アイコン 東証上場企業・第一四半期決算を見る  なぜ景気は回復せぬ

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0806_02.jpg国内消費と円高はまったく関係がないようにも見えるが、現状では一番関係している。消費はGDP(国内総生産)の6割に達し、その拡大は即GDPを押し上げ、物価も上がる。

GDP に影響を与えるのは家計・企業・政府・外国の順。日本は消費が弱いことから、物価が上がらず、購買力平価指数(代表指数にビッグマック指数がある)で見る 限り、16年1月対ドル円が118.65円段階でビッグマックは、米国では585円(4.93ドル)、日本では▲36.74%安い370円で買える。その 差が購買力平価指数であり、基軸通貨のドル価格に引き寄せられることになる。 

そのため円高に推移しているものだが、101円になった現在でも米国ではまだ493円で購入していることになる。まだまだ、円高にシフトする要因を抱えていることになる。ビッグマック指数の動向は為替変動の大きな目安にはなる。

震 災復興対策もあり大型公共投資を続け、超低金利下、大金融緩和で資金を市場にタレ流し不動産バブルを演じようと目論見、超円安にして不動産業界は踊ってい るものの、個人はその踊りにすでに疲れ、高くなった分譲マンションは売れなくなっている。東京五輪を控え、少子化に一極集中する東京にあり、不動産業界ば かりが再開発に余念がない。

なぜ、経済が回復しなかったのか。それはGDPに一番大きな影響を与える消費が増加しなかったことによる。超円安で輸出企業は膨大な利益を上げ、内需企業は超円安にかこつけて値上げして利益を謳歌したものの、消費不況が原因で今年になり円高トレンドに変化、企業業績は内外需とも悪化している。大型公共投資も内需である建設関連業界を潤わせた。

しかし、この間、大型公共投資・円安によるあぶく銭の利益の幾分かでも従業員に還元していれば、こうした事態は免れた。いくら外需が弱くても、変わって内需が牽引したものと見られる。リーマンショック前の非正規雇用化させ、労働コストを大幅に落とし、大きな利益を上げたものの内部留保に務めた上場企業を再現させただけである。・・・デフレ。
 
東証に上場する企業の2016年4~6月期決算は、5日までに約3分の2が発表を終えた。
円高で業績が伸び悩み、1部上場企業の経常利益と純利益は、いずれも合計が前年同期を約20%下回った。2ケタの減益幅は東日本大震災直後の11年4~6月期以来5年ぶり。
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が4日までに発表した東証1部の3月期決算企業762社(対象の58.7%、金融など除く)を集計。
売上高は、▲6.4%減の77兆8273億円、
営業利益は▲9.2%減の6兆1718億円、
純利益は▲23.5%減の4兆1803億円だった。

(既報)SMBC日興証券が7月29日までに決算を発表した東証1部上場企業(金融を除く)526社を集計したところ、税引後利益(純利益)は前年同期比▲31.8%減と大幅な減益となった。
企業業績の悪化は、個人消費を一段と冷え込ませる恐れがある。
円相場が年初に比べ、20円近く円高・ドル安に振れたことを受け、自動車や電機など輸出企業の海外事業の利益が、円換算で目減りした。
また、長引く個人消費の低迷で、小売業など内需関連の減益も目立つ。
業種別では(利益)、
円高と中国・東南アジア経済低迷の機械が▲61.9%減、
国内で売れず、円高直撃の自動車などの「輸送用機器」が▲51.5%減、
電気機器が▲45.0%減などとなっている。
以上、

円安で浮かれた虚像の企業利益は円高により剥がされた。
ある程度長期に保有する年金のGPIFや日銀のETF運用スタイル、眼下、ますます目減りしていることだろう。
運用が巨額なだけに売却すれば日経平均がさらに下がる。そこに米ハゲタカとヘッジファンドがボロ儲かりの構造を政権自身が作り出している。株価にウィンウィンの関係など成立しない。誰かが儲け誰かが損をする。株価下落と円高のトレンドが続く限り、これからも損をするのはGPIFなどの年金や日銀と相場は決まっている。

アベノミクスで株価は上がり続けると勘違いした政権主導による4年金(<厚生年金と国民年金=GPIF運用>・<KKR> <地方公務員共済>・<日本私立学校振興・共済事業団>)資金による巨額株資金投入は、消費者対策を採らずいくら笛吹けど踊らぬままの国民消費に加え、中国・東南アジア経済低迷という対外的な悪環境から、今や、何をやっても円高にシフトし、政権の経済対策は株価にとってマンネリの練りゴマ状態に陥っているといえる。低所得者というより窮困者に金をばら撒いても経済対策には一切ならない。人道支援の領域だ。

 

[ 2016年8月 6日 ]
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