フランス政府 日産とルノーの合併検討 どこへ行く日産 花の都パリ?
マクロン仏産業相は、日産自動車・仏ルノー連合のゴーン最高経営責任者(CEO)に対して、仏政府の求める条件で、両社を完全合併させるよう圧力をかけているという。
仏政府は、これまで影響低下を懸念し、両社の完全合併には消極的とされていたが、仏政府は方針を転換させたという。
ルノーの筆頭株主である仏政府が4月に議決権を拡大して以降、仏政府の影響力を抑えたい日産・ルノー側と仏政府の対立が表面化している。関係筋によると、マクロン産業相はその頃から、ゴーン氏に対し、合併実現に向け作業部会を立ち上げるよう要請。
仏政府が、主要株主にとどまることや、雇用確保を含め「フランスの戦略的利益を維持する」ことを条件に求め、拠点も仏国内に置くことが望ましいと主張。選挙が行なわれる2017年前までに合併を実現させるよう要求しているという。
だが、ゴーン氏は、産業相の要求を取り合わず、作業部会が設置されることはなかったととしている。
ゴーン氏は、仏政府とは全く別の青写真を描いていた。2013年にはゴールドマン・サックスを起用し、完全合併も含めた連携強化案を探った。新会社の拠点を日仏以外の第三国に置き、東京とパリに上場することなどが検討された。
だが、合併は複雑過ぎて時間を要するため、まずは事業統合を深めることを優先すべきとの判断に至り、ゴーン氏の将来図は一旦棚上げされていたという。
マクロン産業相の圧力を受けて、ゴーン氏自身の案を「復活させる」状況になっていると述べた。ルノーは今週、緊急の取締役会を開催して対応を協議するとみられている。
以上、ロイター参照
日産は、ルノーの株を所有しているが、議決権がない株。すでに日産の経営陣は、ゴーン会長の独裁政権であり、ゴーン抜きでは考えられないほど無力化させられており、ゴーンの次を見越した仏政府の動きと見られる。
しかし、ルノーが苦戦する中、日産は過去最大の利益を出しており、仏政府としてもゴーン会長を辞めさせるわけにはいかず、しばらく両者の駆け引きの膠着状態が続くと見られる。
フランス政府が、2年以上株式を保有する大株主は、2倍の議決権を得る法案を成立させ、多くの企業を事実上国営化しようとしている。
こうした「議決権2倍法」は40%以上の株式を保有する子会社には適用されず、ルノーが43%を保有している日産は子会社に当たるため、ルノーが日産株を3%売却して40%にすれば、フランス政府を上回る割合を日産が保有し、日産はルノーの子会社なのでルノーの独立性が保たれる。
フランス政府はルノー株の14%を保有しており、現在28%の議決権を持っている。
ルノーは日産株の43%を保有、議決権あり。
日産はルノー株の15%を保有、但し議決権なし。
米クライスラーと日産はそっくり、クライスラーはイタリアのフィアットに買収され、現在は吸収統合されて持株会社FCA(Fiat Chrysler Automobiles)の傘下となっている。
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