鉄鋼大手3社 第2四半期 大幅減益 石炭価格急上昇 中国が原因
鉄鋼大手3社の2016年9月中間連結決算は、鋼材市況の低迷や円高進行が響いたうえ、中国で不動産バブルが再び生じ、石炭価格が急上昇、JFEホールディングスの純損益が84億円の赤字(前年同期は299億円の黒字)に転落。新日鉄住金の純利益は、前年同期比▲90.8%減の110億円、神戸製鋼所も▲69.4%減の41億円と大幅な減益となった。
以上、
日本の鉄鋼大手は、世界市況が低迷する中、復興投資や大規模公共投資による国内需要旺盛から価格を下げずに儲けてきた経緯がある。
世界的に経済が停滞している状態で、石炭価格が急上昇している。これは経済回復を狙った中国政府による金利低下、規制緩和措置により再び不動産バブルが生じ、2015年基準で、北京や上海は3割以上値上がり、深センでは5割以上上昇していることにある。一攫千金を夢見た一般投資家の短期決算の転がし資金が大量に注ぎ込まれている。
中国政府の政策が素人剥き出しでムチャクチャなこと、概して守銭奴国民の投資先が、株式市場から株価低迷で離れ、金利低下や規制緩和により再び不動産に集中していることにある。
すでに規制強化措置を再び多くの主要都市が取ったものの、企業の倒産も多くなってきており、利回りの良い理財商品への投資からも、リスク面から不動産投資に向かっている。
公共投資も大規模に行われているが、経済規模がリーマンショック後の梃入れ策当時と比較にならないほど大きくなっており、経済面の浮揚には至っていない。
そうしたことからか、投資金が不動産に集まりやすくなっており、鉄鋼価格や石炭価格が急上昇している。
公共投資や不動産開発により鉄鋼生産量は今年4~6月は過去最高となっており、生産に必要な石炭価格も連れ高となっているもの。(それでも安い中国鉄鋼製品が輸出されないわけではない。それは中国政府の市場戦略でもある。)
石炭は中国では、暖房にも主力熱源として使用されており、冬場も向かえ価格急上昇、これまで鉄鋼製品の世界への大量輸出で世界中から批判を浴び、政府は、石炭の採炭を規制していたが、ここにきて、一転して大増産命令を出している。
朝鮮にも臨時の橋をかけ、朝鮮石炭の輸入を計画している(表面的には人道支援目的の橋、石炭購入も間接的に人道支援とも受け止められる・・・中国は北朝鮮に対する経済制裁の形骸化を諮っている)ほど・・・。
鉄鋼価格も石炭価格も通常同時に動くが、冬場を向かえ、特に石炭価格が上昇している。ただ、両価格とも中国経済の全般で、良い指標が現れない限り、一過性のものと見られる
日本のように1回、本格的なバブル崩壊を経験させなければ、中国の投資病は治らないとみられる。しかし、世界第2位の規模まで拡大した中国経済のバブル崩壊では、世界中がパニックになってしまう。
中国は、政治も経済も世界の厄介者になってきている。
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