アイコン 欧州不安再燃 モウモウと煙を吐くドイツ銀行 今度は銀行問題 株価暴落

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ドイツ銀行では、ドイツ銀行債をデフォルト(債務不履行)に対して保証するコスト(CDS保証料率)が今年に入り2倍余りとなり、株価も約37%下落している。

 (1ユーロ/130円/2月8日現在)
 
ドイツの存在なくして欧州共同体もユーロ通貨も誕生していない。しかし、今そのドイツが深刻な金融危機に陥る可能性があるという。
ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行(Deutsche Bank)の行方に強い懸念がもたれている。
スペインのWebメディア「mil21」によれば、ドイツ銀行の金融取引総額は67兆ユーロと言われている(注:残高ではない)。それは、ドイツGDPの20倍に匹敵するという。
 
仮に、同銀行が破綻すると、ドイツだけではその負債を賄うことは出来ない膨大な負債となる。2008年に破綻したリーマン・ブラザーズが及ぼした世界金融・経済危機を遥かに上回る事態
になることは間違いない。
<株価暴落が意味しているもの>
ドイツ銀行の経営難が表面化したのは一昨年から。株価は2014年2月9日47ユーロ、1年前の2月9日には32ユーロとなり、2015年末の31日24ユーロ、今年の2月9日には15ユーロまで下落している。年末からしても37.5%も暴落している。
同銀行グループでは、23,000人の人員削減が実施された。そして、昨年10月のスペイン紙『El Pais』は、今年の第3四半期は62億ユーロの赤字が見込まれ、また来年の株主への配当金が廃止されると報じていた。
 
「不安要素」
 さらに、ドイツ銀行の行方に不安を撒く種として次の4つの要因があるとスペイン電子紙『Credit y Rapidos』は挙げている。
1、フォルクスワーゲン(VW)の不正ディーゼルエンジンがもたらす問題と、それがドイツの他社自動車メーカーに及ぼす影響。・・・今までは現れていない。
2、中東や中央アフリカから流入して来る難民の問題。
3、ドイツの輸出が後退している。
4、ドイツの重要な貿易取引相手国である中国の景気後退。
が挙げられている。
 
また、フォルクスワーゲンの不正問題への賠償などから、取引銀行のドイツ銀行は当面100億ユーロ(1兆3000億円)をVW社に融通することになっているということも報じられており、この不安要素をさらに深刻なものにしている。
他にも、スペイン語圏では、ドイツ銀行の経営に関わる不安の種は大小さまざまなWebニュース、ブログなどで取り上げられている。
 
同銀行が経営難にあるという噂から、ロシアは、同銀行から50億ユーロを引き出したという話や、最近3年間に違法行為があったとして80億ユーロとその弁護料などで70億ユーロを支払っているということが取り沙汰されていること(参照:「mil21」)。
 
ドイツ銀行を巡ってはほかに、
1、一昨年5月に最高30%の値引きをしてまで流動資金だとして80億ユーロの同銀行株を売却している。
2、昨年3月にストレステストを受けて不合格、
3、英国と米国とのLIBOR取引で不正があったとして米国法務省に21億ドルの罰金を支払う羽目になったこと
4、スタンダード&プアーズは、昨年6月に〈BBB+に降格〉させたこと、
5、一昨年と昨年で二人の頭取が辞任を表明したこと
など不安要素は数多く指摘されている。(参照「El Robot Prescador」
 
ギリシャの財政危機では、ギリシャはユーロ圏に残留することを決めたが、仮にユーロから離脱ということになっていれば、ドイツ銀行がギリシャに融資した資金は不良債券となってしまう。それをドイツ政府は嫌って、ギリシャをユーロ圏に留まらせたという話しもまことしやかに噂されている。
いま、ユーロ圏では「ドイツ銀行は健全な銀行とは言えない」という認識が高まりつつある。
これは、もはや一触即発、爆弾を抱えているような状況。何かが要因となって爆発すると、ヨーロッパそして世界を危機に陥れることになるのは明白。リーマン・ブラザーズの比ではない。
以上、報道参照

 

ドイツ銀行
連結/百万ユーロ
12/12
13/12
14/12
売上高
50,092
42,682
42,678
税引前利益
625
1,087
2,497
当期利益
237
666
1,663
総資産
2,012,329
1,611,400
1,708,703
自己資本
54,003
54,719
72,970
自己資本率
2.68%
3.40%
4.27%
資本金
2,380
2,610
3,531
・総資産1,708,703百万ユーロは、約222兆円/130円
以上、
 
欧州委は経済回復に金融緩和策を講じているが、貿易で関係する国々が挙って経済低迷傾向にあり、浮揚するにもなかなか浮揚できないでいる。
この間、ユーロ圏では財政問題国が噴出、この解決を優先させ、銀行問題も取り上げられたものの、次から次に起きる財政問題国の対応に追われ、金融機関への抜本的な対応が遅れていたことは免れない。それも財政国問題に揺れ続け、ユーロ圏の経済回復もままならず、金融機関の悪化に拍車をかけた面もある。
バブル崩壊後の日本では、国が主導して金融機関の不良債権問題に大鉈を振るい、現在のスーパーバンクが存在する。遅れれば遅れるほど問題は大きくなるばかりで、すでに欧州では遅れてしまっている。
これで、米国経済がピークアウトすれば、世界同時不況が現実なものとなる。
 

[ 2016年2月10日 ]
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