アイコン 韓国経済 中国向け素材・部品の輸出減顕著 中国の国別貿易額

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2016年、中国の輸出は前年比で減少し、韓国から中国への輸出も全体及び素材・部品輸出も減少、ただ、素材・部品輸出は日本からの韓国への輸出は増加している。
素材・部品の日本から韓国への輸出は3%上昇、韓国の中国への輸出は▲11.6%減となっている。
ただ、2014年と2016年の2ヶ年を比較すると、韓国の中国への輸出は▲13.2%減、日本の韓国への輸出は▲10.8%減少している。

2016年、中国の韓国との貿易総額は前年比▲8.5%減の2,524億ドル。

理由は3つと見られる。
1、中国の輸出額が減少している。
2、中国の技術進歩
中国は、先端技術企業を国策により世界で買い漁っている。米国からは会社によっては禁止措置が取られるようになったことから、今やドイツの最先端企業がターゲットになっている。そうして手に入れた先端技術が中国国内に投下され、急速に普及させ、量産体制を築き上げている。
技術は盗むものから、買うものに変化しただけましだろう。

鴻海とシャープが中国で大規模ディスプレー工場を建設するが、これも中国の内製化の一つになり、国策で民族系企業に最先端の大規模半導体工場をいくつも建設させ、2018年にも量産体制に入る。
現在のところ、中国市場向けだけでも大きな量を必要とし、輸出分まで含めれば相当量が必要となる。
また、IOT搭載の電子製品や電化製品、全自動自動車の開発も進んでいるものの、今後の必要量は拡大しようが、目先では値崩れが生じる可能性がある。

3、韓国企業の開発技術には限界
日本は、韓国勢の台頭により整理淘汰されてきたIT先端技術会社で、今も生き残っている会社は、スマホではサムスンやアップル・中国勢に対して、それぞれが有する工場へ向け輸出もしくは現地生産して納品している。現在でも常に必要な素材・部品を切磋琢磨に開発し進化させ続けていることにその世界的なニーズがある。
今や、中国勢の台頭を前に、かつての日本が韓国に見える。

サムスンの半導体のように、巨額な利益の多くを開発に当てれば、技術は常に進化させることができるが、技術水準が変わらず、同じ土俵で戦うことになった場合、生産コストが安い企業だけが生き残る世界でもある。これまでに、韓国や台湾勢に、米国の日本のドイツの半導体製造企業の多くが整理淘汰されてきたように。
<韓国特有の財閥形態にも問題>
サムスングループも含め韓国財閥企業を見た場合、その業種の豊富さは目に余るものがある。経済成長時ならば、何をやってもうまくいこうが、景気低迷下では、オーナー色が強い韓国の経営者の判断が及ぶところは限られるものと見られる。

2016年を見た場合、韓国政府は、中国やベトナムに展開する韓国企業に対して、自国の若年労働者の失業問題を抱え、国内に回帰させている。そのため、製品輸出は増える一方で、中国やベトナムへ、主に韓国企業の現地工場向けの輸出量の増加は見込めなくなっていると見られる。

韓国紙は次のように掲載している。
韓国では、半導体・ディスプレー・自動車部品など韓国製素材・部品の中国向け輸出が急減している。
中国が技術自立化を速め、加工貿易禁止規制を強化したことにより、2000年代初めの中国経済急浮上以後に形成された「韓中日三角分業体制」の崩壊が加速しているという分析が出た。

16日、産業通商資源部が発表した「2016年素材・部品輸出入交易」資料によれば、昨年中国向けの韓国製素材・部品輸出額は合計827億ドルと集計された。
2014年953億ドル、2015年935億ドルから100億ドル以上の大幅減少となった。

品目別に見れば、
携帯電話液晶表示装置・無線通信機器など電子部品の輸出額は、2014年462億ドル、2015年472億ドルから、昨年は387億ドルに急減した。

機械装備と自動車部品など輸送機械の輸出も2014年67億ドル、2015年65億ドルから、昨年は55億ドルに減少した。

産業部は「中国の国産素材・部品供給度が向上し、加工貿易制限が強化されたために輸出額が減少した」として「中国に進出して素材・部品中間材を生産してきた韓国企業が、現地で販売できずに韓国国内に逆輸出することもある」と説明している。

中国の加工貿易禁止品目は、2004年の341個から2014年には1871個に増えた。

韓国、日本、中国の素材・部品製造業は、中国経済が急速成長期に入った2000年代に入り「東アジア3角分業体制」を形成してきた。

核心素材で、技術的に比較優位な日本が、韓国に素材・部品を輸出し、韓国がこれを部品と半製品にして中国に再輸出すれば、中国がこれを完成品に組立・加工して世界市場に輸出する加工貿易分業体制。
この体制の崩壊の憂慮は数年前から言われていたが、衝撃を伴って現実化している。

韓国が日本から輸入する素材・部品も毎年減っている。2012年374億ドル、2014年305億ドルだったが、昨年は272億ドルだった。4年間に100億ドル(▲27%減)ほど減った。

