アイコン サムスン電子李在鎔副会長を逮捕へ 崔順実側に多額拠出 崔順実ゲート事件

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韓国の特別検察官は「サムスンは、(グループの)サムスン物産と第一毛織の合併で、国民年金から支援を受けようと、見返りに崔順実被告親子に『馬を提供した』」とし、逮捕状を請求した。

サムスンのオーナー一族は、巨大になったサムスン電子の経営支配を今後とも確実にするために、実質サムスン電子の大株主である第一毛織とサムスン物産を合併させ、支配を確実なものにした。その際、サムスン物産の業績を計画的に悪化させた株価を落とさせ、第一毛織の合併比率を高めて合併させたことから、外資のエリオットらが合併に反対した。

<合併前のサムスン物産の持株比率>
賛成派:サムスン一族等関係者13.82%、国民年金11.21%、KCC5.96%など。ほか、証券会社22社中21社賛成
反対派:米ハゲタカのエリオット7.1%、同メイソン2.2%、日盛新藥2.1%など。

<朴大統領弾劾へ至るオカルト崔順実ゲート事件とサムスン>
1、崔順実と鄭維娜(チョン・ユラ)との馬術支援契約:220億ウォン(支出済み78億ウォン)
2、崔順実の姪の冬季スポーツ英才センターに拠出:16億ウォン
3、崔順実が私物化していたミル財団・Kスポーツ財団への拠出:204億ウォン

 特別検察官は「サムスンは、サムスン物産と第一毛織の合併で国民年金から支援を受けようと、崔順実被告親子に馬を提供した」としている。ほぼすべての関係者が「国民年金が合併賛成を決める際に問題があった」と話していることから、特別検察官はサムスンから朴槿恵(パク・クネ)大統領に請託があったと見ている。
一方、サムスンは「朴大統領が李副会長と1対1で会った際、大統領が『ハンファから大韓乗馬協会(の運営)を引き継いだのだから、少なくともハンファと同じくらいの役割をするべきではないか』と怒り出し、これに驚いた李副会長が、有望な乗馬選手の育成事業を支援した」としている。合併問題がなくても、朴大統領がこのように圧力を加えてきたら支援するしかなかったようだ。
 国民年金の件は、今のところ、状況証拠でしかない。

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サムスン電子の一族系持株比率
李健照
3.4%
李在熔
0.6%
ホン・ラヒ
0.7%
サムスン物産
4.1%
サムスン生命
7.4%
16.2%
 
<合併経過>
2014年5月10日、李健煕会長が急性心不全で倒れ、意識完全に戻らず寝たきり状態になり、李在鎔副会長が事業承継を急ぐ。
1、2015年5月26日、サムスングループは支配構造の再編作業の一環としてサムスン物産と第一毛織を合併させることを決定し、表明した。
合併比率をサムスン物産1:第一毛織0.35の割合とした。
2、2015年7月17日、株主総会、第一毛織で合併案が承認された。
3、2015年7月24日、株主総会、69.53%の賛成票で合併は承認された。
4、2015年9月1日、サムスン物産と第一毛織が合併
5、2015年9月14日、(新)サムスン物産として再上場した。
 
<合併前の第一毛織の株主構成>
1<李在鎔副会長が23.2%。
2、KCCが10.18%
3、李富真新羅ホテル社長7.74%
4、李叙顕第一毛織ファッション部門社長7.74%
5、国民年金が5.04%
 
<合併前のサムスン物産の株主構成>
1、サムスングループの系列会社・特殊関係人が13.92%
(うちサムスンSDI7.18%、サムスン火災4.65%、李在鎔副会長は1.4%ほか)
2、韓国企業のKCCが5.96%(建材会社)、
(現代財閥から分離独立した建材メーカー・太陽光発電会社、カジノ会社。サムスン物産が自社株を2015年6月11日売却して5.96%保有、KCCは第一毛織株の10.18%も保有)
(賛成票を確保するためのKCCへの売却とされるが、自社株売却は役員会の専権事項)
 
3、国民年金公団が11.21%
 
4、同公団以外の韓国機関が11.05%(証券会社や金融機関)
 
5、米ハゲタカのエリオットが7.12%(反対)
 
6、米ハゲタカのメイソンキャピタルが2.18%(反対)
 
7、日盛新薬2.1%(反対)
 (裁判を起こし、一審でサムスン物産の1株価値を合併価格より16.8%増した価格を認定、同社に32億円入ることになった)
などとなっていた。
株主総会では69.63%の賛成票で合併は承認された。
 
<合併効果・サムスン電子の11.3%支配>
結果、李一族はサムスン物産の30.4%の株を保有することになった。しかも、サムスン物産はサムスン電子の4.1%の株を所有し、また、19.3%保有するサムスン生命を通してサムスン電子の7.2%と合わせサムスン電子の11.3%の株主となった。
(李在鎔副会長のサムスン電子の持株比率は0.6%に過ぎないが、新サムスン物産を支配することでサムスン電子の実質大株主となった)
 
<サムスン物産の株価下げの証拠、裁判所の見解=判決内容>
サムスン物産が住宅の新規供給や受注量など、企業価値を高められる好材料を意図的に合併後に回したり、公開を先送りするなどして企業価値を低く評価させたと推定した。
具体的には、
1、2015年上半期は住宅景気が活況を呈している状況で、他の主要建設会社が住宅の新規供給を大幅に膨らませた一方、サムスン物産は300余世帯しか供給せず、合併決定後の下半期にソウルに1万994世帯のアパートを供給する計画を明らかにした。
2、また、2兆ウォン(約2,000億円)規模のカタール複合火力発電所工事を受注していながら公にせず、合併後にこれを公開したこともその根拠に挙げた。
3、さらに、2014年末から2015年初にかけてサムスン物産が主管した建設工事のうちの一部をサムスンエンジニアリングに譲っていた。
4、株主の国民年金公団が合併前に売りたたき、株価を下げ、合併後に買い越している。合併発表前11.21%の筆頭株主。
 
<その他>
1、サムスン物産の合併に反対していたエリオットに対して、韓国政府系の韓国投資公社(KIC)は、エリオットが国益に反する行動をとった場合、エリオットに出資している資金を引き上げるとエリオットの動きを牽制していた。
(エリオットは裁判を起こすとしていたが、この恫喝が効いたのか、裏取引があったのか、合併後は沈黙、最近では、サムスンに対して、サムスングループ全体の持株会社構想を助言し、敵対していたサムスン側が検討すると表明している。)
 
2、ハンファ財閥傘下でサムスン物産の株式を保有するハンファ証券の社長は、合併比率問題から証券会社で唯一反対したが、その後、ハンファ財閥側から社長は更迭され首になった。ハンファ財閥とサムスン財閥は付き合いがある。
 
3、2015年7月20日、米WSJは社説で、「国民年金の決定は『経済民主化』の旗を掲げ財閥を規制するという政府の約束に反する。韓国社会が自由市場に反する行為を愛国心という名の下で黙認している」と皮肉った。
以上、

[ 2017年1月16日 ]
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