悲運の趙亮鎬韓進G会長 平昌五輪再建と破綻の韓進海運の狭間
2011年7月、IOC総会で平昌五輪が決定した。
2014年7月21日、元江原道知事の金振ソン大会組織委員長は、運営資金の寄付が集まらず、政府支援もなく、これ以上組織運営できないとして突然辞任した。
その後任として、韓進グループの趙亮鎬会長が就任した。
金前委員長時は、予算不足で、工事も支払い遅延続き、工事計画地の一部では自然保護派による反対運動により暗礁に乗り上げ、工事は大幅に遅れ、IOCも遅延憂慮を表明するほどだった。
趙亮鎬委員長になると、抜本的に組織再編、資金も寄付を自らのグループや財界から出させ、国にも大幅に譲歩させ、IOCさえも押さえ資金を集めた(トヨタがIOC長期スポンサーだが、現代自が平昌ではスポンサー契約)。
しかし、趙亮鎬会長が就任し、尻に火がついた状態を改善すべくワンマンらしい指導力を見せ付け、政府も巻き込み、資金を集め、建設業者を大量投入し、一機に予定に近い工事進捗に至らしめた。
この間、2014年12月5日、韓進グループの大韓航空の実娘の副社長が、米ケネディ空港でナッツリターン事件を起こし、大批判を浴び、収監され、「娘の教育が悪かった」と父親の趙亮鎬会長は自己批判した。
2016年5月3日には、グループ中核会社の一つである韓進海運が再度経営危機に陥り、趙亮鎬委員長は平昌五輪組織委員長を辞任した。
後任には官僚OBの元大臣の李熙範氏が就任している。
(李熙範氏に官僚OBらしくリーダーシップはなく、2016年8月30日には開閉会式の演出を担当するはずだった演出家の鄭求昊氏が、すでに開閉会式の内容提案を政府に行い8割方自案が認められたものの、オリンピック組織委員会と開閉会式の総監督との対立からか、契約締結を先延ばしされ続け、無給のままだとして辞任した問題を早速抱えている。)
趙亮鎬会長は、平昌五輪の工事の遅れを1年間の就任の間に、ほぼ取り戻した。しかし、マスコミからは長女の失態もあり、まったく評価されなかった。
政府も内政ではセウォル号事件、外交では反日・中国傾倒により、平昌五輪どころではなかった。
<韓進海運破綻>
趙亮鎬会長は、ナッツリターン事件で批判され、今回の韓進海運の法定管理申請では、政府から韓進グループの支援が足りなかったからだと批判されている。
しかし、趙亮鎬会長が述べているとおり、これ以上、韓進海運を支援すれば、韓進グループ全体が危機に陥るとして、支援を打ち切った。韓進海運はグループでもそれほど大きな海運会社になっていた。
(政府が大韓航空を売却してでも韓進海運を支援せよとするならば別だが・・)
<韓進海運と韓進グループ>
韓進海運は2013年から財務構造の改善に向け、専用船部門の売却や有償増資などを通じて約2兆5000億ウォンの資金を調達した。その大部分を韓進グループが引き受けてきた。
(リーマンショック後の2009年にも経営危機に陥り、債権団の求めに応じバルク船40隻を売却。そのため、同社のバルク船はほとんど、コスト高になる傭船となっている)
それでも、金融機関の債権団は韓進海運に、さらに自主調達せよと迫り続け、支援を凍結させてしまった。
しかし、海運業界は世界の物流量が減少する中で、過剰船舶により輸送費の低下が続き、改善するどころか、さらに経営は悪化していった。
韓進海運は、自社船舶は金融機関が担保にとり、傭船は船主と長期契約を提携しているところから解約時は違約金が巨額となり、少々傭船料を下げたところで経営は改善されず、海運市況の落ち込みに赤字運航を続けるしかなかった。
傭船料の滞納、燃料費の滞納、入港料の滞納などが積み上がり、支援がなければ、法定管理申請するしか道はのこされていなかった。
韓進海運の前期(昨年末)の負債額は6兆6402億ウォン(約6200億円)、うち借入金は5兆6000億ウォンに達している。
<見捨てられた趙亮鎬会長>
趙亮鎬会長は、遅れていた平昌五輪では、その実力を見せ付け、韓国という国の信用を取り戻したが、ナッツリターン事件でケチ付き、韓進海運では金融団からも政府からも見離された。
<韓進海運とグループの生い立ち>
韓進海運は、趙亮鎬会長の親父の趙重勲が終戦直後、駐留した米軍の陸上輸送を担当したことに始まり、朝鮮戦争では米軍物資の海上輸送を担当して大儲け、ベトナム戦争でも韓国軍や米軍の軍需物資の海上輸送を引き受け大儲けして大会社に育て上げた。1969年大韓航空の民営化に伴い、大韓航空を趙重勲が引き受け、韓進グループは韓国の陸海空を制することになった。趙亮鎬会長時代になり、さらに発展させてきた。しかし・・・・
<日本との関係>
2011年6月16日、大韓航空は、趙亮鎬会長が各省庁の長官(大臣)たちを乗せ、あえて竹島上空でA380のテスト飛行を行った。
これに反発した日本政府は、職員に対し大韓航空の1ヶ間の大韓航空の利用自粛を指示した。
(2012年8月10日、議員の実兄まで巨額ワイロで逮捕され、四面楚歌状態の李明博が韓国大統領として初めて竹島に上陸し、反日の嵐を今日まで吹かせ続けている)
<余談:韓国のマスコミ>
「法の上の朝鮮日報」として君臨する韓国マスコミ最大手、新聞や傘下のTV朝鮮などを使い韓国民を洗脳し、先導し、扇動して、政府高官さえも追い落とすほど思うがままに政権を操る。先般、破綻寸前の大宇造船から超豪華欧州旅行をプレゼントされていたことがバラされ、辞任した主筆(編集局長=役員)は、政府高官を朝鮮日報のオフィスに呼び付けるほど、その権力を欲しいままにしていた(韓国・中央日報掲載内容)。
韓国でも極悪人の「李承晩」を再評価しようと、この間何回も記事掲載してきたのも朝鮮日報だ。当然、反日の急先鋒部隊である挺対協とも通じている。
