アイコン 原油価格頭打ち シェールオイル掘削稼動リグ数大幅増加中で

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1213_03.jpg米シェールオイルの掘削リグ数は、原油安からピーク(2014年8月)1600基台から300基台(2016年1月)まで急減していた。

しかし、生産量は、効率の良いリグだけが残り、ピークの1割程度しか減少していなかった。
コスト競争力では、最効率のリグでは20ドルを切っており、イラン・イラクのコストと同等まで減少しているという。しかし、まだ平均的には40ドル台前半と見られている。

 (12月)10日にはOPECに加え、ロシアも減産することで合意し、12日は54ドル(WTI)まで一時上昇したが、その後は落ち着き52ドル台前半(週末から1ドル高)で推移している。
  これで原油上昇に関するイベントは終了、今後は原油市場や米在庫等の実需の動きにより価格が決定されることになる。中国・米国・欧州の経済成長回復度により動く。

石油サービス大手ベーカー・ヒューズが9日発表した米石油掘削装置(リグ)の稼働数は、前週末に比べ21基増え498基となった。
今年5月末のリグ稼働数の直近最低値(318基)から急激にシェールオイルの掘削リグ稼働が増加している。
OPECが減産に合意したことを受け、原油価格が回復基調をたどっていることから、採算が取れる油井が増え、シェール企業が掘削を再開する動きが活発化している。

原油先物の指標であるWTIは上昇し、13日では1バレル52~53ドル台まで上昇している。
(OPEC関係の減産効果での値上がりは一巡、今後はアメリカの在庫状況により価格が変動することになる。中国の輸入量も注目されるが、中国は今後世界最大の埋蔵量を誇るシェールオイルの本格生産に入ってくる)
 
テキサス州とニューメキシコ州にまたがるパーミアン鉱区が全体を牽引している。前週の増加分の半分強に相当する11基の増加となっている。
コロラド州やワイオミング州などに広がるニオブララ鉱区でも6基増えるなど、新興の鉱区で掘削活動が目立つ。

石油だけでなく天然ガスの掘削リグも増加しており、トランプ次期米大統領のエネルギーインフラ整備への政策期待もシェール企業の心理改善につながっている。しかし、世界景気が低迷している中で、米が増産に踏み切れば、原油価格は下がり、シェールオイル軍団でも採算ラインが高い稼動リグ数は停止に追い込まれる(この間再稼動しているリグがそれに当たる)。
(米資源・エネルギー長官にはCO2規制反対者が就任予定。)

12月2日時点の米原油生産は日量869万バレルで、直近最高の約91%と高水準を維持している。
1油井から生産できる原油量が飛躍的に高まっており、リグ稼働数が増えれば、米の原油生産量も本格回復し、OPECの減産効果が薄れる可能性大。
米の経済成長が、いくらトランプが就任したところで、これまでも経済は回復してきており、大幅な成長路線に入るとは考えにくい。ましてや、失業率も低く、不法移民を追い出しにかかれば、企業のコストアップ要因となり、業績悪化=不況につながる。(リーマン・ショック後10%まで跳ね上がった失業率は4.6~5.0%まで落ち、すでに賃金の上昇を招いている)

 <赤が稼動掘削リグ数 当資料によると一時1800を超えていた>


 

[ 2016年12月13日 ]
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