アイコン 韓国感染者12人に MERSコロナウイルス 中国へ拡散  医師警告無視し訪中

 

2012年に初めて確認された中東呼吸器症候群MERSコロナウイルスは、WHOや国立感染症研究所が発表している感染力より、実際はかなり強いようだ。
そうしたことが、韓国当局による濃厚接触者に対する自宅隔離など中途半端な対策がとられたものと見られる。
韓国当局は、今回中国へ渡航して問題となった感染者の見舞い客の把握及び対策など脳味噌の隅にもなかったと思われる。

MERSコロナウイルス
(注)病院関係者には、医療関係者ほか入院患者・見舞い客など含まれる。

5月20日、中東帰りの中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス感染者の発表された、同室に入院していた患者など2人が二次感染してことが発表されたのが22日。

帰国患者がMERS感染を確認される前の5月16日、一般病棟の病室に4時間見舞った入院患者の子供(男性、44歳、16日見舞った時に帰国感染者が同室にいたかどうかは不明)が19日に発熱、しかし、当局による隔離対象者ではなかった。
男性は発熱が続き、その後の22日・25日と病院で診察受け、26日にも病院で診察受け、医師から中国渡航禁止忠告を受けたが、忠告を無視してそのまま仕事で中国へ。27日医師は当局へ通知した。

韓国当局から連絡を受けた中国保健当局は29日、当該の人物を(27日)カクホ、検査した結果、感染していたことが確認されたと発表した。
発熱の症状は出ているが重篤の状態ではないという。

韓国当局は、治療方法も確立していない危険ウイルスに対する防疫体制の不備が指摘されている。
(1)最大の問題は、中東帰りのMERS感染者は、当初、風邪の症状からだんだん悪化していったが、その間、病院をたらい回しされた挙句、症状悪化で一般病棟に入院していたことがMERS感染の拡大を招いたこと。(いつ帰国したのか報道されていない)

(2)病院側の問題、中東帰りの患者に対して、MERSコロナウイルス感染を一切疑わず、複数人の一般患者がいる病室に入院させ、無防備で治療に当たったこと。

(3)当局の防疫体制の不備、感染者の濃厚接触者を中途半端な自宅隔離し、感染症対策病院に入院隔離していないこと。

(4)20日、MERS感染者が韓国で初めて発生したと韓国当局が発表したものの、全国の病院・医療関係者に対して、報告や対策等が周知徹底されていないこと。
などがあげられる。

<渡航男性の経過>
中国へ渡航した44歳の男性は、16日に以前から入院している父親を見舞い、19日に発熱、22日と25日に病院で診療を受け、26日にも診察を受け、そのまま中国へ渡航している。
(入院中の父親のMERS院内感染は、22日に当局が発表するまで感染の有無はわからなかった)

当該の男性は26日、診察した病院の医師から中国渡航の禁止忠告を受けており、この医師が、MERS感染を疑わず、韓国当局へも連絡しなかった場合、中国で感染が拡大していたものと見られる。

<潜伏期間・症状等>
感染して発症した場合、感染力が生じ、発症者の体液やエアロゾル=ツバなどから再感染する。発症までの潜伏期間は2日~15日。重症の肺炎、下痢、腎障害などを引き起こす。WHO報告では致死率40%。感染しても発症するまで感染の有無がわからないという)

<中国の対応>
MERS中国問題は、韓国では当初、韓国当局から連絡を受けた中国当局が、韓国から到着した飛行機を降りた空港で身柄をカクホし、そのまま病院に隔離したと報じられていた。
しかし、29日の聨合ニュースによると、男性は26日、仁川発の航空機で香港入りした後、バスで中国広東省に移動していたと報じた。

飛行機及びバスの同乗者にも感染の危機が拡散された。そのうち、飛行機だけでも韓国人を除き、中国国籍の59人、米、加、英、パナマ国籍がそれぞれ1人の計63人が要監視対象者となっている。韓国当局は、飛行機同乗者の各国保険機関に連絡して、監視を依頼した。