政治がいつもマスコミに翻弄され、政治ができないのが韓国だ。チンケな問題をサラシ、あらゆる脈を使い政権を揺さぶり続け、構造改革など、韓国政府は棚の上に置くしかないのが実情だ。
韓進グループの主な企業
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現在の韓進グループは、大きく分けて航空部門、海運部門、陸運部門、観光・ホテル・不動産部門、IT・情報部門、非営利部門の6つの部門から構成されている。このうち、大韓航空など以下の4つの企業は韓国取引所(KRX)に上場しており、グループの中核企業となっている。
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4大部門(上場企業)
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大韓航空 Korean Air Lines Co.,LTD (KRX : 003490) - 航空部門
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韓進海運 Hanjin Shipping Co.,LTD (KRX : 000700) - 海運部門
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韓進交通 Hanjin Transportation Co.,LTD (KRX : 005430) - 陸運部門
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韓国空港 Korea Airport Service Co.,LTD (KRX : 005430) - 航空部門
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その他のグループ企業・団体
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航空部門
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ジンエアー Jin Air Co.,Ltd(LCC)
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海運部門
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韓進SM Hanjin SM
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陸運部門
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韓進ドリーム・エクスプレス Hanjin Dream Express
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観光・ホテル・不動産部門
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韓進観光サービス Hanjin Travel Service Co.,Ltd
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KALホテルネットワーク(旧大韓航空ホテル) KAL Hotel Network Co.,Ltd
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航空総合サービス Air Total Service Co.,Ltd
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ジュンソク・エンタープライズ JungSeok Enterprise Co.,Ltd
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ホメオ・セラフィー Homeo Theraphy
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情報・IT部門
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韓進情報システム&テレコミュニケーション Hanjin Information Systems & Telecomunication Co.,Ltd
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サイバー・ロジテック Cyber Logitec Co.,Ltd
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サイバー・スカイ CyberSky Co.,Ltd
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トラクソン・コリア TRAXON Korea - 旧グローバル・ロジスティクス・システム・コリア社 (Global Logistics System Korea Co.,Ltd)。
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トパス TOPAS
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ユニコンバース Uniconverse Co.,Ltd
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