アイコン 東芝と韓国JVのUAE原発工事  新古里3で不正部品のまま 40年耐用が2年半

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韓国政府はUAEでの原発輸出を契約し、現在工事に入っている。ただ、その核心技術については東芝が担当している。
そ の受注契約条件で、当時建設中であった新古里原発3号機(APR1400・改良型の新原発)の予定通りの商業運転稼動という条件が付いていた。2015年 9月30日までに商業運転させなければ、遅延1ヶ月ごとに42万ドル(約5千万円)ずつ契約金額から、減額されることになっている。

韓 国政府は、原発を稼動させる方針でいるようだが、2013年6月当時、一連の原発部品・部材の偽装検査合格書により納品された部材が、営業運転ま近かの新 古里原発3号機で、まだそのままになっており、その部材の追加検査報告書がまだ提出されていないことが発覚、UAE契約最優先で稼動させるのではないかと 騒ぎになっている。

韓国ハンギョレ新聞(2015年9月17日)によると、

 新古里(シンコリ)3号機の運営許可を目前に控え、韓国水力原子力(韓水原)が、部品安全性に重大な問題があることを知りながら原子力安全委員会に報告しなかった疑いが提起されている。
新古里3号機は、韓国がアラブ首長国連邦(UAE)に輸出した原発の見本となる国内の(新型)原発、安全性を立証する次元で今年9月30日まで稼動するという輸出契約内容を守るには、韓水原として運営許可を急がねばならない状況にあった。

 9月16日、キム国会議員が問題を提起し、17日の韓水原国政監査で関連証人採択を申し込み、安全不感症を検証すると明らかにした。
 
セハンTEP(検査会社・当時の代表逮捕)は、部品の放射線調査報告書を偽造して原発不正を触発させた原発部品の検証機関。
問題とした部品の一つは、制御棒の位置伝送器ケーブルの組み立て部品。原子炉の核反応を調節するため設置された93本の制御棒の位置を関連系統に伝達する主要部品。

3月26日に、この部品を使用した新ハンウル1、2号機を検証した結果、振動老化試験条件に欠陥があることが確認された。この部品は、新古里3号機にも使われている。

納品した斗山重工業は、3月27日に同様の欠陥を確認し、同月30日に韓水原に条件を修正して再試験をすると報告した。

その結果、部品の寿命は約2年半(29.8ヶ月)で、設計寿命の40年に大幅に満たないことが分かった。
斗山重工業は、「正常」とした報告書を4月6日に修正している。2~3ヶ月かかる追加検証を経なければならない状況だった。
 
3日後の4月9日には、新古里3号機の運営許可審議のための原案委会議が予定されていた。韓水原が、部品検証結果に問題があることを会議前に知っていたかは証言が食い違う。

斗山重工業は、4月6日に報告書の修正を完了して韓水原に報告し、追加検証が必要だと伝えたという。

ところが、韓水原側は、「(原案委後の) 4月10日に追加検証必要性に関し初めて報告を受け、4月6日に斗山重工業から結果の報告を受けていない」と説明した。

これに伴い、キム議員は10月の総合監査で、関連者を呼び出し、真偽を確かめる方針。
 
新古里3号機は、4月9日の原案委会議では別の問題で運営許可がおりず、4月11日にはGE社から制御バルブ部品のリコールを通知する問題が続いていた。

その後、韓水原は、4月24日になり、ケーブル組み立て部品試験のエラー問題を原安委に報告した。
新古里3号機は、運営許可を受けることができなかった。

この原発が今月末までに商業運転ができなければ、UAEに原発輸出に関連して請求できる金額が毎月42万ドルずつ削られる。

以上。ハンギョレ新聞参照

<同時進行のUAE原発と韓国原発>
UAEの原発入札では、日本が100とすれば、フランスが80、韓国が60~70を提示し、韓国はそれに加え、韓国軍による原発施設警備など好条件も提示し、受注を勝ち取っていた。

しかし、韓国内の原発では、大規模贈収賄による大量の品質証明書偽造などによる不正・不良部品が原発納品・設置されていることが発覚、韓水原(国営電力会社)は、各地の原発を停止させ、不正部品の取替え工事など行った。(セハンTEPの偽装合格書問題だけではなく、カナダの検査機関の不適格証明書を合格証明書に改ざんした納材業者などもいた)

