アパレルのワールド退職募集453名応募 40歳以上ターゲット
アパレル大手のワールド(本社:神戸市)は、リーマンショック前まで、集客力あるアパレルSPAとして、百貨店や大型商業施設に引っ張り凧だった。しかし、その後は、SPAとしては価格帯も高く、安価でファショナブルな外資系SPAが大量に国内に浸透する中、競走にも負け、消費不況も影響し、ブランドも分散化させてブランド力を弱める結果を招き、CMなどもほとんど行わず、顧客離れを引き起こし、売り上げ不振に陥っている。
2005年11月には、米のハゲタカ対策から東証一部の上場を廃止するほどの勢いを持ち、銀座インズに出店したころの勢いもまったくなくしている。
同社は12日、7月に募集した希望退職に453人が応じたことを明らかにした。社員の約25%に当たり、同社は「予定通りの応募数」としている。退職は9月20日付で、追加募集などの計画はないという。
希望退職の対象は、ワールド本体の社員約1800人(3月末時点)のうち、40歳以上の正社員と定年後に再雇用された60歳以上の社員を合わせた約1300人。7月6~24日に募集し、対象者全員に面談を実施した。400~500人の応募を想定していた。退職者は本体社員の25%に達する。
希望退職に伴い、特別加算金などの費用として特別損失約28億円を、2015年9月中間決算に計上する。今後、年間約25億円の人件費削減を見込む。
同社は駅ビルやショッピングセンターに積極出店を続け、全国に約3千店舗、約100ブランド展開しているが、近年は値下げ競争の激化などで業績が悪化。15年度に10~15ブランドを廃止し、不採算の400~500店舗を閉店する計画を5月に発表していた。
ワールドの決算推移(1)
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連結/百万円
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8/3期
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9/3期
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10/3期
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11/3期
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12/3期
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売上高
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358,276
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342,758
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314,117
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305,541
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329,894
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経常利益
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14,393
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13,508
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7,777
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6,542
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9,286
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当期純利益
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5,722
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5,019
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2,346
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154
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2,563
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包括利益
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―
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―
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―
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20
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2,864
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純資産額
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43,931
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42,930
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40,981
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38,930
|
28,868
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総資産額
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240,558
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225,263
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210,167
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207,622
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210,767
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ワールド決算推移(2) 国際会計基準
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連結/百万円
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13/3期
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14/3期
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15/3期
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売上収益
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329,437
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309,385
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298,511
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営業利益
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11,320
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9,291
|
5,263
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当期利益
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3,148
|
2,041
|
4,509
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当期包括利益
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3,860
|
2,915
|
4,918
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親会社帰属持分
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8,580
|
11,196
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12,469
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資産合計
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206,647
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200,372
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200,092
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