中国 7月の輸出▲8.3%の大幅減 経済低迷を裏付け 日本も伝染か
中国の税関当局が8日発表した7月の貿易統計によると、輸出は前年同月比▲8.3%減の1950億ドル(約24兆円)と2ヶ月ぶりに減少した。輸入も▲8.1%減の1520億ドルと、9ヶ月連続して減少した。貿易収支は430億ドルの黒字だった。
1~7月の累計では、輸出が前年同期比▲0.9%減の1兆2648億ドルと微減だが、輸入は▲14.6%減の9596億ドルと大幅に減少した。原油・鉱物価格の大幅下落と内需不振によるもの。
輸出と輸入を合わせた貿易総額は7月は前年同月比▲8.2%減の3471億7千万ドル(約43兆12百億円)で5ヶ月連続の減少となっている。1~7月の累計では▲7.2%減の2兆2244億ドルとなっている。
中国政府は、今年の貿易総額を前年より6%拡大する目標を掲げているが、実現は困難な見通し。
以上、
<原油価格の暴落による影響は?>
2013年の鉱物燃料、潤滑油および関連原料314,906百万ドル、輸入総合計1,950,289百万ドル、鉱物燃料の全体に占める割合は16.1%となっている。
原油価格が昨年7月から暴落し現在半減、輸入が大幅に減じることになるが、1~7月の輸入額が▲14.6%も減じるほどの影響は与えない。
日本との輸出入が▲11.1%という大幅減少となっている。輸出・輸入とも▲11.1%減となっている。これは日本の輸出の伸びが円安効果以上に減じていることでも窺い知れ、また、日本の内需不振で中国からの輸入も減じていることにある。鉄鉱石などの輸入国オーストラリアの減少は、経済低迷で理解できるが、日本からの機械などの輸入品が大幅に減じていることを意味し、中国製造業が、中国経済および世界経済の低迷から、設備投資が減少していることを意味する。
欧州への輸出も繊維製品が欧州のSPAや繊維製品メーカーが東南アジアに生産シフトしていることからか▲7.5%も減少している。
アメリカや東南アジア向け輸出は増加している。
韓国の場合は、中国依存度が1/4に及び、中国の韓国からの輸入額は▲5.0%減じており、与える影響は大きい。
中国では、サムスンのGALAXYが売れていないことなどから、電子・電化製品の輸入総額も▲5.0%減少している。一方、中国の消費者向け電化・電子製品の輸出総額は4.1%増加している。これまで世界優位のサムスンスマホであったが、中国からのスマホ輸出やTVなど普及品シェアも韓国勢は大幅に落としており、中国勢のスマホや電化製品の輸出が本格化していることが影響しているものと思われる。
中国で輸出が伸びている品目は、機械・電化製品1.2%増、消費者向け電化・電子製品4.1%増となっている。しかし、繊維関係は▲6%以上落ち込んでいる。
一方、輸入では、自動車が大幅に落ちており、数量で23.9%、金額で25.4%落ちている。打撃を受けているのは、高級車のBMWと現代自動車だろうか。そのほか、鉄鉱石・砂・石炭・原油(数量では10.4%増加、金額では39.6%減少)・銅及び銅製品の落ち込みが大きく、金額ベースでは主力輸入品で増加しているものはない。
以上。
日本は、これまでは米国が咳をすれば日本は風邪をひくとされていたが、こん日では中国が風邪をひけば、韓国が寝込み、日本も中国・韓国への輸出が減少し風邪を長引かせることになる。ただ、日本は特効薬(日本の消費者にとっては劇薬)の円安でかろうじて寝込むのを免れている。
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