アイコン WHO「ジカ熱」緊急委員会開催 妊婦は南米渡航注意を

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世界保健機関(WHO)は1日、蚊が媒介する「ジカ熱」が中南米で広がっているのを受けて緊急委員会を開き、感染の拡大が「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」に該当すると発表した。WHOでは、最大で400万人が感染するおそれがあるとしている。

妊婦が感染すると新生児の脳の発育が不十分になる「小頭症」につながる疑いがあることに配慮し、各国に感染状況の監視を強化するなどの対応と警戒を促した。

感染者はブラジルを中心に中南米で急速に増えている。WHOの集計では感染を確認した国・地域は25にのぼる。渡航制限は必要ないとした。

<コロンビアでは2万人感染>
コロンビアの保健当局は1月30日、蚊が媒介する感染症「ジカ熱」に2万人以上が感染 し、そのうち妊婦が2116人に上ることを明らかにしている。

ブラジルでは、26ある州のうち23の州と首都ブラジリアで約4000件の感染と、ここ数ヶ月間で1000を超える小頭症の出産症例が報告されているという。感染の1/3がペルナンブーコ州(ブラジル中央東海岸から内陸部に至る州、大西洋に突き出た部分)に集中している。
昨年10月以降だけで少なくとも270人の新生児が小頭症と確認され、さらに3448人が小頭症の疑いがあるとして検査を受けているという。
 すでにブラジルから帰国したアメリカ人(3州)やイギリス人も感染を確認されている。

<症状は軽度だが、妊婦の出産で小頭症の赤ちゃん出産のリスク>
 ワクチンや有効な薬は開発されていない。小頭症との関係は科学的には検証されていないが、ブラジルで急に増えているほか、過去にオセアニアでも関連が疑われる事例があったという。
 WHOは2014年に西アフリカで感染が広がったエボラ出血熱などで緊急事態を宣言したことがある。
「ジカ熱」のウイルスは、デング熱や黄熱病も媒介するネッタイシマカなどが人に感染させ、頭痛や関節痛などを引き起こす。ただ、感染しても約8割の人は発症しないともされ、発症しても症状は軽いとされる。
 これまでの感染例が少ないため詳しい研究が必要だが、人から人への二次感染する恐れはないとみられている。

<妊娠を控えるように喚起>
コロンビアやブラジルでは当局が、女性に対しジカ熱が終息するまで、妊娠を控えるように注意喚起している。(昨年5月ころから急に感染が拡大してきている)

<ジカウイルス>
ジカ熱を引き起こすジカウイルスは、1947年にアフリカのウガンダのジカの森から発見された。その後、ミクロネシアのヤップ島、フランス領ポリネシア、ニューカレドニア、クック諸島、チリのイースター島で流行ったが、いずれも死者は出ていない。世界各地の赤道付近の熱帯に生息、蚊が感染を媒介している。

 
 

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[ 2016年2月 2日 ]

 

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