＜劇症型溶血性レンサ球菌感染症＞＝人食いバクテリア=常在細菌
１９８７年に米国で初めて報告され、日本では平成４年に最初の患者が確認された。血圧低下などのショック症状が突然現れ、腕や足に痛みや腫れが出る。細菌が急激に増殖し、筋肉や皮膚組織を破壊することから「人食いバクテリア」の異名をもつ。致死率は３０％に達する。急激に劇症化するメカニズムはいまだ不明な感染症。

国の機関である国立感染症研究所（感染研）は９月２日、「人食いバクテリア」といわれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の国内患者が８月２３日までに２９１人となったと発表した。昨年の２７３人を超え過去最多で、７１人が死亡、致死率は２６．０％となっている。
近年は年間２００人前後で推移、患者の約３０％が死亡

感染研によると、平成１８年に現在の届け出基準になって以降、国内患者の報告は増加傾向で、２３年以降は年間２００人前後で推移。２４～２６年に届け出があった患者７１２人のうち２０７人が死亡し、死亡率は２９．０％となっている。