その後、原発納材部品に対するチェックが厳しくなり、そうした過程で、新ハンウル1、2号機の部品についてもチェックが行われ、問題が発覚していた。

<心配される東芝担当工事>
UAEの原発は、韓国政府が威信をかけ超格安で受注しており、既に工事に入り、工事進捗は順調とされている。

しかし、UAEの工事でも、こうした不正部品などにより大幅な工期遅れがあるや知れず、大損害を出す可能性がある。東芝担当工事についても、韓国側が何でもかんでもイチャモン付け、受注額に影響してくる可能性もある。また、稼動したとしても、まだ判明していない問題部品が納入され、長期保証期間内に何が起こるかわからないリスクを抱えることにもなる。

当然、そうしたリスクに対して東芝は発注した韓国側に対して、万全に保全する契約内容としていると見られるが、もしも、ろくに保全もせず、数字欲しさに受注していた場合、後世東芝の業績に禍根を残す可能性もある。


<2013年6月の原発部品の偽造検査合格書問題の記事>
中央日報は2013年6月5日、次のとおり報道していた。

原発部品の試験成績書を偽造した検証会社セハンTEP(当時の代表ら逮捕)が、JS電線のほかにも2社の試験成績書を偽造したことが明らかになった。
 韓国水力原子力(韓水原)によると、セハンTEPは斗山重工業とウジンが新古里原発3・4号機に納品した部品の試験成績書を偽造していた。

斗山重工業が納品した部品は、原子炉と連結するケーブルで、原子炉から出る各種信号を送受信したり、電力を供給する役割をする。
ウジンが供給した製品も原子炉の外から制御装置まで連結するケーブルだ。 このケーブルに問題が発生する場合、誤った信号で原発が停止することもある。

セハンTEPは、斗山重工業とウジンのケーブルに対して放射線老朽化試験をせず合格品とした。

新古里3・4号機の建設(2014年完工)と関連し、ウジンが韓水原に納品した物品は46億ウォン(約4億円)、JS電線が供給した製品は94億ウォン相当。

パク・ジョンフン・ウジン企画管理チーム長は
「全体検証費2億4500万ウォンのうちセハンTEPがしない放射線老朽化テスト費用は400万ー500万ウォンにすぎない。 なぜ、この検査をしなかったのか理解できない」とし「他の検証機関に該当部品の検証を依頼する」と話した。

韓水原の関係者は「検証されていない該当製品を試験した後、部品を交換するかどうか決める予定」とし、「セハンTEPを含む国内7機関が検証した部品をすべて調査している」と述べた。

原子力安全委員会(原安委)と検察はセハンTEPの追加偽造疑惑調査を始めた。
原安委は「セハンTEPが、他のケーブルの試験成績書も偽造した疑いがあり、事実を確認している」と明らかにした。
 
釜山地検東部支庁原発不正捜査団も「セハンTEPが告訴された内容のほか、他の企業の制御ケーブル試験成績書も偽造したとみて捜査中」と明らかにした。

検察は、セハンTEPのオ代表(50)とイ・チーム長(36、拘束)の供述と会社で押収した関連書類から3、4件の追加偽造が疑われると伝えた。

セハンTEPは、2010年12月から昨年7月まで国内外で23件の原発部品検証合格書を発給している。

また検察はこの日、京畿道竜仁・城南にある韓国電力技術の本館・別館を家宅捜索し、セハンTEPの偽造試験成績書承認過程に関する書類とコンピューターファイルを確保した。

韓国電力技術は、国内原発の設計を担当する公企業で、設計通りに部品が納品されたかを検収し、セハンTEPが発給した部品試験成績書の確認作業をする。

韓国電力技術は、その間、同社出身者がセハンTEPの大株主であるうえ、セハンTEPの原発ケーブル試験成績書偽造を摘発できず、癒着疑惑を受けてきた。

検察は、新古里1・2号機の制御ケーブル試験成績書偽造を共謀した容疑で、セハンTEP代表と制御ケーブル製造会社JS電線の職員Mに対する拘束令状を請求した。

Mの上司のキム部長はこの日、検察の家宅捜索逮捕令状執行の直前、服毒自殺を図り、病院で治療を受けている。

原発偽造部品波紋と関連し、金均ソプ韓水原社長はこの日、国会産業通商資源委員会で、
「責任を取る人がいない」という一部の議員の質問に対し、「先週、辞職願を提出した」と答えた。
以上。2013年6月の報道記事・中央日報紙参照

なお、東芝と韓国JVとした案件は、韓国の国営企業などがUAEから受注した案件であるが、原発の核心技術は韓国企業にはなく、(原発の核心技術を持つ会社として)東芝が参加しなければ当案件は受注できなかったことから韓国とのJVとした。 

新古里原発の工事現場(津波対策も取られていない低さ)
新古里原発の工事現場(津波対策も取られていない低さ)

[ 2015年9月18日 ]
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