アイコン 鳩山二郎氏圧勝 蔵内氏、麻生太郎+古賀誠雁首揃え13%しか獲れず 福岡6区補選

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福岡県自民党が保守の弔い合戦を否定して対抗馬を立てた今回の鳩山邦夫衆議院議員の急逝に伴う福岡6区衆議院選挙。
鳩山二郎氏の圧勝は、田村元厚生相、小池百合子都知事ら父(故)邦夫氏が主宰した派閥横断型の政策研究会「きさらぎ会」のメンバーが、二郎氏の弔い合戦を全面支援したことによるところが大きい。
ただ、選挙は自民党が投票するわけではなく、選挙民が投票する。福岡6区=筑後地方は人に優しく・人情に厚く・バカ正直な人が多い保守地盤。
弔い合戦に保守が割れても、そうした地域の人たちがどう投票するか、6区に隣接する八女市出身ならばわかるはずであるが・・・。

<ゴムの町久留米市の壁は厚い>
それも久留米市を発祥地とするブリヂストンの一族(故邦夫氏の母が石橋家直系)でもある。投票数の62%を占めた大票田でもある久留米は、元々ゴム工場で発展した町。現在もブリヂストンは大規模な久留米工場を有し、選挙区に隣接して鳥栖工場(佐賀県)や甘木工場(福岡県)もある。選曲には多くの関係者や関係した人たちが居住している。また、ゴム繋がりで月星化成、アサヒコーポレーションも久留米が本拠地で大きな工場を構えている。
ブリヂストンは文化面でも石橋文化センター=石橋美術館(1956年開館/施設は市に寄贈・運営も久留米市に移行中)も久留米市に所在する。

こうした背景を知りながら、それも「弔い合戦」に抗して、自民党員の蔵内氏の出馬は無謀と思えた。父親が県議で自民党福岡県連会長であったとしても、選挙区は別で八女市であり、久留米から見れば格下の行政地でもある。

蔵内氏としては、古賀誠氏(元自民党幹事長)に依存した戦いだったといえるが、すでに古賀氏は隠居の身、それに古賀氏は6区ではなく、筑後地方でも南部の7区が地盤であった。また、麻生太郎閣下は、福岡県連の最高顧問で蔵内氏の選挙対策本部長も務めたが、地盤は筑豊であり、筑後の人にとって関係ない存在だった。
この巨頭2人が蔵内氏を支え、県連を纏め上げ、自民党県連が総力戦で蔵内氏を支援した結末が大敗だった。

ただ、麻生閣下と同じ筑豊の武田良太衆議(二階派、伯父は田中六助氏、前福岡県連会長)だけは応じなかった。
蔵内氏は、福岡県連では本部への公認申請を獲得したが、結局、党本部の公認が獲れなかった。これに抗議し、蔵内氏の父親で県議の蔵内勇夫氏は、福岡県連会長を辞任すると表明するに至った。

<安倍首相、麻生対二階の対立に首突っ込まず>
二階進幹事長は8月17日の時点で、すでに福岡6区補欠選挙について動き出し、創価学会の山本九州長とヒソヒソ会談を設けている。

安倍首相としても、二階氏と麻生氏の板挟みになるのは真っ平御免こうむりたいと静観の構えに終始し、二階氏と「きさらぎ会」が水面下で動き、麻生閣下が選対本部長を務める蔵内氏の選挙であっても蔵内氏に党公認を与えなかった。
自民党内で、こうしたすったもんだがあったことが、蔵内氏の大敗にもつながったといえる。もし自民党の公認が獲れていたら、創価学会も蔵内氏を支援せざるを得なく、負けるとしてもここまで大差で負けることはなかった。

10月10日(公示日11日)には、故邦夫氏と懇友であった小池百合子都知事が急遽、鳩山二郎氏の支援のため久留米市に現れ街頭演説、大勢の聴衆を魅了した。
一方、麻生閣下は、蔵内氏支援に元女性J-POPグループSPEEDの今井絵理子議員を16日に登場させたが、小池都知事とでは比較にならず、人寄せパンダにもならなかった。今井絵理子氏は新人といっても国会議員、新潟知事選では応援演説した候補者名を、投票日当日にツイートしたことが判明、「公職選挙法129条」違反の疑いも生じている。

<麻生太郎閣下の株・大きく下げる>
古賀誠氏に近い蔵内自民党県連会長・麻生太郎閣下・古賀誠元自民幹事長との3者間で何が取り交わされているのか知らぬが、元々麻生太郎閣下と古賀誠氏は犬猿の仲、古賀氏は引退しても隠然とした力を誇り、特に福岡市を取り巻く選挙では今日まで対立していた。
そのお二人が蔵内会長の長男の今回の選挙では、共に街宣車に登壇し、お二人が並び街頭演説を行うなど、夏に雪が降るような光景が見られた。
蔵内氏はかつての知事選では、自民党県議団内で知事選立候補が承認されたが、麻生氏らの水面下の反対もあり立候補を取りやめ、九電(七社会)が押す現小川知事に決定した経緯がある。
その蔵内氏は次の知事選をターゲットにしているともいわれるが、今回の長男の大敗に判断が鈍る可能性もある。

<二階氏に翻弄されている麻生閣下>
今回の大敗は、引退している古賀氏に与える影響は元々の地盤であったとしてもそれほどないだろうが、麻生太郎閣下の権勢は大きく損なわれた可能性がある。
それも、二階氏にしてやられたとしたら、力の衰えを見せてしまったことにもなる。また、1940年9月生まれの麻生氏にとって年齢から次の選挙もない。
フィクサーとして百戦錬磨の二階氏は、安倍首相の長期政権によいしょし、来春にも選挙を行う予定である。選挙があれば、長期にわたった現役での政治生命は絶たれるものとなる。
隠居しても、どれほどの院政を行使できるか、スーパー台風まで発達した二階氏を相手にしては、もう柏の森に籠るしかあるまい。ただ、麻生閣下には東京の渋谷・松涛にも大邸宅をお持ちで、まだ動き回るつもりかもしれないが・・・。
政治の世界も古賀誠氏もすで辞め、麻生氏も辞めることになると政治の世界は再び大きな世代交代の時期となる。

 

衆議院福岡県第6区 定数1 補欠選挙(2016年10月23日投開票)
 
 
無所属
民進党
無所属
 
 
 
はとやま二郎
新井ふみ子
くらうち謙
 
市町名
投票数
獲得票
獲得率
獲得票
獲得票
獲得率
久留米市
106,875
63,079
59.0%
27,533
14,675
13.7%
大川市
18,028
14,797
82.1%
1,655
1,416
7.9%
小郡市
23,099
13,611
58.9%
6,080
3,104
13.4%
うきは市
11,867
7,226
60.9%
2,702
1,834
15.5%
大刀洗町
5,781
3,864
66.8%
1,153
659
11.4%
大木町
5,513
3,954
71.7%
897
565
10.2%
合 計
171,163
106,531
62.2%
40,020
22,253
13.0%
得票率
 
62.2%
 
23.3%
13.0%
 
 
 
当選後自民公認
 
 
 

福岡選挙管理委員会の発表資料に基づく。

[ 2016年10月24日 ]
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