アイコン 米韓対立は高高度ミサイル防衛システム(THAAD)導入問題にあり

 

米国が韓国に苛立っている。元々韓国の『戦時作戦統制権』を米国が保有 していることはおかしい、独立性が疑われるとしてギャーギャー言っていたのは韓国、それが、北朝鮮の核脅威が強まると、掌を返したように、昨年、韓国側か ら米国側に対して長期の延長を申し入れ延長された。
米国側は、米軍の韓国駐留は膨大な経費がかかり、『戦時作戦統制権』を韓国側に引き渡す考えだった。

北朝鮮による核脅威、また中国の脅威を前提に米国側は、韓国にミサイル防衛システム導入、高高度ミサイル防衛体系(THAAD)を軍同士水面下で検討していた。

ところが、これに対して、韓国の最大の貿易相手国である中国の中央政府が猛然とTHAADの韓国導入に反対を表明した。

韓国にとって今や中国は敵国でも脅威を受ける国でもなく、良きパートナーということが政治家から国民まで浸透している。昨日の敵は今日の友、中国政府の韓国に対する作戦が経済・貿易を通して完全に醸成された状態にある。

韓国政府は、そうした中国側の反発を受け、THAAD導入に反対している。
当初、射程距離が2~3000キロとされていたが、短距離の300キロならば、中国側を刺激することはないだろうとのリーク情報も軍部からマスコミにもたらせられ報道されていた。

ところが、日中韓が過去の歴史問題により政治的関係が膠着状態にあることに対して、米国の国務次官補のシャーマン女史が、膠着状態は過去ばかりに固執する3ヶ国に問題があり、過去の歴史の反省の上に、3ヶ国が前を向くべきだと発言した。これをきっかけに、シャーマン発言は名指ししていないものの問題が韓国にある発言だとして、また、日本寄りの発言だとして大問題にし、大キャンペーンをはった。
シャーマン発言は、日中韓の歴史問題もさることながら、THAAD導入に対する韓国政府の反対姿勢に苛立ちもあったと思われる。
(これまでマスコミによる政府関係者への質疑で、「導入は考えていない。韓国独自の短距離MD(ミサイル防衛)システムの導入はかる予定だ」と一貫して報道している。)

そうした中3月5日、駐韓米大使襲撃事件が起きた。

当然、この事件に対して「米国への攻撃だ」と米政府はカンカンになった。

ところが、韓国では、今では一番中国寄りとされる朴大統領の国民支持率が、30%まで落ち込んでいたものが急回復している。危機バネ効果が生じている。米国による韓国のTHAAD導入がさらに難しくなった可能性もある。

そうした世論調査を受けた結果なのか、青瓦台(大統領府)が11日、米国の高高度ミサイル防衛体系(THAAD)問題の公論に否定的な立場を明らかにした。

閔庚旭青瓦台報道官は記者会見で、THAAD問題に関し、「政府の立場は3NO」とし「3NOとはNo Request(要請)、No Consultation(協議)、No Decision(決定)」と説明した。
「要請がなかったため、協議もなく、決定したこともないと理解してほしい」と述べながらだ。THAAD問題に対する青瓦台の初めての公開的な立場表明だ。

セヌリ党の劉承ミン院内代表は最近、3月末の政策議員総会でTHAAD問題を扱うと明らかにした。元裕哲政策委議長、羅卿ウォン国会外交統一委員長ら重鎮も相次いでTHAAD配備に前向きな立場を明らかにした。(セヌリ党の主導権は、国会も含め反朴派が持っている)
15日に予定された党・政府・青瓦台政策調整協議会で、党側がTHAAD問題を提起するという見方も出ている。

セヌリ党がTHAAD導入を公論化しようとする状況で、「昨年の韓中首脳会談で中国が韓国にTHAADの韓半島(朝鮮半島)配備拒否の見返りに経済的インセンティブ提供を提案した」という米インターネットメディアの報道もあった。

青瓦台は自らブレーキをかけてこそ論争が広がるのを防げると判断しているようだ。
青瓦台の関係者は「党側がTHAAD配備問題を議論するという意志を持っているのか知らないが、党・青瓦台間の調整を経て確定した議題ではないと理解している」とし「米中が絡んだ敏感な問題を韓国が先に公論化する必要はないのでは」と述べた。

政府関係者も「軍事的な安保も重要だが、戦略的な安保も重要だ」とし「米国が直ちにTHAAD配備を要求する可能性も高くない状況で、我々が急ぐ理由はない」と強調した。

朴大統領政務特補の尹相ヒョン議員は10日、THAAD公論化に否定的な立場を公開的に明らかにした。また「北東アジア外交安保政策に多大な影響をもたらす事案を議員総会で、自由討論で決めるというのは非常に危険」という内容の報道資料を配布した。
しかし劉院内代表は11日、記者らに対し、議員総会でTHAAD問題を予定通り討論すると明らかにした。劉院内代表は、「一部の議員が『あらゆることをすべて議員総会で議論できるのか』と話しているが、議員総会をするのか」という質問に対し、「あらゆることをすべて議論するのではなく、重要なことだけを議論する」と答えた。
劉院内代表は「THAAD議員総会」の時期も「4月の臨時国会直前」と明確にした。

セヌリ党内部で、中国と米国、親朴派と反朴派がうごめき、内部対立構図が鮮明になってきている。ただ、すでに世論操作では中国親朴派が成功しているようだ。

韓国ミサイル

[ 2015年3月13日 ]
スポンサード リンク
 

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 
JCNET注目記事!
「医療法人社団菫会」前田章理事長と黒い巨頭(06/08 11:36) 2015:06:08:11:36:29
PR いま建設業界の求人が急増中、当サイトおすすめの「建設・建築求人ナビ」 が便利です。


PICK UP

↑トップへ