アイコン 大汚職事件の捜査や取材関係者20人超が不審死/インド

インドのほぼ中央部に位置するマディヤプラデシュ州で、大規模な汚職事件の捜査や取材にかかわった人物の不審死が相次ぎ、同国の閣僚までもが関係者の身の安全を危惧する事態になっている。

同国のテレビ局、TVトゥデーのアクシャイ・シン記者は4日、マディヤプラデシュ州である一家を取材中に、突然口から泡を吹いて椅子から転落。意識を失って近くの病院に運ばれたが、この病院で死亡が確認された。

その翌日、大学学部長のアルン・シャルマ氏がホテルの部屋で死亡しているのを、ニューデリーの警察が発見した。
2人の間に直接的なつながりはなく、死亡した現場も遠く離れている。だが2人とも、マディヤプラデシュ州で捜査が進められている大規模な汚職事件の取材や捜査にかかわっていた。

シン記者が死亡したのは、この事件の捜査の中で、容疑者として浮上していた人物の死について、その人物の家族にインタビューしている最中だった。
シャルマ氏はマディヤプラデシュ州にある大学の学部長で、捜査に協力していた。
インドで贈収賄事件は珍しいことではない。しかし今回の事件では、捜査にかかわった人物が次々に不審死を遂げ、疑惑が深まっている。

同州でこの事件の捜査を統括する元裁判官によれば、事件に関連して死亡した人物はこの2年で20人を超えているという。同州の野党政治家や活動家は、死者数は当局が確認している人数の2倍に上ると主張する。
多くの場合、死因は自動車事故や自殺、病死と判断され、事件性をうかがわせる証拠はない。
しかし、マディヤプラデシュ州の州首相だった同国水資源相のウマ・バラティ氏は全国紙タイムズ・オブ・インディアの取材に対し、「私とかかわった人物の命の危険におびえている。閣僚になった今もまだ恐ろしい」と語った。

シン記者に病歴はなく、外傷も見つからなかった。当局が検視を行って死因を調べているが、勤務先のテレビ局は独立機関による死因究明を求めている。
シャルマ氏の死については、警察は不審な点はなかったとしながらも、死因究明のための特別委員会を設置したことを明らかにした。
今回の事件では、マディヤプラデシュ州の政治家や幹部が絡む贈収賄が疑われており、州政府機関の就職試験や高等教育機関の入学試験の不正受験について、州当局が捜査を続けてきた。

容疑者は2500人を超え、うち500人以上は行方が分かっていない。
同州のシブラジ・シン・チョウハン州首相は、疑惑が深まったことを受けて特別捜査本部の設置を発表した。
しかし、全国紙のヒンドゥーは同州の対応について、「相次ぐ不審死に対する答えにはなっていない」とする論説を掲載。野党からの批判も強まったことを受け、チョウハン州首相は7日、不正疑惑と一連の不審死について、連邦当局による捜査を要請すると表明した。
 以上、CNN

警察がまったく信用にならないところに問題の根が深く存在している。
 

[ 2015年7月 9日 ]
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