アイコン 三菱重工業/3月決算 長崎造船所客船足引っ張る

 

三菱重工業が8日発表した2015年3月期の連結決算は、純利益が前期比▲31%減の1,104億円だった。
火力発電事業を日立製作所との統合効果などで営業利益は、過去最高を更新したものの、豪華客船事業で特別損失が膨らんだ。
 
売上高は19%増の3兆9,921億円。けん引役は火力発電事業を含むエネルギー・環境事業で、27.6%増となった。
欧州や中国でターボチャージャー(過給機)や空調機の販売も好調だった。米ボーイング社の航空機体の受注も伸びた。
円安も追い風になり、営業利益は43.7%増の2,961億円と2期連続で最高を更新した。円安により約290億円の営業利益押し上げ効果があった。

<重荷になった客船事業>長崎造船所

昨年11月時点で約400億円としていた客船関連の特損は▲695億円に拡大。設計見直しによる人件費や資材費の増加が響いている。
客船事業を撤退するかどうかが焦点だったが、宮永俊一社長は「高い授業料だったが、将来に役立てたい」と事業継続を明言した。これまでの客船事業関連損失引当金繰入額は前期641億円、当期695億円計上している。

なお、インド洋で大型コンテナ船が真2つに折れ沈没したMOL COMFORT(商船三井所有船)の損害について、商船三井など100社が、三菱重工に対して600億円の損害賠償請求訴訟を起こしている。この分の引当金はどうなっているのだろうか。
(造船部門の設計は、長崎造船所ではやっていないはずだが・・・)

今期については、2016年3月期は500億円の構造改革費用を特損計上するが、本業の伸びで補い最終増益を見込み、売上高は、前期比5%増の4兆2,000億円、営業利益は8%増の3,200億円、純利益は18%増の1,300億円の見通し。
年間配当は1円増の12円(前期は3円増配)とする。

/億円
受注高
前期比
売上高
前期比
営業益
前期比
エネルギー・環境
19,236
43.6%
15,995
27.6%
1,626
44.8%
交通・輸送
9,992
177.3%
5,295
14.2%
234
27.9%
防衛・宇宙
4,174
-23.7%
4,839
3.1%
285
3.3%
機械・設備システム
13,046
17.9%
13,195
20.4%
841
63.0%
その他
1,908
4.0%
1,828
-1.2%
138
-5.5%
調整
-1,367
 
-1,233
 
-166
 
合計
46,991
37.4%
39,921
19.2%
2,961
43.7%
営業益は営業利益。

 

連結/百万円
売上高  
営業利益
経常利益
当期利益
12年3月期
2,820,932
111,961
86,182
24,540
13年3月期
2,817,893
163,520
149,028
97,330
14年3月期
3,349,598
206,118
183,159
160,428
15年3月期
3,992,110
296,140
274,787
110,412
 15期/14期比
19.2%
43.7%
50.0%
-31.2%
16年3月期予想
4,200,000
320,000
300,000
130,000
 16期予/15期比
5.2%
8.1%
9.2%
17.7%
 
[ 2015年5月11日 ]
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