アイコン 原油価格 米在庫の過去最高水準にOPEC減産効果相殺・今後の米増産体制

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1日のニューヨーク原油先物市場ではWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)先物価格が下落した。
米エネルギー情報局(EIA)統計で、米在庫が過去最高水準に積み上がったことが明らかになり、石油輸出国機構(OPEC)減産による効果が薄れるとの見方が広がっている。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は、「市場はまだ、OPECの減産と米国の膨大な在庫という現実の間で苦しんでいる」と指摘し、「そろそろ米在庫が減少し始めないと、市場はやっかいなことになる」としている。
  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前日比18セント(0.33%)安い1バレル=53.83ドルで終了。
ロンドンICEの北海ブレント5月限は15セント(0.3%)下げて56.36ドル。
以上、ロイター通信参照
米国では、自動車販売台数増にも陰りが見えてきている。トランプ政策で違法移民(1200万人のうち犯罪者など300万人が対象)が強制送還されれば、さらに販売台数が落ち込むものと見られる。

米国では、シェールオイル含む原油生産の稼動リグ数が、過去最大1600あったが、原油価格暴落で400を割り込んでいた。それが原油価格の回復で稼動リグ数が600以上に急増している。それも生産技術が進歩し、生産コストをかなり下げてきており、価格抵抗力もあり、以前のように少々原油価格が下がったところで、一度稼動させたリグはなかなか停止に追い込まれないと見られている。(米国では石油原油生産とシェールオイル生産が総原油生産の半々となっている)

まだ、稼動リグ数が増加しても最大時の半分にも達しておらず、今後もシェールオイル中心に稼動リグ数が増加すると見られ、サウジアラビアが市場を失う恐れで減産しなかった問題が、現実なものになってくる。
(埋蔵量の大きなシェールオイル層で、最新技術による生産では、生産コストが30ドルを割るとの報告もある)
プレーリー地帯では、大昔から貯まったロッキー山脈の地下水による(自然にある)地下ダムが大規模に農業用水として吸い上げられ枯渇し、陥没や地域一帯が砂漠化している。シェールオイル掘削により、近い将来シェール層のある全米の地で大陥没があちこちで出現するものと見られる。

トランプ政権は、シェールオイルがコスト高となる内陸部の生産の輸送手段として、パイプラインの建設を認可しており、南部などにある石油精製工場に安価に輸送されれば、さらに増産が進むものと見られ、巨大原油輸出国に変身することが予想される。
世界の原油埋蔵量に匹敵するとされるカナダのオイルサンド(重質油)も、米国南部までパイプラインで運ばれることになり、その実現は意外と近いと見られる。
10年単位に見れば、泡銭の中東の凋落が現実なものになる。

<↓ 朝焼けか夕闇かシェールオイル掘削リグ>
<↓ 朝焼けか夕闇かシェールオイル掘削リグ>

 

[ 2017年3月 2日 ]
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