アイコン IHI 海外のデタラメ工事で今期赤字転落へ 海外リスク表面化

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1、シンガポール向けに建造しているF-LNG・海洋構造物事業=資源開発用の掘削船の納期が遅れた影響などで、約430億円に上る追加費用を計上したこと。

2、インドネシアにある子会社が手がけている火力発電所のボイラーの工事で設計とは異なる誤った溶接作業(ボイラーはインドネシア子会社で製作、水圧試験で溶接部での漏れ、不適切な溶材使用発覚)が見つかって工事が遅れていること。契約納期遅延費用。

3、トルコのイズミット湾横断橋建設工事で仮設の足場が落下する事故があり、納期までの完成が難しくなっており、採算が悪化している。契約納期遅延費用。

IHIは、上記のような問題が相次いでいるため、多額の特別損失を計上し、今年3月期の最終損益は7年ぶりの赤字に転落するという見通しを明らかにした。

追加費用として430億円、納期遅れによる損失金・違約金を特損で472億円あまりを計上した。
この結果、IHIは今年3月期の決算の最終損益が、180億円の黒字となる見通しだったのを▲300億円の赤字に下方修正し、7年ぶりに赤字に転落する見通しとなった。
なお、前期にも、イズミット湾横断橋建設工事での事故により、費用=原価を増加計上しており、またブラジルでの海洋プラント事業への投資失敗による特損291億円も計上していた。

同社は、ものづくりの根幹に関わる品質への信頼を損ねる事態、早急に改善を図り信頼回復に努めたいとしている。
 以上、
 
韓国の造船・海洋プラントメーカーのように、したこともない海洋構造物工事を安値で請け負い、納期遅れで大赤字になるならば、それは必然でもあろうが、同社の得意とする工事においても、初歩的な溶接ミスもあり、如何に同社の管理体制が、杜撰なものになってしまったかを物語っているようだ。

同社は、昨年5月段階の今期営業利益予想は900億円であった。11月に500億円に下方修正し、今回、さらに250億円に大幅下方修正、かつ、こうした問題での特損計上もあり、純利益も▲300億円の赤字に転落すると発表した。
今期当初予想からすれば、営業利益段階では650億円が減額されている。

IHIには、こうした問題も含めアゲインストの風が吹いている。同社は、加給機生産を年産600万台から1000万台に拡大するため、米中韓の工場に設備投資すると発表している。その発表をしたとたん、VWの不正排ガス問題が発生した。ダウンサイジングエンジン用だろうが、排ガステストは路上テストも行なわれる方向にある。VW不正問題で潮目が変わったようにも思えるが・・・。

[ 2016年2月 3日 ]
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