アイコン GDPの堅調は・・実わ・・在庫増だった  消費は弱いまま/ロイター

 

内閣府は20日、2015年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値を発表した。
実質GDPは0.6%(年率2.4%)、名目でのGDPは前期比1.9%増、年率換算で7.7%増と大きく伸びた。11年7~9月期以来、3年半ぶりの高水準。物価変動の影響を除いた実質GDPより、名目の方が生活実感に近いとされる。
こうした経済指標に大喜びの日銀黒田丸は、22日の会合で1年10ヶ月ぶりに、これまでの「緩やかな回復基調を続けている」の景気判断の引き上げをはかる。

確かに、GDP指数は市場予想を上回った。だが、押し上げた主要因は在庫増加で、肝心の消費の回復度合いは弱かった。

<表面上はポジティブサプライズ>
20日発表されたGDP数値を受け日経平均は、170.18円高の20,196.56円と、昨日2万
円台を回復させた勢いに、GDP堅調、米住宅着工件数の大幅増のニュースに株式市場は興奮し
た。興奮したのは株式市場に加え日銀黒田丸もだったようだ。

<さえないGDPの中身>
ただ、GDPに関しては、中身の評価はあまり良くない。
<危惧される在庫増>
前期比を押し上げた主要な要因が、将来の生産圧迫要因となりかねない在庫増であったためだ。1次速報段階では、原材料在庫や仕掛品在庫は時系列モデルで算出されるため、2次速報で下方修正の可能性はあるが、下方修正されればGDPも下押しされるため、ポジティブ要因にはならない。
今年1~3月期の民間在庫投資の実額(季節調整済)は、実質で▲9,699億円と、2014年7~9月期(▲4770億円)以来の高水準(在庫の減り方が遅い)だった。
製造業での在庫調整や非製造業による流通在庫の抑制により、4~6月期の在庫投資は、減少の可能性が大きいとみられる。

<消費>
消費も依然弱々しい。雇用や賃金が改善、原油安の効果もありながら、10~12月期と同じ伸び率となる前期比プラス0.4%だった。

<輸出>
輸出は、前期比プラス2.4%となったが、前期(3.2%)より伸びは鈍化した。米国経済の伸び悩みや中国経済の減速などから、外需増加の期待は高まりにくい。

<経過>
昨年4月の消費税率引き上げによって、日本経済は14年4~6月期、7~9月期と2四半期連続のマイナス成長となったが、10~12月期、そして今回の1~3月期のプラス成長とテクニカル・リセッションから脱したことが確認された。しかし、回復の力強さは感じられない。

みずほ証券・マーケットエコノミストの末廣徹氏は「今回のGDPを受けて、日本経済が強いのかというと、状況はさほど変わっておらず、回復は緩慢だ。力強い項目は今回もなかった」と指摘している。今後も力強い経済成長はみられないというシナリオに変更はないとしている。

<ギャップ埋める政策期待>
さえない景気と急騰する株価。そのギャップを埋めているのは政策への期待。りそな銀行アセットマネジメント部チーフ・エコノミストの黒瀬浩一氏は、景気対策を予想している。
今年2月に総額3兆1,180億円の2014年度補正予算が成立したが、消費などが息切れする前に、もう一弾の追加策が必要だという。
「景気や企業業績は順調に回復しているが、円安が止まってしまえば、すべて止まる。来年の参院選を視野に、安倍政権はもう一度、景気対策を打つのではないか」と話している。

<市場見解>
一方、市場では、日銀の追加緩和を予想する声も根強い。「日銀は景気・物価の先行きにかなり強気な発言をしており、実体経済との温度差が残るため、いずれ追加緩和に追い込まれるのではないか」(ニッセイ基礎研究所・シニアエコノミストの上野剛志氏)という。

「日銀の金融緩和は、かなり無理が来ている。追加緩和があったとしても日本経済を改善させることができるかは疑問だ」(外資系金融機関ストラテジスト)との見方は多い。
しかし、上場投資信託(ETF)の購入枠拡大など市場に対する直接的な政策があれば「景気はともかく、株だけは上がる」(同)。

だが、景気と株価のギャップはいずれどちらかに収れんする。追加緩和や景気対策が日本の潜在成長率(生産性)を上げることができなければ、株価はさえない景気に「さや寄せ」することになるだろう。アベノミクスの真価が問われようとしている。
以上、ロイター参考

内需不振のまま、原発再稼動で膨大な貿易黒字が定着すれば、円高に向かう、今の韓国を見れば理解できよう。(原発緩和委員会は、政権の意向により原発再稼動の手綱を締め、原発再稼動を遅らせている可能性もある。再稼動で原油やLNG輸入が減少すればするほど貿易黒字は拡大する。)
中長期に見た場合、小手先の目くら騙しの政策をとっても、落ち着くところに落ち着くものだ。
期待値としては、今や、全業種に及ぶ賃上げと夏場に決定する最低賃金の大幅上昇、これが内需拡大の必須条件となっているようだ。しかし、現実には、昨年より実質賃金が下がっている業種も超円安下に内需関連中心に増加しているのも現実だ。

日銀黒田丸も岡本太郎並みに「金融緩和は日本経済の爆発だ!」で、外需だけ爆発させてしまったら、内需を爆発させない限り、円高という仕打ちでアメリカ様から袋叩きに合う。
アメリカのハゲタカ経済は、ぬるっとした日本カレーよりインディアンカレー=ドライカレーが好きだ。すでにアメリカ企業のほとんどをハゲタカが牛耳って(資本支配)いることから、通商交渉ではハゲタカの意向がアメリカの意向となる。
脳味噌には銭=利益しかなく、難クセ名人、ゴリ押し名人がアメリカ様だ。

内閣府の1~3月のGDPの発表詳細は、main_1.pdfで。

 

[ 2015年5月21日 ]
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