アイコン 中国にかけたLG化学・サムスンSDI・SKイノ承認もらえず 補助金対象外に

スポンサード リンク

LG化学とサムスンSDIなど韓国のバッテリーメーカーの中国市場攻略は今年も厳しい。
自動車業界によると、中国政府は2016年12月29日午前にLG化学とサムスンSDIのバッテリーを搭載した中国の電気自動車5モデルを補助金対象に上げたが、半日でこれを撤回したという。補助金対象から撤回された5モデルに搭載された電気自動車用バッテリーは、
LG化学の
1、東風自動車製4トンEVトラック
2、上海GM製「キャデラック」HV乗用車、
3・4、上海自動車の「栄威」製HV自動車の2モデル、
サムスンSDIの
5、陝西自動車の6トン電気トラック。
の5モデル。

中国政府の今回の措置は、韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備決定に対する経済報復措置の一環と分析される。
中国政府が当初補助金対象に上げた電気自動車は95社498モデルに達したが、韓国製バッテリーを搭載した5モデルだけ除外されたことがそれを示している。
また、最終補助金対象に上がった493モデルのうち50モデル余りは電気自動車用バッテリー規範認証対象メーカーでない企業で作ったバッテリーを搭載したもので、これまで業界で知らされた「韓国製品が電気自動車バッテリー規範認証対象メーカーになれなかったため」という論理も苦しい。

昨年12月初めだけでも韓国のバッテリーメーカーの中国進出には希望が見えた。当時中国工業情報化部の会議で、今年から補助金を申請できる目録に「三元系バッテリー」を搭載した電気バスを含めたという知らせが伝えられていた。三元系バッテリーはリチウムイオンバッテリーの一種。正極材の素材として、ニッケル、マンガン、コバルトを使ったものを指す。
正極材をリン酸鉄リチウムで作ったLFPバッテリーに比べエネルギー密度が高く、さらに長く使うことができる。LG化学とサムスンSDIだけでなく、日本のパナソニックも三元系バッテリーを生産している。これに対し中国メーカーはほとんどがLFPバッテリーを作っている。

LG化学は2015年10月に南京に電気自動車10万台に供給できる規模のバッテリー工場を、サムスンSDIも同じ時期に西安に電気自動車15万台規模の工場を建てた。
だが、これまで中国政府の認証を受けることができず、補助金を受けられないことを懸念した中国の電気自動車メーカーがサムスンとLGのバッテリーを敬遠した。
韓国のバッテリー業界関係者は「電気自動車価格で、バッテリーが占める割合は半分近くになるため補助金なしでは競争力を備えることはできない。このためサムスンとLGは中国にバッテリー工場を設立しながらも稼動率が高められずにいると承知している」と話している。

日本の市場調査会社B3の推定値によると
2015年世界の市場シェア1位は153万9000キロワット時の電気自動車用バッテリーを生産した日本のAESCがシェア23.5%で日産のEVリーフに供給されている。韓国のLG化学が111万8000キロワット時で16.6%、
中国のBYDが102万1000キロワット時で15.1%と続いた。
テスラの協力会社であるパナソニックは92万4000キロワット時で13.7%、
サムスンSDIが84万6000キロワット時で12.5%となった。

現在、世界1位は昨年市場シェア64.3%の日本。しかし、中国は2014年6.3%だった世界市場シェアを昨年18.0%に高め、韓国の17.7%を追いつき超えた。だが、まだ生産量順位に大きな意味がないというのが一般的な評価。電気自動車市場自体がまだ初期段階にとどまっているからだ。

テスラのモデル3が使用することにしたバッテリーは、約7000個の電池が連結されて使われる円筒形バッテリー。
LG化学とSKイノベーションは、パウチ型のバッテリーを主に生産する。円筒形バッテリーはパウチ方に比べ量産化しやすく、生産原価も安いが軽量化が難しいとされる。
これに対しパウチ型(ポリマー)は、アルミニウムパウチに電池素材を注入してエネルギー密度が高く、車両デザインに有利で自動車メーカーが好む。
現代・起亜自動車関係者は「テスラの既存ラインナップが円筒形に合わされており、すぐにパウチ型を使いたくても設計変更など容易でない過程を経なければならないだろう」と指摘した。
(テスラが韓国勢からも導入するとの考え方を明らかにしたものの、パナ社がテスラを囲い込み、その望みが絶たれたことから、このような発言となっている)

SKイノベーションがメルセデスベンツを生産するドイツのダイムラーグループに電気自動車用バッテリーを供給している。ただ、HV用は別にしても、EVの場合、1回充電での走行距離、充電時間、充電場所の問題から、まだ欧米で普及しているとは言いがたい。

ガソリンの燃料価格は、トランプが今後シェールオイルの輸出を大幅に増加させると伝えられている。オバマ政権までは実質輸出は許可されなかった。しかし、シェールオイルの暴落に業界団体から圧力を受け、試験輸出を開始している。眼下、原油価格は50ドルを超えており、60ドルまで上昇するといわれている。そうすれば、現在、米国の原油産出量の半分を占めるシェールオイル(米国の原油生産日量約900万バレル)は、稼動リグ数を大幅に減らし(2014年10月1262基、最低は2015年4月302基、現在500基超)、最近原油価格の上昇を見て増加しているものの、その増加にさらに弾みがつくものと見られる。そうしたことから、米石油在庫が今後の価格指標に大きな影響を与えるものと見られる。シェールオイル増産では下げ圧力となる。
そうした中、EVの普及がどこまで増加するか、自動運転車の開発が進んでも、すでに車両エネルギーに関係なく電子制御化されており、トランプしだいでEVの普及は遅れることになる。

スポンサード リンク
[ 2017年1月 4日 ]

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