アイコン 中国外貨準備高の減少続く  保有米国債残高も減少

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世界一の規模となっている中国の外貨準備高は、海外への資金の流出を背景にした人民元のドルに対する急激な値下がりを食い止めるため、当局が市場介入を積極的に行ったことなどから、去年末の時点で3兆105億ドルとなり、2年連続で大幅に減少した。
中国の中央銀行の中国人民銀行は7日、外貨準備高が2016年末の時点で3兆105億ドル(日本円でおよそ352兆円)になったと発表した。

これは、1年前と比べて▲3,198億ドル(日本円で37兆円余り)減っていて、一昨年に▲5,126億ドル減ったのに続いて2年連続の大幅な減少となった。
それを反映して、中国が保有する米国債残高も2016年10月現在1兆1,157億ドルと1年前から▲1,391億ドル減少させている。2015年の輸入額は1兆6,819億ドルある。

中国では、景気の先行きの不透明感や、アメリカのトランプ次期大統領の政策に対する期待を背景に、企業や個人が海外で事業や不動産を買収するといった理由から、人民元を売ってドルを買う需要が高まり、外国為替市場では、元のドルに対する為替レートが昨年1年間で約▲7%下落した。

中国人民銀行は、外貨準備高の減少について、「為替レートを安定させたことが主な要因だ」と説明していて、市場では、中国の金融当局が、元のドルに対する急激な値下がりを食い止めるため、ドル売り・元買いの介入を積極的に行ったことなどによるものだという見方が広がっている。

中国の外貨準備高は依然として世界一の規模だが、経済規模も大きく、海外への資金の流出が止まらない実態が浮き彫りになった形で、中国政府の今後の対応が焦点となる。

外貨準備高の大幅な減少は、中国から海外へ資金が流出し続けている実態を浮き彫りにしていて、中国政府は対応に苦慮している。

外国為替市場では、中国経済の先行きの不透明感がくすぶる一方で、アメリカ経済への期待が高まり、通貨・人民元を売ってドルを買う流れが止まらず、元はドルに対して一時、8年7か月ぶりの安値水準となった。

強まる元安圧力に、当局が市場でのドル売り介入などを続けた結果、一時は4兆ドルに迫る水準まで積み上がっていた中国の外貨準備高は、僅か2年半で4分の1が失われた。

こうした中で、中国政府は、個人が1年間に両替できる外貨の金額を制限するといった従来の規制に加え、昨年に入ってからは、金融機関に対して、国境を越える資金の取り引きの監視を強化したり、企業の対外投資について不動産など一部の案件を取り止めるよう促すなど、外貨準備高の減少につながる資金の流出をなんとか食い止めようとしている。

一方、市場では、今月20日に就任するアメリカのトランプ次期大統領が、中国を、通貨を意図的に安くしている「為替操作国」だと批判していることなどから、中国当局がこうした批判を避けようと、今後も元を買い支えるという観測が広がっていて、実際に今週、元がドルに対して大きく値上がりする場面があった。

ただ、中国が介入を強めることで外貨準備高が、さらに減少すれば、かえって経済に対する懸念が高まるため、結果的に今年も元安傾向が続くという見方も出ており、中国当局は難しい対応を迫られる。
以上、

 

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[ 2017年1月10日 ]

 

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