アイコン 家賃値崩れの危険性 投資マネーによる賃貸マンション建設ラッシュ/東京都

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日銀の黒田殿はマイナス金利の拡大余地はまだまだありとしているが、すでに投資マネーが不動産に流れ込み過ぎ、需給バランスが崩れ、東京都では8月の家賃が前年同月比で下落している。
低金利の中で空前の金融緩和策、相続税対策、日銀のマイナス金利導入により、不動産に向かう投資マネーがさらに勢いづいている。

賃貸アパート・賃貸マンションの建設ラッシュで、資産バブルにつながりかねないとの指摘が出てきており、金融庁でも調査に乗り出している。

需給が悪化して家賃の下落が広がれば、物価全体を押し下げる恐れがある。経済の活性化で物価押し上げを狙う黒田日銀丸の大金融緩和にとって、もろ刃の剣という側面もある。

金融庁としても、融資先が限られる金融機関の現実にあり、不動産関係融資の拡大により、その融資がサブプラムムローン化し、痛手を被る危険性を危惧する段階まで来ていると見ているようだ。
総務省が8月26日公表した消費者物価指数(CPI)によると、8月の東京都区部の家賃は前年同月比▲0.4%下落、民間家賃に限っては▲0.5%下落している。

す でに既存の賃貸マンションやアパートでは、場所によっては敷金0や更新料0まで出現しているとされ、当然、新規賃貸物件の家賃は連れて下落ちし、投資家が 家賃収入でローンが返せなくなる危険性もはらみ、サブプラムムローン化する恐れが出てきている。家賃保証の期間も以前よりはるかに短くなっており、保証期 間の更新・見直し時には投資家は元利返済に自腹を切ることになる可能性が高くなる。払えなくなった場合は、対象物件の売却清算となり、さらに家賃が下落す る。

政府は、賃貸マンションを暗に奨励し、流動化させるべく、民泊導入を図ろうとしているが、うまく機能していないのが現実で、この間、東京都では、遊休資産所有会社とタイアップしてホテル会社が大量に宿泊施設の開発に当たっている。また、東京都心の宿泊料金は高騰し続けており、訪日客は宿泊料の安い地方へ分散化の傾向を示してもいる。

<東京都の8月の消費者物価指数>
(1) 総合指数は2015年(平成27年)を100として99.6、
前月比は0.1%の上昇、前年同月比は0.5%の下落
(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.7
前月比は0.1%の上昇、前年同月比は0.4%の下落
(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は100.4
前月比は0.3%の上昇、前年同月比は0.1%の上昇

下落
光熱・水道電気代 ▲10.6%(▲0.30)
交通・通信自動車等関係費 ▲1.9%(▲0.08) ・・・・・ガソリン ▲13.5%(▲0.09) など
住居家賃 ▲0.4%(▲0.09) ・・・・・民営家賃 ▲0.5%(▲0.02) など

上昇
被服及び履物衣料 2.2%(0.04) ・・・・・ワンピース(春夏物)17.6%(0.01) など
教養娯楽教養娯楽サービス 1.3%(0.09) ・・・・・外国パック旅行費 6.9%(0.06) など
()内は寄与度。

東京都の賃貸物件戸数は、2014年4月の消費税増税で一たん落ち、昨年下半期から上昇、今年2月のマイナス金利導入により加速させている。

<東京都の四半期ごとの賃貸物件戸数の推移>
0830_02.jpg

 

東京都の賃貸アパート・賃貸マンションの着工推移/国交省
 
2014年
2015年
2016年
 
 
対前年
 
対前年
 
対前年
戸数
同月比
戸数
同月比
戸数
同月比
1
6,591
66.3
4,629
-29.8
4,635
0.1
2
4,785
30.5
4,436
-7.3
5,589
26.0
3
4,935
10.9
5,630
14.1
5,509
-2.1
1~3月
16,311
35.0%
14,695
-9.9%
15,733
7.1%
4
5,081
8.9
5,145
1.3
6,177
20.1
5
5,402
3.1
4,551
-15.8
6,283
38.1
6
4,758
5.1
5,689
19.6
6,811
19.7
4~6月
15,241
5.6%
15,385
0.9%
19,271
25.3%
1~6月
31,552
19.0%
30,080
-4.7%
35,004
16.4%
7
4,957
3.2
5,699
15
 
 
8
4,916
-2
6,079
23.7
 
 
9
4,813
-2.6
5,685
18.1
 
 
7~9月
14,686
-0.5%
17,463
18.9%
0
 
10
5,763
5.1
6,047
4.9
 
 
11
4,446
-14
4,802
8
 
 
12
5,090
-15.7
6,108
20
 
 
10~12月
15,299
-8.3%
16,957
10.8%
0
 
7~12月
29,985
-4.7%
34,420
14.8%
 
 
合計
61,537
6.2%
64,500
4.8%
35,004
16.4%

 

[ 2016年8月30日 ]
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