外国人旅行者数が前年比で29.4%増え、過去最高の1341万人になった影響が大きい。このまま訪日外国人が増え続ければ、15年は黒字に転じる可能性がある。知的財産権等使用料は過去最大の1兆6948億円の黒字だった。

 一方、企業の海外子会社の稼ぎを反映する第1次所得収支の黒字は、18兆712億円と前年比で1兆5957億円増え、比較可能な85年以降で過去最大になった。

直接投資や証券投資の収益で貿易赤字を賄う構図が一段と強まっている。
 
足元では原油価格が下落しており、「15年は輸入が減り、経常黒字は再び拡大に転じる」との声もある。ただ一方で、製造業を中心に海外の生産拠点を拡大し、現地から販売する構図は変わりそうになく、経常黒字の縮小傾向は今後も続くとの指摘も出ている。

同日発表の2014年12月の経常収支は1872億円の黒字だった。黒字になるのは6ヶ月連続。輸入額は、原油・LNG価格が激落し減少。一方、輸出額は7兆1005億円と前年同月比で19.3%増えたことによる。

2014年の貿易・経常収支
 
金 額
前年比
 
▲13兆4,569億円
▲1兆2,049億円
(赤字幅拡大)
貿易収支
▲10兆3,637億円
▲1兆5,903億円
(赤字幅拡大)
 うち輸出
74兆1,225億円
+6兆2,936億円
(+ 9.3%増加)
 うち輸入
84兆4,862億円
+7兆8,839億円
(+10.3%増加)
サービス収支
▲3兆932億円
+3,854億円
(赤字幅縮小)
第一次所得収支
18兆712億円
+1兆5,957億円
(黒字幅拡大)
第二次所得収支
▲1兆9,877億円
▲9,985億円
(赤字幅拡大)
経常収支
2兆6,266億円
▲6,077億円
(黒字幅縮小)
 
[ 2015年2月 9日 ]
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