アイコン 大腸がん再発の新抑制物質創出/国立がん研究センター カルナバイオサイエンス

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国立研究開発法人国立がん研究センター、国立研究開発法人理化学研究所、カルナバイオサイエンス株式会社の研究グループは29日、
・大腸がんの90%以上でおこる遺伝子異常を標的とした新規化合物を産学の共同研究で創出した。
・この化合物は、大腸がんの根元の細胞(がん幹細胞)の働きを抑制し、腫瘍を作れなくすることが分かった。
と発表した。

<研究背景>
日 本では年間約5万人が大腸がんで死亡し、その治療は大きな問題になっている。転移のない大腸がんの多くは外科切除のみで治癒するが、遠隔転移や術後再発を 来たした治療は、未だに困難。近年、多剤併用の化学療法や分子標的治療の進歩により進行例であっても2年を超える生存が可能になってきたが、治療を続ける としだいに化学療法に抵抗性となり、遠隔転移のあった大腸がん患者さんの5年生存率は約15%にとどまっている。
がんの治療抵抗性の原因に、「が ん幹細胞」の関与が考えられている。がん幹細胞はポンプのようなタンパク質により薬剤を細胞の外に排出し、活性酸素除去機構を持ち、冬眠したような状態で 長期間潜み続けるため、従来の抗がん剤では根絶することができなかった。いわば、がんの「根元」のような細胞。

<研究成果>
研究グループは、大腸がんの発生に必須なシグナル伝達経路を阻害することができる新規化合物を創出した。大腸がんの90%以上の方で、このシグナル伝達経路に遺伝子異常がおこることは以前より分かっていたが、治療薬として実用化されたものはなかった。

従来の抗がん剤は腫瘍を縮小することができたが、薬剤が効かない「がん幹細胞(がんの根元の細胞)」が残ってしまい、がんが再発する原因になっていた。
この新規化合物は、がん幹細胞が腫瘍を再度作る働きを抑えることが動物実験で明らかになった。
国立がん研究センターでは、現在、大腸がんに対する新規治療薬として実用化を目指している。
本研究成果は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)などの支援を受け行ったもので、研究成果は、国際学術誌「Nature Communications」に発表された(8月26日付けオンライン掲載)。

なお、カルナバイオサイエンスの29日の株価は、始めから300円のストップ高で1685円となっている。

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[ 2016年8月30日 ]

 

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