対日貿易収支では、輸入額が減ったために1980年代以来続いてきた貿易不均衡が改善されていることは喜ばしいと言える。

だが、韓国の内部事情は複雑。
韓中日3角分業体制の瓦解が速まり、韓国の産業・企業の中国向け中間材輸出が減った為に、日本から輸入する核心素材も急減している。
国際貿易取引品目分類コード(HS)上、先頭が“8”で始まる機械装備・半導体・自動車部品など一部の核心素材はまだ日本からの輸入に依存している。

 “世界の工場”である中国が、単純組立基地から脱却し、素材・部品の国産化率向上を本格的に推進し始めたのは2004年以後。いわゆる“チャイナ・インサイド”。
中国政府は、中間材の輸入を抑制し、素材・部品産業の競争力を向上させるため、2004年に中古機械など341品目を加工貿易禁止品目に指定した後、2007年には1140品目に増やした。(中国の2015年版では輸出入制限品目として1871品目が掲載されている。)

現代経済研究院のチョン・ヨンチャン研究員は「中国の素材・部品自給率が急に高まり始めたのは、2008年の金融危機直後から」として、「最近の国際技術評価報告書によれば、韓国はまだ日本の核心素材技術を追撃している段階で、中国は半導体・機械などで韓国を急追している」と話している。
以上、

急速な技術革新と産業構造高度化の中で、中国製造業の競争力と部品自給率が向上し、韓国の中間材輸出にとっては非常事態になった。

韓国の中国向け主力輸出品目は、相変らず石油化学・鉄鋼・半導体・ディスプレーなどの素材・部品中間材となっている。
1、中国は、石油化学品は一部を残し、中国の石油化学品の生産体制が確立し、今では輸出に回しているほど。

1、中国は、鉄鋼製品は高性能鋼板など一部を残し、国産化されている。ただし、民族系は品質に問題があり、高品質を求められる製品に用いれば支障をきたすことになる。今や韓国へ中国製鋼材が大量に輸出され、韓国内では値崩れが昨年から生じている。

1、韓国企業が利益を満喫している半導体やディスプーは、中国で国策大量生産時代が到来する2018年には厳しくなる。

1、韓国サムスン、昨年はノート7の失敗も影響しているものと見られる。中国のサムスン・スマホ工場とSDIのバッテリー中国工場向けの輸出失墜も影響していると見られる。

1、韓国企業も日本企業もすでに多くが中国へ進出して中国で生産していることから、その分だけ、中国への輸出は減る。
韓国勢の中国工場であっても、これまで韓国から部品を取り寄せていたものが、中国企業の技術進歩により現地調達され、日本の核心技術部品も、日本勢の中国工場や中国企業・韓国企業の中国工場へ直接輸出されている。
当然、日本から韓国への輸出も、韓国から中国への輸出も減る。中国の技術の追い上げを食らう分野が、日本勢より韓国勢に多い点もその影響を受けやすくなる。

 こうして3角貿易の崩壊に代わって、中国内部の工場単位で3ヶ国間の工場同士で3角生産体制が形成されている。しかし、それも民族系の技術的な台頭により、核心部品がない限り、いずれ消滅するものと見られる。

中国の加工貿易禁止類は以下のもの。
<輸出入が禁止された商品>
古着、わいせつな古書・古雑誌、有害物質・放射性物質を含む工業廃棄物などや絶滅のおそれのある野生動植物類およびその製品、エネルギー資源、ウナギの稚魚、化学調味料、無煙炭、燃料油、重油類、液化天然ガス、ブロック状屑鉄、粉状屑鉄、廃車スクラップなど。

<輸入が禁止された商品>
鶏の冷凍手羽先、輸出商品を栽培、養殖するための種、苗、化学肥料、飼料、添加物や抗生物質、中古機械電気設備など。

<輸出が禁止された商品>
絶滅の危機に瀕する野生動植物を原料とする皮革製品や装飾品類、動植物油脂、食品、飲料、天然砂や雲母などの鉱産品、加工木材、パルプ類および加工紙製品、黄燐、化学製品、鋼鉄製品、鉛蓄電池、多結晶シリコン、ガラス屑、モデルガンや環境汚染リスクの高い品目など。

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2016年中国の貿易額(輸出入合計)
 
/億ドル
前年比
シェア
総計
36,849
-6.8%
 
アメリカ
5,196
-6.7%
14.1%
EU
5,468
-3.1%
14.8%
 ドイツ
1,512
-3.5%
4.1%
 イギリス
743
-5.3%
2.0%
 オランダ
672
 
1.8%
 フランス
471
 
1.3%
 イタリア
430
 
1.2%
ASEAN
4,517
-4.2%
12.3%
 ベトナム
982
2.5%
2.7%
 マレーシア
867
-10.8%
2.4%
 タイ
757
 
2.1%
 シンガポール
703
 
1.9%
 インドネシア
534
 
1.4%
オーストラリア
1,078
-5.3%
2.9%
香港
3,052
-11.1%
8.3%
台湾
1,795
-4.5%
4.9%
韓国
2,524
-8.5%
6.8%
日本
2,748
-1.3%
7.5%
小計
26,378
 
71.6%
 
 
輸入
15,875
 
 
輸出
20,974
 
 
China Press
 


 

[ 2017年1月23日 ]
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