アイコン 武田薬品研究 富士フに和光純薬を売却 2000億円 武田の弱体化

スポンサード リンク
 

富士フイルムは、東芝のPET機器事業の買収では、キャノンにコウノトリを持っていかれてしまったが、内視鏡の分野ではオリンパスの牙城は高く、同社は富山化学工業の買収に続き薬剤に注力していくようだ。

富士フイルムホールディングスが、武田薬品工業の子会社、試薬メーカー最大手の和光純薬工業を買収する方向で武田薬品と最終調整に入った。
買収額は約2000億円と見られている。
富士フイルムは、創薬研究用の試薬や感染症の診断薬に強みを持つ和光純薬を傘下に収めることで、医療事業を強化する。
和光純薬は、武田薬品が株式の約7割を保有。2015年度の連結売上高は約800億円だった。
和光純薬をめぐっては、富士フイルム以外にも日立製作所子会社の日立化成などが買収の意向を示していたが、入札の結果、武田薬品は最高額を提示した富士フイルムと優先交渉することを決めた。月内にも基本合意し、16年度中の手続き完了する予定。

和光純薬工業は武田薬品から分社した会社で創業は武田薬品と同じ、そうした兄弟会社を売却するとは、武田は外資買収で失敗したのだろうか。
同社は、1兆円で買収したナイコメッド社などの海外売上高の営業利益を区別表記しておらず、順調に利益を出しているのかなど不明な点が多い。

和光純薬工業については、元々富士フイルムが9.51%株を保有し、会社内容を知り尽くしていた。
武田は2015年4月にも、水澤化学工業(昭和11年創業時の社名は武田白土工業)を43億円で大阪ガスに叩き売っている。

<武田の弱体化>
武田の弱体化は、親方日の丸の弊害が自由化で露呈、生活習慣病薬が超得意だったものの特許期限が襲い掛かっている、今後ともドル箱が剥離していく。外資も同領域に多くの薬剤を持ち日本市場に投入、モンスター製薬会社との競合で武田の強みもなくなってきている。頼りのブロックバスター系2型糖尿病治療剤「アクトス」による膀胱がん問題が米国で浮上、27億ドルの支払いで訴訟を和解している。

今でも武田は、長谷川天皇と外人さんが強力な個性だけで経営しているが、アクトス問題もあり、強気一辺倒では旨くいかない時世に至っている。

海外では、モンスター製薬会社は、契約社長により、新薬開発などは買収すれば済むことと、資本力にモノを言わせ、創薬で成果を上げたベンチャー企業を高額で買収しまくっている。モンスターやスーパ製薬会社同士の統合合併も盛ん。
米製薬大手企業では、その株の多くをファンドが所有しており、利益を上げなければ社長はすぐ首にされる宿命、その代わり社長の対価はベラボウに高い。社長に対しては、ただ単に利益を出し、配当を多くすることだけが求められている。製薬会社としての社会的な使命など何もな<、儲からない薬は造らないし、研究開発もしない。(日本にも導入されている新自由主義経済とはそんなもの)
結果、新薬コストは超高価になり、そのツケを日本国民・世界市民が支払わされることになる。
2003年から武田に君臨し続ける長谷川閑史氏は、安倍首相と同じ山口県出身、新自由主義の急先鋒の人物。

 

 

本社地
大阪府大阪市中央区道修町三丁目1番2号(武田新和ビル)
代表者
代表取締役社長 小畠伸三
設立
1922年(大正11年)6月5日
(武田化学薬品株式会社)
業種
化学
事業内容
試薬・化成品・臨床検査薬の製造・販売
資本金
23億3,956万円
売上高
74,210百万円(2016年3月期)
総資産
141,696百万円(2016年3月31日現在)
従業員数
1,509人(2016年3月31日現在)
決算期
3月31日
主要株主
武田薬品工業 69.43%
富士フイルム 9.51%
日本興亜損害保険 2.21%
(2016年現在)

 

