マックとワタミを直撃する消費者離れ
かつて日本に一大旋風を吹かせたMACとワタミ、共に消費者離れが深刻になっている。
「外食業界の風雲児」となった居酒屋のワタミの不振は深刻。
労働環境が過酷な「ブラック企業」の風評が影を落としていると考えがちだが、それだけでは説明できないほど、「和民」など主力の居酒屋チェーンの客離れに歯止めがかからなくなっている。
2015年3月期は営業赤字に転落する見通しで、配当も見送る。いずれも上場来初めての異常事態。
社長が引責辞任に追い込まれ、アルバイト出身幹部の清水邦晃氏が後任に就任した。
これまでずうっと調子がよかった時には客が押し寄せた。しかし、昨年価格を高くし、メニューは豊富だが持ってくるのが遅すぎる、従業員に対しては、経営者と同じ意識になれとハッパをかけこき使い、ブラックのお仲間入り、イメージ悪も客離れを引き起こし、3分野(居酒屋・宅食・介護)で収拾がつかない状態となっている。
ワタミは対策に乗り出した3月5日、主力の「和民」でメニューを見直し値下げした。ビールやハイボールを1~3割安くし、税別300円未満の料理の割合を2割から4割に倍増した。
昨春の消費増税時に客層の拡大を狙って高めの料理を増やしたが、主要顧客の若者の離反を招いた。
客離れは価格だけではないことから、いったん離れた客を呼び戻すことができるか、試練の時となっている。
MACは、前任の原田氏が利益の出る仕組みづくり=錬金術での大改革、直営店をFC店へ大量売却(膨大な売却益と確実なFC店からの収入)や閉鎖したことで利益増をはかった。また、店舗を郊外型にシフト、しかし、消費者離れという根本問題の解決を図っていなかったことから、その効果も一巡、大消費地での店舗数の減少は、業績をさらに悪化させ、郊外型テンポは閑古鳥が鳴いている店舗も多い。度重なる食品問題も追い討ちをかけている。MACも業績回復にはかなり時間がかかりそうだ。まずは美味しいハンバーガーの提供が望まれよう。
アメリカなどから個性派揃いで粋の良い同業者が大挙押しかけてもくる。
ワタミ
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連結/百万円
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12/3月期
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13/3月期
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14/3月期
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15/3予
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売上高
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140,197
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157,765
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163,155
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152,000
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営業利益
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8,773
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9,259
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2,946
|
-1,300
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経常利益
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7,808
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8,021
|
2,133
|
-2,500
|
当期利益
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3,418
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3,540
|
-4,912
|
-7,000
|
日本マクドナルド
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連結/百万円
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12/12月期
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13/12月期
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14/12月期
|
売上高
|
294,710
|
260,441
|
222,319
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営業利益
|
24,780
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11,524
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-6,714
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経常利益
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23,770
|
10,236
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-7,974
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当期利益
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12,870
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5,138
|
-21,843
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