アイコン 中国覇権 インドネシア大統領が問題のナトゥナ諸島を急遽訪問 海洋権益守護表明

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中国に乗っ取らそうになっているボルネオ島インドネシア領のナトゥナ諸島。
インドネシアのジョコウ大統領は23日、南シナ海のナトゥナ諸島を急遽訪問した。
今回の訪問は、中国外務省がナトゥナ諸島周辺海域について、「両国の海洋権益が重なる」と一方的に主張してから4日後のこと。
2014年10月に就任したジョコウ大統領が、南シナ海南端のナトゥナ諸島を訪れるのは初めてで、南シナ海での領有権紛争で、ASEAN内では中国寄りだったインドネシアが紛争の前面に出てきたと受け止められている。

インドネシアは人口2億5000万人を抱える大国で、東南アジアの「盟主」の役割を担う国で、中国がこれまで領有権紛争を繰り広げてきたフィリピン、ベトナムとは異なり、手ごわい相手になる見通しだ。

AP 通信と現地メディアによると、ジョコウ大統領は同日、ナトゥナ諸島のインドネシア海軍基地で艦船に乗り、周辺海域を視察し、安全保障・外交関係閣僚と艦上 で会議を開いた。乗船した船は17日に中国漁船に発砲し、乗組員を拿捕した艦船だった。(中国漁船12隻がインドネシアFEZ内に侵入して操業、11隻は 網を早期に引き上げ遁走、1隻だけが網の回収が遅れ拿捕された)

今回の訪問について、ルフット・パンジャイタン政治・法務・治安担当調整相は「(イ ンドネシアの主権を守る意思について)明確なメッセージを伝えたものだ。歴史的にインドネシアは(中国に)これほど強硬だったことがない」とした上で、 「大統領が南シナ海問題を軽視しないことを示すものだ」と説明した。

プラモノ・アヌン内閣秘書も「政府のトップであり、国家元首として、大統領はナトゥナ諸島がいつまでもインドネシアの一部であることを明確にした」と指摘した。

ナ トゥナ諸島海域には、インドネシアが排他的経済水域(EEZ)を設定している。中国はナトゥナ諸島海域の相当部分が、大昔にかってに書かれた地図に基づき 一方的に主張する「南シナ海の九段線」と重なるとの立場だが、表面的には「中国の伝統的な漁場」という表現を使ってきた。インドネシアとの直接的な領有権 争いを避けてきた。中国外務省もインドネシアとの領土問題はないとこれまで発言してきていた。

19日の中国政府の発表は、ナトゥナ諸島海域をめぐ る両国の神経戦の発端となった。中国外務省の華春瑩副報道局長は、中国漁船が17日にナトゥナ諸島海域で拿捕された過程で、インドネシア海軍が発砲に及ん だことをついて、同海域は「中国漁民の伝統的な漁場であるほか、中国とインドネシアの海洋権益が重なる場所だ」と述べ、八方による負傷者も出たと記者発表 したものの、インドネシア側は誰も負傷したものはいないと全面的に否定していた。
華副報道局長はまた、「インドネシアの艦船が武力を乱用し、中国漁船を襲撃し、発砲したことは国連海洋法条約を含む国際法に大きく違反したものだ」と主張した。

この発言にインドネシア政府は猛反発。

レトノ・マルスディ外相は22日、「インドネシアの領海のどこも中国と領有権は重なっていない」と反論した上で、「ナトゥナ諸島周辺のインドネシアのEEZは、国連海洋法条約によって国際的に認められている。今回の問題は法執行の問題であって、政治問題ではない」と主張した。
違法操業漁船の取り締まりを正常な法執行と位置づけた上で、領有権紛争の対象とはなり得ないと主張した。
ユスフ・カラ副大統領も「今後ナトゥナ海域で強硬に排他的権利を主張していく」と発言した。

インドネシアは人口が世界4位(2億5000万人)、経済力が16位、軍事力が12位で東南アジアの最強国。
ナトゥナ諸島周辺での中国漁船の違法操業にも武力を行使し、遠慮なく中国に圧力をかけてきた。拿捕した中国漁船を爆破処分もすでに何回も行ってきている。
今年5月にインドネシアの駆逐艦が中国の底引き網漁船に発砲したのをはじめ、年初来2回にわたり、中国漁船に銃撃を加えた。また、ナトゥナ諸島にF16戦闘機5機の配備も進めている。

インドネシア軍部は韓国とも近く、韓国の戦闘訓練機を戦闘機に改造して利用しているほか、次世代戦闘機K-FX戦闘機も出資し韓国で共同開発に当たっている。
ジョコウ政権は、闘争民主党出身であり、党首は元大統領のメガワティ女史、彼女は親譲りの中国寄りで有名。ただ、ジョコウは貧民からジャカルタ特別州知事まで上り詰めてきた人物、メガワティにだんだん左右されなくなってきている。昨年のインドネシア新幹線は、メガワティに引っ張り上げられた公共事業担当相(女史)が中国へ動き、中国勝利の逆転劇となった。メガワティにしても娘を閣僚にしており、当然将来大統領にしようと企んでいることから、国民から圧倒的な人気を受けているジョコウ大統領に逆らってまで中国にのめり込む事はない。

今年3月には、同じボルネオ島のマレーシア領土域の北側諸島海域でも同じような問題が生じている。マレーシアの場合は、多いときは100隻の中国漁船が違法操業、その場所が天然ガス地帯(南北ルコシア諸島海域)でもあり、首相がいくら中国寄りでも、漁民の反発や国益とも絡み、中国に対し態度を硬化させ始めている。
3月の事件では、中国漁船を取り締まるマレーシアの沿岸警備艇が、突然猛スピードで大型の中国海警艇が突進してきたことから、自国FEZ内から自国領海内へ逃げる帰る騒ぎがあっている。
今のマレーシア首相は、現在西側からは四面楚歌状態にされており、ルコシア諸島や石油権益を中国に全部譲渡する可能性すらあるほど、腹がドス黒い首相でもある。
中国の論理でいえば、ベトナムも中国領となり、いつ中国へ進軍させるかもわからない。
その一環ではまったくないが、ベトナム戦争後、ベトナム戦争では仲間だったはずの中国が、ベトナムへ進軍し、ハノイ近くまで達したことがある。その時、ラオスに進駐していたベトナム正規軍が急遽帰国し、中国軍を追い散らし、中国軍は逃げ帰り両国の紛争は終結した。それほどベトナム戦争を戦いぬいたベトナム軍は、当時強かった。この問題を機に両国は共産国どうしながら、犬猿の状態が続いている。
 

[ 2016年6月24日 ]
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