以上が韓国当局の「治療方法が確立もしていないMERS感染症防疫体制」の不備から生じた中国拡散問題。

<韓国当局の対応>
当該の男性は5月16日父親を病院に4時間見舞い、中国渡航禁止を忠告した病院で診察を受けた26日までの11日間の足取りを調査、接触者を捜し出すのに総力を挙げているという。
27日から男性の妻や家族・職場の同僚、男性が搭乗した航空機の乗務員、近くに座っていた乗客など45人の密接接触者について隔離観察を行っているという。

16日に感染、19日に発熱して発症、19日~26日渡航するまでの7日か8日間、当該の人物と接触者した人(家族・診察した病院関係者・会社関係者)への感染の心配が現実のものとなった。

以上、
韓国当局の防疫体制の不備から、中国までMERSウイルスの汚染国にしてしまった。韓国の某国会議員は当初から、保健当局が濃厚接触者に対して命令した自宅隔離につき、それで良いのかと感染拡大を危惧した発言をなしていた。その危惧の延長線上に見舞い客への感染が現実のものとなった。それも感染が疑われた発熱者を中国へ渡航させてしまった。

こうした、韓国MERS感染情報掲載は、
1、MERSコロナウイルスに感染し発症した場合、治療方法がないこと。
2、致死率がWHO報告では4割と非常に危険なウイルスであること。
3、国立感染症研究所などの資料では、比較的感染力は弱いような掲載内容になっていること。
4、日韓双方で500万人以上が行き来する隣国韓国での発症であること、
5、こうした韓国でのMERS発生を日本全国の医師に少しでも伝えられればとの思い
6、日本の当局に韓国の状況を他山の石にしてもらいたくない
一念で掲載している。

訪日客は昨年1,341万人、今年は1,500万人を超える勢い、訪日客に依存した業界も多い。MERSが日本に上陸すれば、多大な影響が出る可能性がある。そのためにも、もしもの場合の初期対応が問われるものとなる。

追、
なお、29日夜、中東帰国者と同じ病棟に入院していた患者2人が感染していたと当局が発表した。(同じ病室とは掲載されていない)
これで、20日に発表された最初の中東帰国者の感染から、29日までに12人の二次・三次感染者が確認されている。
要監視・隔離対象者数は3人感染発表の22日では64人だったが、この間の感染者数増で急増している。だんだん当局では管理できなくなる事態に陥りつつある。初期対応の重要性が伺い知れる。(中国渡航の感染者だけでも渡航前に韓国内で数百人と接触していたとされる)

当初20日に中東帰国者の感染が発表され、即隔離されたことから、20日+潜伏期間最大15日間として6月4日~5日までが二次感染の一つの山となる。その後は、二次感染者からの三次感染へ移行する。

<15分のMERS診断キット開発>
高麗大薬学部のソン・デソプ教授の研究チームとバイオ企業のバイオノートがMERS感染の有無を15分で診断できるキットを世界で初めて共同開発したと5月29日報じられた。研究成果は米学術誌で発表。ただ、人の検体には当局の認可が必要とのこと。(異常事態、感染拡大を阻止するため即使用することが求められる)

 

5月20日
1
中東帰国者のMERSに感染と発表
22
2
帰国者と同じ病棟の入院患者感染と発表
26
1
3人目の感染者の娘(入院の親を介護)感染と発表
28日まで
1
不明(報道されず)
28
2
医療スタッフと入院患者が感染と発表
29
2
医療スタッフと同じ病棟の入院患者が感染と発表
29
1
中国渡航者で中国当局感染を確認(感染した入院患者を見舞った子供・44歳)
29
2
帰国者と同じ病棟の入院患者が感染と発表
合計
12名
 
[ 2015年5月30日 ]
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