韓国1,660万羽殺処分 鳥インフル過去最悪 最深刻レベルに引上げ
韓国で高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)の感染が拡大し過去最悪の被害が出ている。今月17日現在、54ヶ所の農場で約1,660万羽が殺処分となった。
韓国政府当局や専門家は、感染被害が拡大していることについて、4つの問題点を挙げている。
発生前の韓国のデータでは、鶏が1億4,627万羽、アヒルが877万羽飼育されている。
1、農場の密集度
韓国で、鳥インフルエンザが発生した採卵鶏農場は42ヶ所のうち、27ヶ所(64%)が3キロ以内に所在しており、密集した地域にある農場で鳥インフルエンザが発生したことで、被害も急速に拡大した。
2、カモの飼育数
韓国では、カモの飼育数が多く、感染カモによる田畑を通じた感染の確率が高いとみている。カモは現在、飼育数の16.6%に当たる145万7,000羽が殺処分されている。
3、初動対応の遅れ
韓国政府は、鳥インフル感染が半島西部(黄海側)で急拡大する中、地域的な対策しか取らず、全国的な警戒レベルを上げなかったことが、防疫体制の遅れを生じさせ、感染を拡大させたとしている。
韓国では、すでに1千万羽の殺処分が行われているにもかかわらず、全国レベルでの警戒が遅れ、農林畜産食品部は12月15日になり、危機警報を「警戒」から最も高い「深刻」に引き上げた。
当局は、感染拡大を受け移動禁止措置を取ったが、短い期間に限られていた。
4、採卵鶏農場における管理
養鶏農場への出入りトラックに対する防疫管理に問題
今回の鳥インフルエンザによる被害は、特に採卵鶏農場が深刻で、卵の供給にも支障が出ている。そのほかの農場に比べ、出入りする車両が多いことが原因とみられている。
50万羽を飼育する採卵鶏農場では1日6回、20万羽の農場では1日2回車両が出入りするが、養豚などの農場の場合は3日に1回、飼料を運ぶ車両が出入りするという。 卵の搬出にも問題があると指摘されている。
韓国では、車両が農場に直接進入し、鶏舎の入口で卵を搬出するケースが多く、防疫も十分でない場合が多いという。
別地域で発生した鳥インフルウイルスのDNAが、後日、釜山で発生した鳥インフルのDNAと一致、鶏卵や飼料の運送車両により拡散したものと見ている。
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