アイコン 中国資生堂大丈夫か? 元社長鎌田氏 現地丸美化粧品に入社

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中国資生堂資生堂が中国で大ナタを振るって進めている改革の原因が、このほどついに明らかになった。資生堂投資有限公司(資生堂中国)の鎌田正志前総経理(社長)がこのほど、中国の化粧品メーカー広東丸美生物技術株式有限公司(丸美)に迎え入れられた。
新たに資生堂中国の総代表になったドイツ人のラルフ・アーベック執行役員常務は、このニュースに先立って資生堂中国の大規模な改革を進めることを明らかにしていると「北京商報」が伝えている。

▽「中国通」が離任
鎌田氏は、外資系化粧品会社のトップが、中国の化粧品会社に転職した初めてのケースとなった。資生堂に入社して35年の「中国通」の鎌田氏は、1980年に入社し、94年に上海に派遣された後、資生堂麗源化粧品有限公司上海事務所、北京欧珀莱化粧品有限公司、上海資生堂などで数多くの職務を歴任し、2009年に資生堂中国の総経理に就任した。
鎌田氏に率いられて、資生堂の中国市場での売上高は、一時は世界全体の15%に達し、オプレ(欧珀莱)ブランドは、カウンター数が6ヶ所から600ヶ所に増えた。このように鎌田氏は、百貨店ルートと専門店ルートの豊富な実務経験を備えた人物だ。
鎌田氏は、今年1月に最高経営責任者(CEO)を辞し、5月には資生堂を退社し、今月8日に丸美に入社した。
丸美は、重慶市出身の孫懐慶氏が02年に創業した会社で、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの子会社L・キャピタル・アジアから巨額の資本を受け入れたこともある化粧品メーカー。

▽業績改善にマイナス
鎌田氏の退社は、資生堂の中国での業績不振と関係があるとも考えられる。
決算によると、14年度の資生堂の中国市場での売上高は、58億7800万元(1147億円)で前年比2.8%の増加にとどまり、世界全体の売上高に占める割合は14.8%だった。
フランスの最大手ロレアルは約143億元(約2790億円)で同7.7%増加し、
韓国最大手のアモーレパシフィックは26億1400万元(約510億円)で同44%増加した。
米国の高級化粧品最大手のエスティローダーは中国での具体的な業績を明らかにしていないが、内部関係者によると、昨年は2けた成長を遂げたという。
ライバルに比べ、資生堂の発展ペースは鈍化気味であることがわかる。

鎌田氏は、昨年、「資生堂は中国市場では百貨店を主要販売ルートとしているが、百貨店という業態が谷間に入ると、資生堂の業績にも深刻な影響が出るようになった」と述べている。

鎌田氏と面識がある日用化学品のエンジェル投資家・夏天氏は、「鎌田氏は、化粧品産業に関する専門性や中国化粧品市場の全体的把握という面で非常に豊富な経験を有する。資生堂の中国での業績が振るわないのは、資生堂の発展の遺伝子や権限の授受といった体制に問題があるのであり、上層部の管理能力に問題があるわけではない」と指摘している。
夏天さんは、「鎌田氏の退社は資生堂中国の業績にとってマイナスになる」と予想する。

▽改革・救済は困難
今年4月に資生堂中国の総代表に就任したアーベック氏は、かつて、「資生堂中国に大ナタを振るって改革を行う」と宣言し、ブランドの再編、製品の刷新、組織機関の調整、ビジネスモデルの変革の4方面から改善を進めるとした。ブランドヒストリーを宣伝し、研究開発の現地化の取組を拡大して、中国市場への適応をさらに進めていくとした。

通信販売も資生堂中国にとって重要なビジネスモデルだ。現在、資生堂中国傘下のブランドの通販売上率は5~20%。資生堂は20年をめどに通販売上率を30%に引き上げ、15~17年度の市場全体の売上高の年平均成長率を9%にしたいとしている。

営業販売は、資生堂中国にとってずっと弱点とされてきた。アーベック氏が描く改革の青写真をみると、資生堂中国自身もこの弱点を認識している。

化粧品業界関係者は、「資生堂中国の製造技術、原料、製品のラインナップなどは優れているが、営業販売はずっと保守的に過ぎた。フランスのブランド・ロレアルは中国現地ブランドの買収に積極的で、米国ブランドのメイベリンはスターを採用した広告宣伝に力を入れるなど、資生堂とは異なる営業販売戦略を取っている」と話す。
また、「保守的な営業販売戦略は、資生堂が中国で新たな顧客を取り込むのにマイナス。資生堂中国は通販の比重を高めると同時に、通販にその役割を発揮させるだけでなく、ブランドの普及・宣伝をより重視していくことが必要」と指摘している。
以上、中国紙
以前は中国で圧倒的な強さを有した資生堂、尖閣問題の反日に翻弄される間にほかの外資著名メーカーが台頭、やっと訪日ブームで明るさが見えてきた。新責任者はツキがあるのだろう。ただ、経済低迷により、同社が出店している百貨店の多くが閉鎖に追い込まれている問題もある。

責任追及するのは誰にでも簡単だが、成功させるのは、ヒト・モノ・カネ・時をベストマッチさせる必要があり、至難の業。それも成功させ続けなければ非難される。資生堂は日本でもすでにブランド価値を大きく落としている。

グローバル事業/百万円
3月決算
売上高
営業利益
2010
250,387
9,536
2011
302,632
9,025
2012
319,678
8,212
2013
322,349
-3,288
2014
402,213
7,659
2015
427,899
-4,637
 
連結/百万円
11/3
12/3
13/3
14/3
15/3
売上高
670,701
682,385
677,727
762,047
777,687
営業利益
44,458
39,135
26,045
49,644
27,613
経常利益
44,480
39,442
28,406
51,426
29,239
当期純利益
12,790
14,515
△14,685
26,149
33,668
包括利益
△18,260
5,456
19,985
90,722
70,668
 
[ 2015年7月10日 ]
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