7~9月GDP 2期連続マイナスの▲0.2減 年率換算0.8%減 設備投資減響く
内閣府が発表したことし7月から9月までのGDP=国内総生産の伸び率の速報値は、中国経済の減速などを背景に輸出が伸び悩み、企業の設備投資が落ち込んだことなどから、物価の変動を除いた実質で前3ヶ月と比べて▲0.2%となった。
4~6月期の前期比▲0.2%減に続き2四半期連続のマイナス成長となった。設備投資と在庫投資が足を引っ張った。中国や新興国減速の影響で企業部門の慎重姿勢が強まったとみられる。消費や輸出は持ち直したが、けん引役となるには力不足に終わった。
<中国経済低迷・企業活動停滞続く、消費もけん引役に力不足>
民間最終消費は、前期の落ち込みから反発し、前期比0.5%としっかりとした伸びになった。所得回復の後押しもあったとみられ、雇用者総報酬(実質・季節調整値)が前期から0.8%増となり、この4四半期で最も高い伸びとなった。さらにプレミアム商品券を使った消費も活発化した。
輸出も前期比2.6%増加、財の輸出は世界経済減速の影響で振るわなかったが、サービス輸出が好調だったとみられる。消費回復などで輸入の寄与度も高まったが、輸出の寄与度が上回り、外需寄与度はプラス0.1%となった。
他方で設備投資は、前期比▲1.3%減となり2四半期連続の減少。4~6月期より減少幅が拡大。
設備投資計画は、種々の調査で高めとなっているものの、実際の投資は振るわず、企業が計画実行に二の足を踏んでいることが浮き彫りとなった。
また在庫投資も▲0.5%減となり、企業が在庫を取り崩して需要に対応している姿となっている。7~9月の鉱工業生産統計で2四半期連続で出荷が落ち込み、生産調整が続いた結果、在庫水準が低下していたことが表れた可能性がある。
もっとも、在庫が減少したことは、次の四半期での生産増加、在庫増加につながりやすく、景気にとってはプラス材料ともいえる。
<甘利明経済財政相談>
甘利明経済財政相は16日、2015年7~9月期の国内総生産(GDP)が2・四半期連続でマイナス成長になったことについて「在庫投資がマイナス寄与した」との認識を示した。
一方で、企業収益の改善を背景に今後も緩やかな回復基調が続くとの見方を示し、「10~12月期はプラスに転じると思う」と語った。「賃上げの継続、拡大により所得環境の改善が続き、個人消費は持ち直していくと見込まれる」「設備投資についても増加していくことが期待される」とし、10~12月はプラスに転じるとの見通しを示した。
また、「補正は当然あると思う。環太平洋連携協定(TPP)を受けて農業を成長産業にさせる備えや、1億総活躍の実現に向け、地域にアベノミクスの恩恵を行き渡らせるものを中心に編成する」と語った。
以上、
企業は利益が出ても、投資家向けに自己株式購入には充当するも賃上げにつなげず、設備投資にもつなげておらず、どうなることやら。
補正予算も地域に垂れ流しても経済効果がどれほど持続的にあるかは・・・、ないに等しいだろう。垂れ流し続けるしかない。
参考
名目原系列(季節調整ではない)
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前期比
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前年同期比
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国内総生産(支出側)
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-1.44%
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3.08%
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民間最終消費支出
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2.15%
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0.46%
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家計最終消費支出
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2.07%
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0.41%
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除く持家帰属家賃
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2.49%
|
0.49%
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民間住宅
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9.95%
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5.96%
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民間企業設備
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6.98%
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0.91%
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民間在庫品増加
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-116.61%
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-33.46%
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政府最終消費支出
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-14.38%
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1.24%
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公的固定資本形成
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22.67%
|
1.46%
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公的在庫品増加
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-37.61%
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-117.55%
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純輸出
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-12.10%
|
-68.19%
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輸出
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2.42%
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4.67%
|
輸入
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1.60%
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-5.87%
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海外純受取
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17.47%
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13.33%
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国民総所得
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-0.63%
|
3.55%
|
国内需要
|
-1.55%
|
0.97%
|
民間需要
|
0.96%
|
0.92%
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公的需要
|
-8.89%
|
1.11%
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総固定資本形成
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10.45%
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1.72%
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国内総生産(支出側)(除FISIM)
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-1.44%
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3.13%
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家計最終消費支出(除FISIM)
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2.10%
|
0.43%
|
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財貨・サービス
|
2.43%
|
4.68%
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輸出(除FISIM)
|
2.43%
|
4.68%
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輸入(除FISIM)
|
1.60%
|
-5.87%
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