アイコン 液晶に8000億円投資 鴻海+シャープが中国に +韓国勢の動き

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台湾の鴻海精密工業と傘下のシャープは、中国に世界最大級の液晶パネル工場を新設する検討に入ったと報道されている。
2019年にもテレビ向けパネルを低コストで量産する計画。

地元政府からの補助金などの支援を見込むが、総投資額は8000億円を超える可能性がある。
鴻海の資金力とシャープの技術を生かし、韓国、中国のメーカーと競う態勢を整える。
 必要な設備を確保するため複数の製造装置メーカーと交渉に入っている。
以上、

現状、液晶パネルの生産量は韓国勢が圧倒しているが、普及型TVではすでに中国勢の追い上げを食らっており、過去、日本が韓国勢に追い上げられそうであったように、戦線をプレミアム市場へ移行させつつある。
また、中国は、国家として自国産製品には自国産材料を使用させる動きにあり、液晶工場の増加を図っている。
TVなど液晶を使った製品では、中国勢の成長が今後とも見込まれ、それを狙った今回の液晶工場投資と見られる。

今やプレミアム市場では液晶(LCD)より有機EL(OLED)に移行しているが、有機ELは、寿命・残像問題も抱えたままとなっている。また、価格も歩留まりから一定以上は下がらないとも見られている。

鴻池+シャープ軍団が、どの分野の液晶(LCD、OLED)を生産するのかは不明であるが、シャープの既存の液晶でも今のプレミアム市場の製品と同等の精細力はあり、問題はない。

iPhoneに有機ELが採用するのは2018年からという。鴻海が8千億円を投資するとなると、iPhoneのほとんどを組み立て、製品化している手前、液晶の受注でも韓国勢より優位に営業展開することができる。シャープとの共同作戦ならば、有機ELも視野に入れているものと見られる。
なお、鴻海は傘下に、LCDではLGに次ぐ世界第2位のINNOLUX(群創)を有している。

鴻海はインドに50億ドルを投じて研究施設と工場を建設するとすでに発表しており、世界で2番目に多い人口をターゲットに、シャープとともに、電子・電化製品を展開するものと見られる。そうしたインドへも液晶部材の供給が期待できる。

<韓国勢のサムスンとLG>
サムスンは、すでにLCDからOLEDに軸足を移している。追随するLGもまだ、LCD分野では世界一の生産量だが、順次減らし、OLEDの生産量を増加させる。局面可能なプラスチックOLEDの生産に向け工場建設に入っている。

LGディスプレイは2016年7月、有機発光ダイオード(有機EL・OLED)の生産量を増やすために京畿道坡州工場に1兆9900億ウォン(約1840億円)を投じる計画を発表している。LGディスプレイは、坡州P9工場に第6世代(1500×1850ミリ)OLEDを月1.5万枚の規模で生産する。新設工場は2018年上半期に本格稼動させる。当工場では、プラスチック系のOLEDを生産し、フレキシブル画面を創出するという。
LGディスプレイは現在坡州にある第4.5世代のE2ラインでPOLEDを月1万4000枚規模で生産している。

サムスンは、高付加価値OLEDの生産では世界一を誇り、すでに自社製のTVやスマホに搭載している。既存のLCDラインは8本あったが、これまでに閉鎖したり売却したりして現在は3本だけの稼動となっている。
ただ、次世代のターゲットは量子ドットと見て開発を進めている。量子ドットTVそのものは中国勢もすでに完成させているが、量産化の技術はまだこれからだ。

[ 2016年12月10日 ]
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