アイコン ハンミ薬品株暴落 期待のがん新薬の臨床で皮膚腐れ死亡の副作用 オルムティニブ

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韓国のジェネリック薬品大手、ハンミサイエンス傘下でグループの中核会社のハンミ薬品(韓美薬品)が、初の自社開発の新薬となる耐性標的抗癌新薬で肺がん治療薬HM61713(合成化学物質)という品名:オルムティニブ、Olmutinibの医薬品。

ハンミ薬品によると、オルムティニブは、一部の治療薬が効かない非小細胞肺がんの患者にも効果のある治療薬で、昨年、独製薬大手と臨床および新薬開発に当たり大型契約を締結し、2017年の承認を目指して臨床試験を進めており、世界的な販売につなげるとしていた。しかし、・・・・
9月30日、ハンミ薬品の株価は▲18%の大暴落となった。

<発表時系列>
1、米企業と新規契約・「HM95573」
ハンミ薬品は29日、臨床第1相中の標的型新抗ガン剤候補物質「HM95573」をジェネンテック(ロシュ子会社)に技術移転する内容のライセンス契約を同日締結したと発表した。
契約に基づき、ハンミ薬品は韓国で、ジェネンテックは韓国を除いた全世界で「HM95573」の開発と商業化の独占的権利を保有することにした。
今回の契約の契約金としてハンミ薬品は、ジェネンテックから8000万ドル(約80億円)を受け、今後グローバル臨床開発と許可・商業化などに成功する場合、マイルストーン(段階別技術輸出料)として8億3000万ドルを受ける。契約規模は計1兆ウォン。商業化に成功した場合、販売に基づき2ケタのロイヤリティも受け取る。

2、独企業と契約解除・「HM61713」
ハンミ薬品は30日、「オルムティニブ(HM61713)のグローバル臨床を進めていたベーリンガーインゲルハイムが、前日(29日)に、オルムティニブのグローバル(韓国・中国除く)臨床試験・商用化権利を我々に返還し、開発を放棄すると通知してきた」と明らかにした。
契約金とマイルストーン(段階別技術輸出料)として受けることになっていた7億3000万ドルのうち契約金6500万ドルだけが残り、マイルストーンは取り消しになった。

3、韓国当局が重篤副作用発表・「HM61713」
韓国の食品医薬品安全処は30日、ハンミ薬品の肺がん治療新薬「HM61713」(成分名:オルムティニブ、Olmutinib)の臨床過程で、重篤副作用のため患者2人が死亡し、1人が回復したと発表した。
薬を服用した731人のうち3人(0.4%)に皮膚が腐る異常反応が発生し、うち65歳の男性患者と57歳の女性患者が死亡した。
食品医薬品安全処は今年5月、オルムティニブについて、国産27号新薬として代替薬がないことを勘案して臨床第2相試験資料だけで条件付き市販許可を出していた。

<株価の動きと問題>株価に悪い情報の発表遅れ
29日夕、米ジェネンテックとの約1兆ウォンの新規契約を発表、「1兆ウォン、ハンミ薬品また大当たり、米に抗ガン新薬を輸出」(MK NEWS)と報じられ、ハンミ薬品の30日の株価は5%以上上昇の気配値で始まった(「また」とは、独ベーリンガーインゲルハイムに続きという意味/始値約定値の上昇率は前日比2.6%高)。
しかし、それ以上上がらず、その25分後には、独ベーリンガーインゲルハイムが権利を返還したと報じられ、一転、大暴落となり、9時40分には513,000ウォン(前日比▲17.3%)となった。

問題となっているのは、ハンミ薬品が、独ベーリンガーインゲルハイムから29日に契約解除通知を受けていたにもかかわらず、30日市場が開場してから、しかも29日夕に米ジェネンテックとの新規契約を発表してからなされたことにあった。
30日市場が開くまで長時間あった。こうした公示の遅延で一部の投資家に大損害が生じた。

この日、ハンミ薬品の株価は、前日比▲18.06%下げ、50万8000ウォンで取引を終えた。
そのうえ、韓国当局がハンミ薬品と独ベーリンガーインゲルハイムが契約し、今回契約解除した臨床薬剤「オルムティニブ」の臨床で、重篤副作用が発生し、2人が亡くなったと発表した。

30日のハンミ薬品の株価の動き
29日終値(前日)
620,000
30日始値
636,000
  09時40分
513,000
  15時30分終値
508,000
・単位:ウォン、前日比▲18.06%下落

 

[ 2016年10月 3日 ]
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