アイコン 韓国経済 米金利上げの影響は・・・

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<内需拡大基調に赤信号>
韓国の家計負債は、低金利政策で不動産購入が激増し、記録更新し続けている。また、不動産のほか建設業など公共投資等内需振興策も功を奏して内需は上昇基調にある。

し かし、米金利が上がれば、その防衛から韓国は金利を上げざるを得なくなり、こうした不動産の活況は当然後退することになる。そうなれば、不動産価格は値下 がり、評価損が発生し、金融機関が購入した国民に対して追証を求めるか返済を迫ることになる。その結果、国民の消費支出がさらに怪しくなってくる。ここ1 年6ヶ月間で家計負債は1035兆ウォン(105兆円/0.1016円)から1200兆ウォン(122兆円)に増え、いつ爆発するかもわからない時限爆弾 になっている。

それに加え、サムスンや現代など一部のスーパーカンパニーを除き、すでに頼みの部品部材は、中国勢の内製化が進み輸出減退により青息吐息となっている企業群が多く、それらの企業は金利が上がることにより、さらに経営が深刻なものとなる。
大手であっても造船業などは、巨額赤字に巨額借り入れ、不動産を処分してその借り入れをいくばくか減らしている有様、借り入れに依存した企業はコスト増に苛まれることになる。

日本のようにバブル崩壊という極端な図式ではないため、いろいろな手立ても輸出企業に対しては政府支援が取りにくいという貿易環境にもある。ましてや韓国は貿易黒字・経常黒字を超長期間にわたり続けており、経済成長率もプラス、政府が大風呂敷を広げるにはいかない。アメリカから為替介入は止めなさい、内需を活発にしなさいと言われるだけだろう。
こうした中、赤字問題などを一括処理する構造改革のワンショット法も政争に明け暮れた議会でなかなか通らないのが実情。

<中国経済低迷は韓国にとってWマイナス>
中国経済はあらゆる経済指標で低迷している。そのため、韓国から輸出される製品も減少している。
韓国から中国に対して今も製品輸出が伸びているのは中国における韓流ブームから化粧品ぐらいだろう。
 中国でのスマホ販売がずうっとダントツであったサムスンは、今や昔となっている。サムスンの半導体は売上高が伸びているが、中国やベトナムでも製造しており、一概に韓国の輸出にだけ貢献しているわけではない。利益頭の半導体も数年すれば、中国国営企業がNAND部門にも大きく進出してくる。
 造船は、エネルギー安から、韓国が今でも優位性を有しているLNG船などの発注は極端に減少している。そうしたことから、中国でも造れる船舶は、中国が造船不況ゆえに、鋼材価格も安いことから取り捲り、巨額赤字から選別受注をしている韓国勢は刃が立たない。

 鉄鋼は、ポスコがベトナムで製鋼所を稼動させたものの、東南アジア停滞で輸出先がなく、韓国へ輸入しようとしたところ、韓国の鉄鋼業界から猛反対を受けている。

韓国へは大量に中国から鋼材が流入しており、価格が下がり、韓国の鉄鋼業界は悲鳴を上げている。こうした状況下、東国製鋼は本社社屋のフェラムタワーを売却したのに続き8月に稼動を中断した浦項第2厚板工場の売却も進めている有様。
ならず者の中国は、中国の輸出品にダンピング税を課す国には対抗措置を取ると言明、なりふり構わぬ輸出攻勢に出ている。
というのも、中国経済低迷で、余剰生産整備となった設備から生産される製品が大量に、かつ安価に海外へ輸出されている。中国側の恫喝も各国に対して効いており、特に欧米各国の鉄鋼業界に多大な影響が出始めている。
何せ製造業大手のほとんどが国営企業であり、構造調整など論外、より国の支援を受け生産され、輸出に振り向けられている。(国営企業は約16万社)
こうしたことから、これまで韓国が貿易優位であった鉄鋼や造船・石油化学類の世界市場はもはや中国勢の独壇場になりつつある。

韓国は、内需を活発化させ、輸入を拡大し貿易黒字を減らす努力をしなければ、再度ウォン安にすることはできないだろう。

 

2013年の韓国の輸出品目 /百万ドル
 
 金額
構成比
前年比
鉱産物
56,931
10.2
△ 9.2
 鉱物性燃料
53,027
9.5
△ 6.0
  石油製品
52,787
9.4
△ 5.9
化学工業製品
69,166
12.4
5.9
プラスチック・ゴム・革製品
15,398
2.8
5.3
鉄鋼・金属製品
43,414
7.8
△ 8.4
機械類
165,820
29.6
0.4
 輸送機械
114,676
20.5
0.5
  自動車
48,635
8.7
3
  自動車部品
26,079
4.7
6
  船舶海洋構造物
37,168
6.6
△ 6.5
電子・電気製品
180,157
32.2
9.4
 産業用電子製品
50,852
9.1
15.3
  無線通信機器
27,578
4.9
21.2
 家庭用電子製品
14,884
2.7
17.8
 電子部品
99,697
17.8
5.8
  半導体
57,143
10.2
13.3
  ディスプレー等
28,613
5.1
△ 8.6
雑製品
1,886
0.3
1.9
その他
 
 
 
合計(FOB)
559,632
100
2.1

 

[ 2015年12月15日 ]
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