トヨタ 10月、米中でマイナス転落 何が原因か
中国国家統計局が発表した10月の乗用車販売台数は、前年同月比20.2%増の234万41百台だった。そうした中、トヨタ車は売れず、▲4.1%減の9.92万台のマイナスとなった。
米国でも、10月は全体が▲5.8%減の137.23万台だったものの、トヨタは▲8.7%減の18.62万台とマイナスの平均値よりも悪かった。
トヨタは、米国でも中国でもSUVが全盛でその伸びが止まらないにもかかわらず、普通車・スポーツ系車にばかり傾注して商機を失している。力を込めたセダンのプリウスも米国ではゴテゴテデザインにさっぱり。
SUV投入は今からでも遅くなく、小型・中型のSUVをラインアップすべきだろう。シエンテはゴテゴテして癖があり過ぎ、米・中で売れるかどうかはわからない。今回共同販売開始したダイハツのリッターカーを中国市場に早急に投入すべきだろう。ただ、売れているSUVは中小型乗用タイプのヴェゼル型だが・・、無しよりましだろう。新風も巻き起こせるかもしれない。
安価な中国勢のSUVが売れているかもしれないが、ホンダは成功させている。10月のマイナスは新車のレビン兄弟の賞味期限が切れたことを意味し、これでは年末商戦も覚束ないものになってくる。戦い抜くには韓国勢並みの値下げ攻勢しかないのだろうか。
トヨタ社長が頑固過ぎなのか、長期にわたり車両の潮流に目を瞑っているとしかいいようがなく、そろそろ交代の時期なのかもしれない。トヨタ社長が喜んだTPPも肝心要の米国から逃げられてしまった。
昔、ホンダが若者に受けるデザイン車を次々打ち出し大ヒットさせ続けた。結果、ホンダはトヨタ・日産の両巨頭に割って入ったが、そうした人気のホンダデザインに対して、トヨタは被せデザイン車を対抗馬に矢継ぎ早に打ち出し、ホンダの勢いを止めた。その後、ホンダはアメリカに傾注、日産はトヨタ・ホンダのデザイン戦争に加担せず、没落してゴーン支配に至った。ゴーンは自らの個性を打ち出そうと愛のスカイラインのテールランプをいじくりまわし、ドル箱のスカイラインを売れなくした張本人でもある。今では、名前も日本向けだけに取っ付けているが客は遠の昔に離れている。日本市場にはすでに興味をなくしているようだ。
横一線の車両性能とCM戦略、売れるか売れないかは、デザイン一つで決まる。
日系メーカーの10月の中国自動車販売台数状況
|
||||
2016年
|
10月
|
前年比
|
1~10月
|
前年比
|
トヨタ
|
99,200
|
-4.1%
|
989,300
|
11.0%
|
日産
|
127,200
|
16.1%
|
1,056,300
|
9.1%
|
ホンダ
|
116,005
|
39.6%
|
988,109
|
27.0%
|
マツダ
|
28,147
|
40.1%
|
219,858
|
16.9%
|
<中国車種別>
中国自動車販売の車種別推移/万台
|
||||
|
2013年
|
2014年
|
2015年
|
2016年※
|
乗用車
|
1,792.89
|
1,970.06
|
2,114.63
|
1675.20
|
前年比
|
15.7%
|
9.9%
|
7.3%
|
14.8%
|
セダン
|
1,200.97
|
1,237.67
|
1,172.02
|
844.12
|
前年比
|
11.8%
|
3.1%
|
-5.3%
|
2.7%
|
SUV
|
298.88
|
407.79
|
622.03
|
599.92
|
前年比
|
49.4%
|
36.4%
|
52.4%
|
45.9%
|
MVP・バン型
|
|
324.60
|
320.58
|
231.16
|
前年比
|
|
|
-1.3%
|
1.9%
|
※ 2016年は1~9月までの累計、前年比は同期間比
|
<アメリカ車種別>
アメリカの自動車販売車種別推移/万台
|
||||
|
2013年
|
2014年
|
2015年
|
2016年※
|
乗用車
|
1,560.01
|
1,652.20
|
1,747.04
|
1,447.93
|
前年比
|
7.6%
|
5.9%
|
5.7%
|
-0.2%
|
セダン
|
778.07
|
791.86
|
774.09
|
594.92
|
前年比
|
4.9%
|
1.8%
|
-2.2%
|
-8.9%
|
P/U+SUV
|
781.94
|
860.33
|
972.95
|
853.01
|
前年比
|
10.5%
|
10.0%
|
13.1%
|
6.9%
|
※ 2016年は1~10月までの累計、前年比は同期間比
|
コメントをどうぞ