2011年(平成23年)9月 - スイスの製薬大手、ナイコメッド社の買収を96億ユーロ(約1兆円)で完了、自社販売地域が28ヶ国から70ヶ国に拡大。
2012年(平成24年)4月、アメリカのベンチャー企業インテリキンを、約1億9000万ドル(約150億円)で買収(がん創薬事業)
2014年(平成26年)10月28日 - ルイジアナ州西部連邦地方裁判所での武田が開発したブロックバスター系の2型糖尿病治療剤「アクトス」による膀胱がん(それ以前にフランスで問題視)を主張、武田および米国子会社並びにイーライ・リリーに対する製造物責任訴訟(原告Terrence Allenほか)で、4月7日に原告の主張を認める陪審評決が下され、補償的損害賠償として1.475百万米ドル(当社側負担割合75%、イーライ・リリー負担割合25%)を認定する一方、懲罰的損害賠償として当社側に60億米ドル、イーライリリーに30億米ドルの損害額を認定した。9月3日、この評決に則った判決がなされたが、10月28日、当社側分を27.65百万米ドル、イーライリリー社分を9.22百万米ドルへと減額する決定を下したと公表した。さらに、会社は、訴えを科学的根拠のないものとし、上訴を通じて争うとした。
2015年(平成27年)4月29日 - 当社と米国子会社が、米国アクトス製造物責任訴訟に関し、和解に向けた合意に至り、和解金等として、2015年3月期第4四半期に27億米ドル(3,241億円)を引当計上し、製造物責任保険による支払いが見込まれる保険金額を金融資産として計上し、純額をその他の営業費用として計上する予定で、当期は営業損失として▲1,300億円、税引前損失として▲1,450億円を見込むが、配当方針・期末配当予定に変更ないと発表。
2016年(平成28年)1月12日 - クリストフ・ウェバー社長は、糖尿病を含む代謝領域の研究を中止する方針を表明。「がん」「消化器」「中枢神経」の3領域に経営資源を集中投入する方針。
2016年(平成28年)4月1日 - 長期収載品事業を、三角吸収分割によりイスラエルのテバ製薬の子会社である大正薬品工業(同時に武田テバ薬品に商号変更)に承継。対価としてテバ製薬の株式を49%取得している。テバはジェネリック薬品の世界最大手。
2016年(平成28年)9月13日 - 武田は、「PRA Health Sciences, Inc.」(本社:米国ノースカロライナ州ローリー)と提携契約を締結。同社は、武田のパイプライン開発および販売許可取得後に必要な医薬品の市販後臨床開発を実施。これにより、臨床開発や市販後臨床開発の従業員のPRAへの移籍等を協議予定。

 

2016年3月の武田の医薬品販売事業/百万円
 
売上高
前期比
国内
541,656
-3.5%
海外
1,107,014
5.1%

 

武田薬品工業
連結/百万円
14年3月期
15年3月期
16年3月期
会計方式
IFRS基準
売上高
1,691,685
1,777,824
1,807,378
営業利益
139,274
-129,254
130,828
経常利益
158,851
-145,437
120,539
当期利益
106,658
-145,775
80,166
総資産
4,569,144
4,296,192
3,824,085
自己資本
2,470,739
2,137,047
1,948,692
資本金
63,562
64,044
64,766
有利子負債
859,984
729,381
768,224
自己資本率
54.1%
49.7%
51.0%
1105_01.jpg

 

武田薬品の弱体化を物語る収益率の推移
連結/10億円
売上高
経常利益※
同率
2008年3月期
1,374
536
39.0%
2009年3月期
1,538
327
21.3%
2010年3月期
1,465
415
28.3%
2011年3月期
1,419
371
26.1%
2012年3月期
1,508
270
17.9%
2013年3月期
1,557
133
8.5%
2014年3月期
1,691
158
9.3%
2015年3月期
1,777
-145
-8.2%
2016年3月期
1,807
120
6.6%
・13年期以降はIFRS方式、税引前利益を表記
 
・薬価基準の見直しで大打撃を受けている。

 

[ 2016年11月 5日 ]
スポンサード リンク
 

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