韓国 7~9月売上高▲4.8%減、10四半期連続減 11月の情報機器は3.3%増
韓国銀行(中央銀行)は15日、上場企業など外部監査対象の法人3062社を対象に調べた結果、7~9月の売上高が、前年同期を▲4.8%下回ったと発表した。
増減率は、2003年7~9月(▲6.3%減)以来の減少幅で、2014年4~6月以来10四半期連続でマイナスとなった。
韓銀は、原油価格下落による製品単価値下がりと(サムスン電子の)ギャラクシーノート7の生産中断、輸出不振が重なったのが主因だと分析している。
製造業の売上高は、▲6.1%の減少だったのに対し、非製造業の売上高は▲2.9%の減少だった。
業種別では、輸送設備が▲10.2%減、機械・電機電子が▲7.4%減、石油・化学が▲6.4%減となったのが目立った。
企業規模別では、大企業が▲5.2%減、中小企業は▲3.2%減だった。
韓国は、訪観客増や不動産バブルに好景気のようにも見えるが、消費税減税もあり好調だった自動車販売も減税終了で終わり低迷、家計負債増もあり、内需不振の長期化が心配されている。
海外は、最大の貿易国の中国、しいては世界経済の好不調に左右される。それも中国が国家事業として最先端技術会社を世界中から買い捲っており、そうした技術向上により競合品も多く、先々はさらに悲観的。
これまで韓国勢が強かった鉄鋼製品や石油製品類なども、原油暴落・中国景気停滞にあわせ、輸出拡大を図り、市場確保する中国勢に韓国勢は太刀打ちできないでいる。中国勢は国策で動く国営企業であり、どんな国であろうと価格も輸出政策もかなわない。関税で壁を作るしかないのが実情。韓国は中国から脅され、それもできず、中国からの輸入が拡大している。今やソウルでも中国製トラックが闊歩しているほど・・・。
韓国のGDPに占める輸出の割合(輸出依存度42.9%)が大きくなり、消費が占める割合が過去の56%台から50%台まで陥る中、世界景気不調、中国景気不調により、韓国の経済成長率は落ちている。しかし、日本とは違いGDPはまだプラス圏内、悲観しすぎることもないだろうに・・・。
<11月の情報機器輸出3.3%増、14ヶ月ぶりプラス>
韓国の未来創造科学部は15日、11月の情報通信技術(ICT)分野の輸出額は148億ドル(約1兆7400億円)で前年同月比3.3%増加したと発表した。14ヶ月ぶりにプラスとなった。
品目別では、
携帯電話(部品含む)の輸出が20億9000万ドルで前年同月比▲27.4%減少した。減少は8ヶ月連続。世界のスマホ市場の成長が鈍るなか、中国勢の台頭、サムスンのノート7の剥落、LG電子が昨年、一部を担っていた米グーグルのスマホ生産が今年は台湾企業に移ったことなどが要因と分析される。
ディスプレーの輸出は3.1%増の24億7000万ドルだった。有機ELパネルの需要増で16ヶ月ぶりに増加に転じた。有機ELパネルの輸出増は、サムスンのベトナムなど海外のTV・スマホ生産工場への輸出が増加しているものと見られる。
半導体は、11.6%増の57億9000万ドル。需要増と単価上昇が追い風となり、22ヶ月ぶりに2ケタの伸びを記録した。
コンピューターおよび周辺機器は15.2%増の6億6000万ドル。
11月のICT分野の輸入額は80億8000万ドルだった。半導体(31億3000万ドル)が前年同月比▲6.1%減少した一方、アップルiPhoneなどの携帯電話(11億8000万ドル)は0.2%増、ディスプレー(4億3000万ドル)は1.1%増、コンピューターおよび周辺機器(8億ドル)は15.3%増となった。
ICT分野の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は67億2000万ドルの黒字だった。産業全体の輸出黒字(80億ドル)の大半を占めている。
<韓国の貿易収支推移>単位:百万ドル
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