アイコン 韓国経済 海運市況悪化直撃の現代商船 身内では喧嘩ばかりの歴史

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韓国財界21位の現代グループが嵐に直面している。
10月、財務構造の改善に向け、「現代証券、現代資産運用、現代貯蓄銀行」をパッケージにして一括売却、6512億ウォンを調達しようとしたが売却に失敗した上、今月に入ると赤字経営にあえぐ中核企業、現代商船の売却説が浮上してきたと韓国で報道されている。

<業績急悪化>
世界18位のコンテナ船会社である現代商船は、2008年秋のリーマンショック、2011年の欧州財政危機で先進国市場が冷え込み、北米、欧州で物流量が少なくなったため業績が急激に悪化、それも現在に至るまで続いている。
2011年に▲3574億ウォン(約380億円)の赤字に転落後、2014年の昨年まで4期連続赤字となっている。12年には年間の営業損失だけで▲5000億ウォンを超えた。
 現代グループは、2013年から自主再建計画で3兆ウォンの資金を調達した。
昨年5月には優良資産である液化天然ガス(LNG)輸送部門を売却して9700億ウォンを、2ヶ月後の昨年7月には現代ロジスティクスを売却して6000億ウォンを調達した。
しかし、海運不況の継続で状況はさらに悪化している。
昨年10年末に1兆3000億ウォンあった現代商船のキャッシュフローは、今年上半期末には2000億ウォンにまで落ち込んだ。負債比率は同じ期間に240%から880%まで上昇している。

現代グループは、持株会社格の現代エレベータが、転換社債を発行し、資金調達を進めているが、調達額が少なく、市場では「焼け石に水」と受け止められている。

<売却説> 
こうしたことから、現代商船の株価は、競合社の韓進海運との合併説、現代グループが韓国産業銀行に現代商船の経営権を放棄する意向を示したという噂などにより▲13.78%も暴落している。 

2001年3月鄭周永創業者が亡くなると現代グループから、息子たちが2000年代初めに現代自動車グループ、現代重工業グループなどが離れ、海運、証券等金融、エレベータが主力事業となった現代グループは10年余りで行き詰まりを表面化させようとしている。
現代グループが、現代商船を切り離し、売却に動いても、購入者を見つけられるかどうか。

海運業況が良くなる気配がないうえに、大規模な投資が必要であり、既存の海運会社は自分たちの顧客とのアライアンス(連合)の関係など、さまざまな条件を検討する必要がある。

<韓進グループの対応>
まず、最初に引受主体として浮上するのは、国内1位・世界10位の海運会社の韓進海運。ここで現代商船を買収すれば、メガ海運会社のための挑戦が可能となる。
とはいえ、大韓航空の業績不振など自らの財務的負担が大きい韓進グループが、現代商船を買収できるかは疑問。
もし、買収しても一方でアライアンスを失うかもしれない合併ではなく、両社体制を維持しながら経営効率化をなす方法に進む可能性が高い。

<現代重工業の対応>
汎現代家で、現代商船を買収する可能性も、慎重だが提起されている。
以前、鄭夢準前ハンナラ党代表の現代重工業グループと玄貞恩(現代商船、現代財閥の2代目となる鄭夢憲(自殺)の妻)会長の現代グループが、現代商船の経営権をめぐり対決を繰り広げた。
今は、現代重工業と現代商船が共に不況の直撃弾を受けて苦戦中。現代商船が安値で出てきた場合には買収合戦が再点火する可能性もある。

<現代自動車の対応>
自動車運搬船を持つグロービス社を保有している現代自動車グループが、電撃的に買収戦に参加することもありうる。
鄭夢九会長の現代自動車グループは、(現代商船)玄貞恩現会長と現代グループ嫡流の現代建設をめぐり、争い勝利を収めた経緯がある。

<政府系銀行傘下で延命>
売りに出された現代商船が新しい主人を見つけられず、産業銀行の傘の下で生活する可能性も排除することはできない。
企業の構造調整と民営化の風に乗って産業銀行が新しい物件を管理する余地は大きくないが、基幹産業である海運業界の産業構造調整のために、現代グループと産業銀行が妥協案を見つけるかもしれないと市場では観測する。

<現代商船と政府プロジェクト>
韓国政府プロジェクトで、韓国をはじめとするアジア諸国の輸出貨物を船で北朝鮮の羅津港に運び、羅津―ハサン区間の鉄道とロシアを横断するシベリア鉄道を利用して欧州まで輸送するという物流協力事業。韓国企業が参加する北朝鮮北東部の経済特区・羅先の羅津港とロシア極東沿海地方のハサンを結ぶロ朝物流協力事業をめぐり、事業の妥当性を確認するための韓国への3回目のテスト輸送が11月17日から30日まで行われる。事業に参加するポスコ、現代商船、コレール(韓国鉄道公社)の3社企業連合が実施する。

<韓国特有の兄弟たちがバラバラ>
協力しようとはせず、足の引っ張り合いの歴史
鄭周永現代財閥創業者(故人)の息子たち
長男 - 夢弼(1936年生)、仁川製鉄社長 1982年交通事故死
次男 - 夢九(1938年生)、現代自動車を継承。2006年4月28日不正資金疑惑で逮捕
三男 - 夢根(1942年生)、現代百貨店会長
四男 - 夢禹(1945年生)、現代アルミニウム会長 1990年4月自殺
五男 - 夢憲(1948年生)、北朝鮮関係事業などを継承し、現代商船、金融会社、エレベータ会社などを経営する現代グループを継承・2003年自殺
六男 - 夢準(1951年生)、現代重工業を継承。セヌリ党所属の国会議員で元ハンナラ党代表。日本単独を横取りした2002W杯招致の立役者。
七男 - 夢允(1955年生)、現代海上火災取締役会議長
八男 - 夢一(1959年生)、現代企業金融会長

現代財閥創業者の鄭周永は、
現代自動車、現代建設、現代重工業、現代鋼管など現代グループの各社を次々に創業。現代重工では「1万5000トン級の経験しかないのに30万トン級の船を受注。それから日本の造船企業の(提携先であった)川崎重工に研修員を送り込み、設計図から道具まで盗んだ。盗んだ総量はコンテナ2台分になった」という、不法もいとわない強引な手法で成長させたとされている。
(川重は新幹線技術もJRなどの反対を押し切り中国に売り渡した売国奴でもあるが、日本軍需産業の重要な一角を占める、今度は何を売り渡すやら・・・。心配される)

<株価、橙色はKOSPI指数Y、緑色は現在商船>

<株価、橙色はKOSPI指数Y、緑色は現在商船>


 

[ 2015年11月16日 ]
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