アイコン 経産省 EV向け新蓄電池開発強化 亜鉛空気電池や空気マグネシウム電池が有力か

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経済産業省は、電気自動車(EV)向け蓄電池の開発を強化する。
2016年度から、従来のリチウムイオン電池に代わる新素材の蓄電池の開発を本格化させ、30年の実用化を目指す。電池の大きさは同じでも、1回の充電で東京~大阪間約500キロを走れるようにするのが目標。
 
蓄電池の性能は1キロ・グラムあたりに蓄えられる電気の量が指標で、現在は60~100ワット時ほど。この蓄電池を使ったEVは最大200キロ走れる。
 経産省は、まず20年頃までにリチウムイオン電池の改良で、1回の充電で東京~名古屋間の350キロを走れるようにする計画。

 さらに30年までに新素材の蓄電池を開発し、蓄えられる電気量500ワット時を目指す。
経産省は16年度予算の概算要求に、実験や研究の費用として32億円を盛り込む。

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<亜鉛空気電池>
リチウム電池の5倍の容量を持つという亜鉛空気電池を、すでに日立造船が開発している。京都大学でもさらに研究を進めている。
日立造船が持つ多孔質セラミックス円筒の外側にゼオライト薄膜をコーティングする一連の技術を応用。円筒の中心の亜鉛電極周辺に電解液が入り、その外側をアルミナのセパレーター、空気極支持管、空気極触媒層が取り囲む形状。陽極にあたる空気極に炭素を使わず、ペロブスカイト型酸化物のみで形成して、充電時に亜鉛が不均一になり劣化するのを抑えたという。2016年度末までに実用化を目指している。

<空気マグネシウム電池>
2014年6月10日、東工大の矢部孝教授が会長を務めるベンチャー企業、「エネルギー創成循環」が名刺よりも一回りほど小さなマグネシウムシートを差し込むと電気が発生する小型電池を開発したと発表。車での実証実験も行っている。

2014年7月11日、京都大学の内本喜晴教授らのグループが、電池の電極を浸す液体と新素材のプラス極を開発。マイナス極にマグネシウムを組み合わせ、1キログラムあたり約250ワット時の容量を実現したと英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表している。
高性能のリチウムイオン電池の同約200ワット時を上回り、材料費も約1割に抑えられるという。

2014年7月29日、日本バルカー工業が空気マグネシウム電池の発電能力が3倍になる正極材を開発したと発表している。

2014年8月29日、古河電池が凸版印刷と共同開発した水や海水を投入すると発電する大容量の非常用マグネシウム空気電池「マグボックス」の発売を発表。最大電気量は300ワット時で、発電時間は最大5日間

2015年7月、矢部博士が会長を務めるベンチャー企業「エネルギー創成循環」が、スマートフォン用の「マグネシウム電池」のサンプル出荷を開始している。

日産はEVリーフにマグネシウム電極を使用し、これまでのリチウム電池を24kWhから30kWhまで大きくし、走行距離を285キロまで伸ばすことができるという。

[ 2015年11月 2日 ]
 

 

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