アイコン 熊本大地震は異例とは言えないと神戸大の地震学者/西日本新聞

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地震の歴史に詳しい神戸大の石橋克彦名誉教授(地震学)は、一連の地震現象を「続けて激しい揺れに見舞われることも、広域で連鎖することも過去にあった」と解説する。
東日本大震災前に地震と原発事故が複合する「原発震災」への懸念など、学界で先駆的な指摘を続ける石橋氏に熊本地震の教訓を聞いた。

  4月14日から15日までの地震群を、16日の本震前に「前震」と判断するのは不可能だったろう。一般的にマグニチュード(M)6.5だと、その後の最大 余震はM5・5程度より小さいケースが多い。ただ、今回は15日のM6.4などそれを超える地震があり、不気味に感じていた。

 「前震-本震」型の例は多くある。
例えば1896年8月31日、秋田・岩手県境付近で発生した陸羽地震(M7.2、死者約200人)。23日からM5.5を含む前震が続き、本震の30分ほど前にM6.4の前震が発生した。連続した激しい揺れは起きうる。
 前震か本震かの事前判定は非常に難しいが、命を守るためには科学を超えた防災上の重要課題となる。「前震-本震」型もあり得るとの前提で、今後の防災に取り組むべき。

地震が広域で飛び火した事例も過去に見られる。

代表的なのが、1925年5月に兵庫県北部を襲った北但馬地震(M6.8、死者400人以上)だ。2年後の1927年3月、20キロほど東で北丹後地震(M7.3、死者3千人弱)が生じた。
 誘発・続発地震の間隔は、短期から10年単位まで幅があることに注意が必要。大きな余震が10年以上後に起こることもある。
2013年4月に淡路島中部でM6.3の地震があり、住宅109棟が全半壊した。1995年の阪神大震災の余震だった。
 今回の熊本・大分両県はもちろん、2005年の福岡沖地震から11年が過ぎた福岡地方でも大地震への備えを怠らない方がいいとしている。

南海トラフとの関係注視
 熊本地震は、マグニチュード(M)8~9級の南海トラフ地震につながっていく内陸地震の一つではないか-。石橋氏はこんな大局的な仮説を立てる。重要なのが、地球表層を覆うプレート(岩板)の動きだからだ。

 南海トラフ地震は、100~200年周期で発生。ユーラシアプレートの東にあり、中部地方-九州を覆うとみられる小規模岩板「アムールプレート」の下に、フィリピン海プレートが沈み込む境界で起きる海溝型地震。
石橋氏は、アムールプレートが年間1~2センチずつ東に向かうことで境界付近に力を加えていることも南海トラフ地震発生の要因、との説を唱えてきた。

 歴史を振り返ると、南海トラフ地震発生の50年くらい前から、日本海東縁-西日本内陸で複数の大規模地震が発生。
石橋氏は、
1995年の阪神大震災
2000年の鳥取県西部
04年の新潟県中越
05年の福岡沖
07年の能登半島
07年の新潟県中越沖
の各地震は、南海トラフ地震につながる内陸地震ではないかと考えている。
各地震は、アムールプレートの東進が北米プレートとフィリピン海プレートにブロックされて生じる、「東西圧縮」の力で発生したとみられる。
 熊本地震も東西圧縮による「右横ずれ型」。別府島原地溝帯(中央構造線上)と呼ばれる九州中部の陥没帯の縁で起きたために複雑にみえるが、石橋氏は「大局的には福岡沖地震などと同類。熊本地震が南海トラフ地震を誘発するわけではないが、巨大地震の前に発生する地震の一つだと思う。ほかの地域でも大地震が起きやすくなっている」と指摘している。
以上、

地震学者はいろいろな見解を有している。経済政策に迎合する東大教授らを中心とする地震学者が学会で圧倒的な力も持ち、地方の地震研究者の研究成果も無視・なおざりにされる。
それでも日本は揺れ続けている。人の一生80年としても、すでに100年前の地震の教訓も経済優先の前に生かされなかったのが東日本大震災でもある。
地殻変動は短期が百年単位、中期が千年単位、長期が万年単位と、人が判断するにはあまりにも長が過ぎる。今回の熊本大地震では、過去からある断層帯が新たにいくつも見つかっているほど、地下数十キロの内部の構造はまだまだ分からぬ未知の世界だ。
こうした自然の脅威を前提に生活すべきだろうが、過去の事例は生かされず、また無視して開発が行われ、被害は拡大する。
以上、私見
今回の西日本新聞の記事は全国共通の内容であり、ここに引用掲載した。

今回の熊本大地震(深度約10キロ)は、最近熊本地方で大きな地震が少なかったことからか、大昔に形成された同じ深度の地下10数キロの断層帯に大きな影響を与え、2ヶ月を過ぎた今でも半径100キロ圏内の断層での余震が続いている。

[ 2016年6月20日 ]
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