アイコン 倒産危機VW 問題のTDIエンジンと改善されたTSIエンジン

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TDIエンジン(Turbocharged direct injection)
ターボチャージャー直噴エンジン。
TDI エンジンは、各シリンダーの主要な燃焼室に直接燃料噴射装置が粉砕された燃料をスプレーする直接噴射(直噴)エンジン。以前のディーゼル車は、異常熱を発するため間接噴射していた。
TDIエンジンは、ターボチャー ジャーで空気の量を増加させるため強制的にシリンダー内に空気を送り込み、燃焼量を増加させ、エンジン効率を高める。
そうしたことから、出力やトルクおよび燃費を以前のエンジンより大幅に改善させ、大きな排気量のエンジンと同等の動力性能でよく、同等クラスの車体では、エンジンを小型化することに成功した。
ただ、そのままではディーゼル車では特に異常高熱を発するため、TDI エンジンでは温度を下げるインタークーラー機能を装備している。

TSI(Turbocharged Stratified Injection)
TSIエンジンは、直噴エンジンにツインチャージャー(=スーパーチャージャー)やターボチャージャーを組み合わせたもの。
当エンジンは以前からあるが、現在のTSIエンジンでは、改善が進むECUプログラム(エンジンコントロールユニット)により過給機などを変更させることで大幅に改良されている。

ツインチャージャーが採用されているTSIエンジンでは、低回転域ではまずスーパーチャージャーが作動させ、回転数が上がるにつれターボチャージャーも併用され、さらに回転数が上がるとスーパーチャージャーが切り離されターボチャージャーのみで過給される。スーパーチャージャーを用いることで、低回転域においてもトルクフルな動力性能を実現させている。

ターボチャージャーを一基のみ採用しているTSIエンジン(シングルチャージャーモデル)では、低回転域からターボチャージャーが作動する。

かつてのツインチャージャー搭載エンジンやターボチャージャー搭載エンジンは、同一の排気量で、いかに出力(や最高速度)を向上させられるかといった点に主眼が置かれていたのに対し、(逆転の発想から)TSIエンジンでは、燃費を向上させるためのダウンサイジング(小排気量化)を前提として、目標とする動力性能を達成させるための手段としてツインチャージャーやターボチャージャーを用いている。

こうした逆転の発想でダウンサイジングエンジンを完成させたのが、フォルクスワーゲンであるが、カーメーカーは、以前からスーパーチャージャーやターボチャージャーを取り入れた車両を開発販売してきており、ダウンサイジングへの発想の転換はスムーズに行われている。
元々、ディーゼル車はトルク性能に優れており、欧州ではガソリン車よりディーゼル車が多く普及していた。
ただ、排ガス問題では、ディーゼル車はNOxを大量に発生するため、触媒により低減化が図られてきた。

VWのTDIエンジンでは排ガス対策に触媒機器を稼動させた場合、動力性能が大きく落ちる問題があり、それを違法プログラムで走行時に触媒機能を稼動させないよう、とんでもないプログラムを作成し、停車時に検査される当局の検査を騙し、排ガス基準をクリア、購入者が走行時に、基準の10倍~40倍の大気汚染物質を排気させ続けていたことが発覚した。
VW-Gは年間1000万台超を販売する自動車メーカー、それも欧州ではディーゼル車の販売が主力であり、同社は問題の車両が1100万台に達すると発表している。

燃費と排ガスという環境車対策車において、VWはトヨタのHVに対抗、HVの欠点である動力性能を大幅に改善したTDI・TSIエンジンというダウンサイジングエンジンを開発したことで対抗し、ライバルトヨタのHVの拡販を食い止めることに成功した。
だが、TDI・TSIは、ガソンリン・ディーゼルエンジンともに設けられており、今回問題になっているのは軽油を燃焼させ排ガスが大きいVWのディーゼル車のみである。
そうしたことから、ダウンサイジングエンジンが否定されるものではなく、それもVW-Gのディーゼル車だけの問題である(今のところ)。
ダウンサイジングエンジンは、高価なスーパーチャージャーやターボチャージャーという加給機を取り付けるため、同様な排気量の車両に比べ価格は高くなる。ただ、日本の場合は、車体の大きさではなく、排気量により自動車税が設定されており、小排気量でランニングコストは大変お買い得となっている。マツダデミオはシングルターボチャージャー直噴エンジンで主眼は燃焼室の圧縮比に置かれている。

 

TDIエンジン
VW社が開発したターボディーゼルエンジンの呼称。ユニットインジェクターシステムを備えた副室がない直噴タイプで、ルポやゴルフなどに搭載されている。

[ 2015年9月25日 ]
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