アイコン 「iPhone5」ロック解除のサン電子 山口社長とは・・・

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3月28日、米司法省と米連邦捜査局(FBI)が、銃乱射テロ事件に関連し、アップルの支援を得ることなく、容疑者のスマートフォン「iPhone5」のロック解除に成功したと発表して以降、日本のパチンコ関連機器を製造しているサン電子(愛知県江南市)が注目された。

ロッ ク解除を求め米FBI・裁判所とアップルが対立し、大手IT業者もアップルに肩を持った。そうした中、サン電子の子会社であるイスラエルのセレブライトが FBIに協力し、アップルの「iPhone5」のロックを解除したと発表した(実際の発表は、FBIが某企業に対して、有償でロック解除を依頼して解除し たとの発表だった)。

<セレプライト>
 サン電子とセレブライトを結ぶ中心人物は、山口正則・サン電子社長(67)。サン電子が2007年にセレブライトを1750万ドルで買収し、山口氏はセレブライトの最高経営責任者(CEO)に就任した。
山口氏は、買収当時の従業員数は40人、現在では売上高、営業利益、従業員数がいずれも10~20倍に成長させた。
山口氏は、子会社での成功が認められ、2013年には親会社であるサン電子の社長に就任した。

<サン電子>パチンコ業界発祥の地・愛知県
 サン電子は、創業者の前田昌美氏により、愛知県で1971年にパチンコ用電子部品メーカーとして設立された。
前田氏は、これからの日本は電子部品で食べていくとして起業したという。
山口社長は、1972年に愛知工業大学を卒業後、サン電子に入社した。サン電子は日本のパチンコ産業と共に急成長し、2001年に東証に上場した。
しかし、順調なのはそこまでだった。景気低迷と5号機規制、サラ金規制強化により、パチンコ市場は急激な衰退をみることになさった。

山口社長は、パチンコは持続的に収益を上げる産業だが、日本以外に拡張することは困難だとして、9年前、創業者の前田氏と共に海外進出に向け、買収候補となる米国の技術系ベンチャー企業を探していた。

<セレブライト買収・自らCEOに>
そうしたところ、デジタル・フォレンジック技術(犯罪捜査や法的紛争などで電子機器に残る記録を収集・分析する技術)を持つセレブライトを知った。
そして、日本企業として初めてイスラエル企業を買収するに至り、山口氏自らがCEOを務めた。
 セレブライトは、暗号解読技術などを武器に、現在、米国、ドイツ、英国、ブラジルなど世界100ヶ国の情報機関、軍、警察に「モバイルセキュリティー機器」を納入している。1台当たりの価格は100万円を超える。
米国のFBIや中央情報局(CIA)など情報機関へセキュリティー機器を供給する市場でセレブライトのシェアは55%を占めている。

<サン電子をセレブライトが変えた>
 サン電子は、もはやパチンコ企業ではない。売上高273億円のうち、モバイルデータソリューション事業=モバイルデータトランスファー機器および関連事業が、半分の136億を稼ぎ出している。
山口社長は、最近1~2年間でイスラエル企業3社を追加買収している。
1、モバイル決済企業のセロマットイスラエル、
2、バーチャルリアリティー技術のインフィニティー・オーギュメント・リアリティー、
3、機械間自動通信技術のバックソフト
など。

<日本式経営を打破>
最先端技術を持つ企業を選んで買収し、不動産など財テク投資には目も向けていない。
山口社長は、親会社のサン電子でもイスラエルの創意文化を取り入れようと心血を注いでいる。
山口社長は、日本特有の上下関係を打破するため、「大胆な会議」という名前の独特な会議を開く。
中堅幹部が出席し、それぞれ文書で意見を提出する。独創的な意見を出した出席者にのみ発言権を与える会議だという。
上司や周囲の意見に適当に合わせるのが美徳とされる日本式のなぁなぁなぁの企業文化を打破する狙いがある。

今回、セレブライトの実力が世界中に報道されたことにより、世界中の警察・公安や軍から注文が多くなることが予想される。

 
サン電子 2015年3月期の事業別業績
 
売上高
営業利益
事業分野
/百万円
前期比
/百万円
前期比・実績
遊技台部品
9264
-1.3%
1293
4.8%
ホールシステム
3127
-20.3%
-758
▲28百万円
モバイルデータソリューション
13626
43.7%
2815
48.0%
その他
1329
-12.5%
-122
▲40百万円
合計
27,347
12.5%
2,284
4.1%
・モバイルデータソリューションは、世界中の警察・軍などへセキュリティ機器販売
 

[ 2016年4月11日 ]
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