アイコン 富士フィルムHD iPS細胞の米CDI社を370億円で買収 医薬に注力

富士フィルムHDは、米ウィスコン州マディソンのCellular Dynamics International, Inc.(CDI社)を約307百万米ドル(予定、約368億円)で買収すると発表した。
 買収理由について同社は、買収するCDI社は、2004 年に設立され、2013年7月にNASDAQに上場したバイオベンチャー企業。
CDI社は、良質なiPS 細胞を大量に安定生産する技術に強みを持っており、大手製薬企業や先端研究機関など多くのユーザーとの供給契約、開発受託契約を締結している。
現在、創薬支援や細胞治療、幹細胞バンク向けのiPS細胞の開発・製造を行っており、既に創薬支援向けでは、心筋や神経、肝臓など12種類の高品質なiPS 細胞を安定的に提供している。

またCDI社は、California Institute for Regenerative Medicine (CIRM)とのiPS疾患細胞バンクの樹
立、免疫拒絶を起こしにくいHLAタイプを持ったドナーから作るcGMP準拠iPS 細胞バンクの樹立、National Eye Institute (NEI)へのドライ型加齢黄斑変性症の臨床試験開始届を行うための前臨床試験用iPS細胞受託を進めるなど、米国でのiPS 細胞供給ビジネスを積極的に展開している。

同社は、これまで写真フィルムの研究開発・製造などで培ってきた技術やノウハウを活用して、再生医療に必要な、細胞増殖のための「足場」として、生体適合性に優れ、さまざまな形状に加工できるリコンビナントペプチド(RCP)を開発した。また昨年12月には、日本で再生医療製品を上市している株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下「J-TEC」)を連結子会社化するなど、再生医療分野への取り組みを強化してきた。
今回、CDI社買収を通じ、iPS細胞を使った創薬支援分野に参入。さらに、CDI社のiPS 細胞関連技術・ノウハウと同社の高機能素材技術・エンジニアリング技術やJ-TEC の品質マネージメントシステムとのシナジーを発揮させ、再生医療製品の開発加速、再生医療の事業領域の拡大を図るとともに、再生医療の産業化に貢献していくことを目指すとしている。

CDI 社の概要
会社名
Cellular Dynamics International, Inc.
 
(セルラー・ダイナミクス・インターナショナル)
 設立
 2004
所在地
米国 ウィスコンシン州マディソン
Chairman and CEO
 Robert Palay
売上高
 16.7 百万米ドル(2014 年度、約20億円)
従業員数
 155 名(2014 年12 月31 日時点)
主な拠点
 ウィスコンシン州マディソン、カリフォルニア州ノバト
 
[ 2015年3月31日 ]
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